登記の勉強と情報コミュの共有物分割

共有物分割の
登録免許税の計算方法

　　　

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計算方法はいろいろありますが、一番分かりやすい方法をご紹介します。

＊　以下の計算が適用されるのは、次の要件を満たす場合です。
　　（登録免許税施行令第５条の３）

　（１）　共有物分割による持分移転登記の申請前に、分筆登記がされていること。

　（２）　分筆する元地番の土地と、分筆によって生じた土地について、共有物分割による
持分移転登記を同時に申請すること。

１　計画します。

　今、下のような土地があるとします。

元々の土地（120㎡で、1200万円）

1/2　甲野太郎

1/2　乙野次郎

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓

　これを、結果的に下のようにしたいと計画します。

　　例えば、全体の4/5を甲野太郎の取得予定、全体の1/5を乙野次郎が取得するとします。

A地　4/5　（960万円分）

　　　　甲野太郎の単有予定地
Ｂ地　1/5　（240万円分）

　　乙野次郎の単有予定地

　

　

２　次に、甲野太郎、乙野次郎がそれぞれ移転を受ける形に分筆登記してしまいます。

　　そうすると、下のように登記が終わります。

　Ａ地（96㎡）　（960万円分）

　　　1/2　甲野太郎

　　　1/2　乙野次郎
　Ｂ地（24㎡）（240万円分）　

　　1/2　甲野太郎

　　1/2　乙野次郎

　

　

３　整理します。

（1）まず、元々の土地についてのそれぞれの土地持分価額を計算します。
　　（持分割合から具体的な土地持分価額を計算しておきます）

　　例えば、甲野太郎、乙野次郎は、600万円ということになります。

（2）次に、２人のうちのどっちの人が結果的に増えるのか減るのか、はっきりさせます。

　　乙野次郎は---→減る

　　甲野太郎は---→増える

　

　

４　減ってしまう乙野次郎が取得するＢ地の登記申請の登録免許税を計算をします。

　　登録免許税は4/1000で計算することになります。

　　240万円×1/2×4/1000＝4,800円

登記の目的　甲野太郎持分全部移転
原　　　　因　　年月日共有物分割

権　利　者　　乙野次郎

　　義務者　　甲野太郎

課税価額　移転した持分の価格
　　　　　　　　　金120万円

登録免許税　　金4800円

　

５　増える甲野太郎の取得するＡ地の登記申請の登録免許税を計算します。

　登録免許税は、実際に増えた分の20/1000と減った分の4/1000の合計額です。

　①　取得地Ａについて甲野太郎の取得分 480万円（960万円×1/2）-------ａ

　②　喪失地Ｂについて甲野太郎の喪失分　　　 120万円（240万円×1/2）-------ｂ

　③　甲野太郎が実際に増えた分（ａ-ｂ）　　　　　360万円（480万円-120万円）---ｃ

　④　取得地Ｂについての残りの部分（ａ-ｃ）　　　120万円（480万円-360万円）---ｄ

　

　　・　取得地についての増えた分（ｃ）については　20/1000

　　　　360万円×20/1000＝72,000円　　　　　　　　　　　

　　・　取得地についての残りの分（ｄ）については　4/1000

　　　　120万円×4/1000＝4,800円

　　・　合計　72,000円+4,800円＝76,800円

登記の目的　　乙野次郎持分全部移転
原　　　　因　　年月日共有物分割

権　利　者　　甲野太郎

　　義務者　　乙野次郎

課税価格　移転した持分の価格
　　　　　　　　　480万円

登録免許税　　76,800円

　

　

　

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共有物分割の登録免記税

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「共有物分割」、「共有物分割による贈与」を原因とする所有権移転、持分移転登記等の登録免許税は１０００分の２０（登録免許税法別表第１第１号（二）ハ）が原則である。

ただし共有物分割の登記前にそれらの土地が登記申請前に分筆登記をした土地で、かつ、分筆登記で生じた他の土地について同時に申請された場合、「共有物分割」による持分移転登記の前に有した持分に応じた土地の価額に対応する部分に限って登録免記税は１０００分の４（登録免許税法別表第１第１号（二）ロ、登録免許税法施行令第９条）である。

同一の分筆登記によって生じた土地の全部（例５筆）につき、同時にしなければならないわけではなく、一部の土地（２筆）のみ同時に申請した場合にも適用される。

１筆のみ申請した場合は、原則どおり１０００分の２０が適用される。

分筆登記と関連のない単なる複数の土地についても、原則どおり１０００分の２０が適用される。

数回にわたって分筆登記がされている場合は、最後の分筆登記した土地に限って適用される。

１　ＡをＢ、Ｃ、Ｄに分筆

Ｂ、Ｃ、Ｄについて同時に申請があった場合　１０００分の４
Ｄを除くＢ、Ｃについて同時に申請があった場合　１０００分の４
Ｂのみについて申請があった場合　１０００分の２０

