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リレー小説(僻地支部)コミュのストーリーD(私&なんでもあり)

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コメント(26)

梅雨の空模様だった。
こんな日は気持ちもじめじめしてしまうのだろうか。
しかし、私の今の気持ちとしてはそんなに湿っぽいわけではない。強いて言えば、晴れ時々曇りという感じだ。
 コツ、コツと靴音が辺りを反響する。
 周りには誰もいない。どこか切り離された空間にいるような錯覚。迷子になった孤独感にも似ている。
 場所が場所だ。そういう気持ちにもなるのは無理はないかもしれない。
 コツリと靴音が止まり、目的の場所に着く。
 古ぼけた墓。手入れがされていないのは見てわかる。花が枯れていた。私は、そこに一輪の花を供える。
 墓をしばらく眺める。口から仏に向ける言葉は思いつかない。
 なぜならば、墓の主とは一切接点がないからだ。
 でも今、ここにいる。実に奇妙だ。足元に点、点と墨のようなものが落ちてきた。
 雨が降ってきた。
 
西暦2059、この地にも無数の爆弾が投下され、街は見る影もなくなってしまった。

今の私に残されているものはなんだろう?
難民一時避難用の宇宙空間コロニーへ移ってから連絡は途絶えた両親。

8年前、宇宙技工士と結婚し、ヒューストンへ行ったまま音沙汰が無い姉。

今ここにある身寄りの無い私と、興廃したこの大地、そして花を手向けたこの墓‥
雨はその勢いを増す。
しかし、この場を離れる気はない。

用意はあった。
先ほど100万円均一で高枝式錐揉み傘を買っていたのだ。
(過去スペース通販で大人気の一品が簡単に100万円均一で手に入るようになった。
これも時代の流れか・・・なぁ?もこみち。)

もこみち・・・
それがこの墓の主の名前であった。

西暦2039年、春。

<ながい・もこみち>は
今日から始まる高校への朝の道のりを、
左手に握っていたの朝食用のベーシックカプセルを、
紙屑を捨てるかの様に放り込み、急いだ。

この時代の高校とは旧世代のそれとは少し事情が違う。

この時代の様々な銀河からの来訪者をもてなす者。

すなわち、世に言う‘スペースメイド‘と呼ばれる人間を育成するエリート機関を指すのだ。

そして、もこみちはその数少ない選ばれし女性の一人なのだった。
玄関を出て、タッチパネルへ手をスライドさせれば、

後はただ、

全土に張り巡らされたウェブチューブの流れに

しばし身を委ねるだけだ。

暫くすると、「入学式」の横断幕が目に入った。
「入学式」かぁと思ったら、よく見るとその文字の隣に「(兼卒業式)」と書いてあった。

文字から視線を下に動かすと、一人の男子を遠巻きに人々が群がっていた。

「初号機を発進させる!」
なんだかわからないが、男子はやや裏声気味の声で、そんなようなことを叫んでいた。

何がこれから行われようとするのか?
もこみちはそれを確認しようと男子に近づいてみた。

彼の横には、全てを包み込んでしまいそうな眼差しで、涼やかに、でも決して冷淡と言う訳ではなく、真夏の陽射しに肌がまぶしく輝いている男の子が立っていた。

ぼぉ〜としていたら、誰かにぶつかってしまった。
「初号機よ!初号機が出てくるわ!」
周りの女子が騒いでいる。

やがて、校門付近から大きな爆発音が鳴り響いた。

謎の男子の正体は気になるが、身の危険を感じた私はとりあえずその場から離れてみた。
遠目から再び校門付近を見ると、いつのまにか地面が割れていた。
そして、そこから少しづつ何かが顔を出してきた。

みんなが「初号機」と言っているものが、姿を見せようとしているのだろうか。
私はしばらくそれを見守ることにした。

辺りの人々も振動で身動きがとれず、
地面へへたり込んでいた。

突き上げる様な凄まじい振動だ。

間もなくその大きな振動は終息し、
微かな余震が続いた。

「みんな、大丈夫か!」

構内から生徒らと共に、
教員らしき人達が出て叫んだ。

校門前で男子を囲んでいた人垣があったと思われる場所には、
黒い半球状の物体が存在していたのであった。
「ピロロロ〜ピロロロ〜」
何やら、黒い半球状の物体が姿をあらわすと、何人かの生徒は楽器を演奏し始めた。
笛のようなものだろうか。見たことのない不思議な楽器だ。音はチープなものだけど。

楽器を演奏している生徒は神妙な顔をしている。まるで何かの儀式が行われているかのように。

「復活よ!復活よ!」
校門の近くでそう叫ぶ女生徒がいた。

とりあえず、私は校門に近付いてみた。
「あなたたち!早く校舎に入りなさい!いつまでそこでぼーっとしてるの!」
背の高い教師がやってきて叫んだ。

「いや、あの・・、例のあれがですね・・。」
「先生。今すごいことが起きてるんですよ。」
生徒たちはまだざわついていて、その場に立ちすくんでいる。

「いいから。早く!”あれ”は見なかったことにしといて!」と、何やらその教師は慌てていた。

なんだろう?あのステルスメイド服1号機とやらは、本当は見てはいけないものだったのだろうか?私はわけがわからなくなった。
初号機、そして、黒い球体、一体どういうことなのだろう。
私は尾行を開始した。

校門の前からは徐々に人の姿が減ってきた。何事もなかったかのように・・。いや、たぶん、みんなの心の中には今もまだ沢山の「!」や「?」があるのだろう。
きっと、何事もなかったかのように事態の収拾をはかった者がいたということだ。教師達とか、”あれ”の存在を隠したい者とか・・。

私が尾行をしている男はやけに猫背だった。よく観察すると、わりと身長は高いようだが、猫背のせいか小柄に見える。
男は私が尾行していることをまだ気付いていないようだ。誰かから何かから逃げるようなそぶりはなく、ゆっくりゆっくり歩いている。

二つ目の角を曲がった後、男は急に立ち止まった。そして、猫背だった背筋を伸ばし、空を見上げて手を大きく振った。
何か叫んでる。
「ノータイム!ノープラン!クライシス!カインド!」
よく聞き取れなかったが、何やら英語らしい言葉、いや単語(?)をならべていた。
「ノータイム!ノープラン!クライシス!カインド!」
聞き取れたのは、おそらくそんなような英単語だ。
転んだ私は地面に横たわる。捻挫した足が痛くて、すぐには起き上がれそうになかった。

うなだれる私。足が少しずつ紫色に変化していくのがわかる。とりあえず、痛みがおさまるまではこうしていよう。

ふと地面を見つめると、何やら光輝く小さな石を見つけた。石なのかどうかはわからないけど、小さな光の粒がいくつか転がっている。
あの男が落としていった物なのか、あるいは爆風によってどこかから飛んできたものなのか。
私は光の粒を手に取ってみた。

この世界の地図は

前世紀の様なイデオロギー・ナショナリズム宗教的な隔ては皆無に等しく

アニーム(前世紀から発生したムービー・POPミュージック・アニメ・ゲームらを融合したフォーマット)から局地的な派生した紛争によって日々変化していた

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