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アコースティッククラブ25時コミュの 教室の匂い

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◆ 教室の匂い

教室に、匂いがある。
少し埃臭いような制服。女の子のつけている、柑橘系のデオドラントスプレー。
男の子の髪から匂う安い整髪料。それに子供っぽい体臭が入り交じって、そう、
独特の匂い。

匂いには季節感もある。

春には、塗ったばかりのワックスと、樟脳(しょうのう)のような一種薬品臭
い匂い。それを、やや大きめの制服で笑い転げる生徒の群れに吹く風が、柔か
い香りでそっとはらう。

夏には、照りつける太陽で乾いたグランドからの、むっとした熱気が教室に満
ちる。そのどことなく刺激的な匂いは、窓を大きく開け放っても逃げていくこ
とはない。けだるい午後には、それはいちだんと強さを増す。

秋には、汗の匂いが絶えず教室を流れることになる。体育祭や地区大会の練習
で泥まみれになった体操着が教室の窓に揺れる。表の焼却炉で焼くゴミの匂い
もときおり侵入してきて、子どもたちは大慌てで窓を閉める。

冬には、ストーブの石油臭と、カバンのなかで温められたお弁当の匂いが、閉
めきった教室に充満する。少しテカリが出始めた制服の、ややすえたような匂
いも温められる。

そして三月。子どもたちが卒業した後の部屋には、もう匂いはない。ひんやり
とした空気と、電灯のせいばかりではない薄暗さが教室を占領する。鼻をうご
めかして、空気の香りを嗅ごうとしても、何も返ってはこない。

私は、誰もいない教室に、まだ薄ら寒い北西の風を入れ、ゆっくりとほうきを
取り上げる。ひと掃き、ひと掃き床を浄めては顔を上げ、また空気を嗅ぐ。ま
るで、巣立っていった子どもたちの笑いさざめく声と、残していった思い出の
ひとつひとつの香りを追っているかのように。

 君が香(か)を とどめておきたい

 風、止まれ!


みんなは高校や社会の新しい生活にいよいよスタートですね。
 卒業生を出した後の教室というのは特別な思いがします。
今回の学級通信は、クラス委員が書いてと言ってくれたので
365日の思いを文にしてみました。写真と一緒に送ります。
ホントにみんないないんだ。でもね、もうすぐ新しい37人が
入ってくるんだよ。心、新たに「待ってるよーーーーっ」。

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