１　ＡをＢ、Ｃに分筆
２　次にＣをＤ、Ｅに分筆
３．さらにＥをＦ、Ｇに分筆

Ｆ、Ｇについて同時に申請があった場合　１０００分の４
Ｂ、ＦまたはＤ、Ｇについて同時に申請があった場合　１０００分の２０

１　ＡをＢ、Ｃ、Ｄに分筆
２　次にＢをＥ、Ｆに分筆

Ｅ、Ｆについて同時に申請があった場合　１０００分の４
Ｃ、Ｄについて同時に申請があった場合　１０００分の４
Ｃ、Ｅ等について同時に申請があった場合　１０００分の２０

評価額３，０００万円（㎡単価１００，０００円）

■土地　５番　地積　３００㎡　甲・乙各持分２分の１　５番１、５番２に分筆　　　　
５番１　　地積１５０㎡　乙持分全部移転　持分２分の１　甲　　１０００分の４
５番２　　地積１５０㎡　甲持分全部移転　持分２分の１　乙　　１０００分の４
各課税価格　７５０万円　登録免許税３万円

■土地　５番　地積　３００㎡　甲・乙各持分２分の１
５番１、５番２に分筆
５番１　　地積２００㎡　乙持分全部移転　持分２分の１　甲　　１０００分の４（５００万円）＋１０００分の２０（５００万円）
課税価格　５００万円　登録免許税２万円（登録免許税法別表第１第１号（二）ロ）、５００万円　登録免許税１０万円、合計１２万円

５番２　　地積１００㎡　甲持分全部移転　持分２分の１　乙　　１０００分の４
課税価格　５００万円　登録免許税２万円

■土地　５番　地積　３００㎡　甲持分３分の２、乙持分３分の１
５番１、５番２に分筆
５番１　　地積２００㎡　乙持分全部移転　持分３分の１　甲　　１０００分の４
課税価格　６６６万６，０００円　登録免許税２万６，６００円

５番２　　地積１００㎡　甲持分全部移転　持分３分の２　乙　　１０００分の４
課税価格　３３３万３，０００円　登録免許税１万３，３００円

■土地　５番　地積　３００㎡　甲持分３分の２、乙持分３分の１
５番１、５番２に分筆
５番１　　地積１５０㎡　乙持分全部移転　持分３分の１　甲　　１０００分の４
課税価格　５００万円　登録免許税２万円

５番２　　地積１５０㎡　甲持分全部移転　持分３分の２　乙　　１０００分の４（５００万円）＋１０００分の２０（５００万円）
課税価格　５００万円　登録免許税２万円（登録免許税法別表第１第１号（二）ロ）、５００万円　登録免許税１０万円、合計１２万円

■土地　５番　地積　３００㎡　甲持分３分の２、乙持分３分の１
５番１、５番２、５番３に分筆
５番１　　地積１００㎡　乙持分全部移転　持分３分の１　甲　　１０００分の４
課税価格　３３３万３，０００円　登録免許税１万３，３００円

５番２　　地積１００㎡　甲持分全部移転　持分３分の２　乙　　１０００分の４（２６６万６，６６５円）＋１０００分の２０（４００万０，００１円）
課税価格　２６６万６，０００円　登録免許税１万０，６６４円（登録免許税法別表第１第１号（二）ロ）、４００万円　登録免許税８万円、合計９万６００円

５番３　　地積１００㎡　甲持分一部移転　持分３０分の５　乙　　１０００分の４（６６万６，６６６円）＋１０００分の２０（１００万円）
課税価格　６６万６，０００円　登録免許税２，６４４円（登録免許税法別表第１第１号（二）ロ）、１００万円　登録免許税２万円、合計２万２，６００円
　※５番３については、甲・乙持分各２分の１（３０分の１５）とする場合

登録免許税法

別表第一
一　不動産の登記（不動産の信託の登記を含む。）
（二）　所有権の移転の登記　　
　　ロ　共有物の分割による移転の登記不動産の価額千分の四
　　ハ　その他の原因による移転の登記不動産の価額千分の二十

登録免許税法施行令

（共有物の分割に登録免許税法施行令よる移転登記等の場合の課税標準）
第九条　共有物である土地の所有権の移転の登記において法第十七条第一項又は別表第一第一号（二）ロ若しくは（十二）ロ（２）の規定の適用がある場合におけるその共有物について有していた所有権の持分に応じた価額に対応する部分は、当該共有物の分割による所有権の持分の移転の登記に係る土地（以下この項において「対象土地」という。）につき当該登記（以下この項において「対象登記」という。）の直前に分筆による登記事項の変更の登記（以下この項において「分筆登記」という。）がされている場合であつて当該対象登記が当該分筆登記に係る他の土地の全部又は一部の所有権の持分の移転の登記（当該共有物の分割によるものに限る。以下この項において「他の持分移転登記」という。）と同時に申請されたときの当該対象土地の所有権の持分の移転に係る土地の価額のうち当該他の持分移転登記において減少する当該他の土地の所有権の持分の価額に応じた当該対象土地の持分の価額に対応する部分とする。
２　前項の規定は、共有物である建物の所有権又は共有に係る地上権、永小作権、賃借権若しくは採石権の分割の登記を行う場合について準用する。