ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

登記の勉強と情報コミュの 時効の基本問題1

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
時効に関する次の記述は、民法の規定によれば○か、×か。

1.「時効の効力はその起算日に遡り、時効の利益はあらかじめ放棄することはできない。」


2.「時効は、仮処分によっても中断する。」


3.「催告は、6カ月以内に裁判上の請求等をしなければ、時効中断の効力を生じない。」


4.「裁判上の請求をすれば、その訴えが却下されても、時効の中断の効力は生じる。」


5.「中断した時効は、その中断事由の終了したときより、新たに時効の進行が始まる。」



1 2 3 4 5
○ ○ ○ × ○


1.「時効の効力はその起算日に遡り、時効の利益はあらかじめ放棄することはできない。」


【正解:○】


法的安全性のために、時効の効力はその起算日に遡らせ、また時効完成前に、債権者がその強い立場を利用して「時効が完成したら時効を主張したら金は貸さない」など時効制度の趣旨に反する権利の濫用の防止をする意味もあります。


 なお、時効進行中の時効の利益の放棄は、相手方の権利を承認(=自己の債務の承認)したことになるため、時効が中断します。



2.「時効は、仮処分によっても中断する。」

【正解:○】


設問文のとおりです。仮処分のほか、請求・仮差押え・承認によっても時効は中断

します。


 しかし、裁判外で単に請求(催告)をしただけのときは、その間に承認等がない

場合は、6カ月以内に裁判上の請求をしなければ、中断の効力は発生しません。

「コ○ヨ」の請求書を葵のご紋よろしく「さあ、これで完全に時効中断だ!」などと

ユメユメ思わないように。



3.「催告は、6カ月以内に裁判上の請求等をしなければ、時効中断の効力を生じない。」

【正解:○】


前問の解説を参照してください。


例えば、時効により権利を失う者が、時効の完成3日前に、このことに気づいたとしまし

ょう。とりあえず催告だけをしておけば、6カ月は時効が完成しませんので、その間に

弁護士等の手配をして、正式な裁判等の申し立てをしましょう、と理解してください。



4.「裁判上の請求をすれば、その訴えが却下されても、時効の中断の効力は生じる。」


【正解:×】


訴えの却下とは、訴えが認められないということ(門前払い)で、中断の効力は生じませ

ん。訴えの取下げの場合も同様です。



5.「中断した時効は、その中断事由の終了したときより、新たに時効の進行が始まる。」

【正解:○】


時効が中断すると、それまでに経過した時効期間は無意味となり、再びゼロから出発

します。(157条1項)



http://tokagekyo.7777.net/brush_echo/jikou-ans1.html

コメント(18)

時効に関する次の記述は、民法の規定によれば○か、×か。

6.「20年間所有の意思をもって、平穏かつ公然に他人のものを占有した者は、その所有権を取得する。」
7.「10年間所有の意思をもって、平穏かつ公然に他人の不動産を占有した者が、その占有の始めに善意にしてかつ過失ないときは、その不動産の所有権を取得することができる。」


8.「債権は、20年間これを行わないと時効により消滅し、債権または所有権以外の財産権は、10年間行わないことにより消滅する。」

9.「確定判決によって確定した権利は、10年より短い時効期間の定めあるものといえども、その時効期間は一律に10年となる。」

1 2 3 4
○ ○ × ○


6.「20年間所有の意思をもって、平穏かつ公然に他人のものを占有した者は、

その所有権を取得する。」

【正解:○】


「所有の意思をもって、平穏かつ公然」とは、自分の物として法に抵触せず、正々堂々

として、ということです。なお、賃貸借のときは、所有の意思が認められないため、時効

取得できません。



7.「10年間所有の意思をもって、平穏かつ公然に他人の不動産を占有した者が、

その占有の始めに善意にしてかつ過失ないときは、その不動産の所有権を取得する

ことができる。」


【正解:○】


不動産の場合は、その占有の始めに「善意でかつ無過失」であれば、半分の10年に

なります。


8.「債権は、20年間これを行わないと時効により消滅し、債権または所有権以外の

財産権は、10年間行わないことにより消滅する。」


【正解:×】


債権は10年間、債権又は所有権以外の財産権は20年間行わないことにより消滅しま

す。なお、所有権の場合は、時効によってAからBへ所有権が移転することはあって

も、時効によっては消滅しません。


9.「確定判決によって確定した権利は、10年より短い時効期間の定めあるものといえ

ども、その時効期間は一律に10年となる。」

【正解:○】


例えば、料飲食店の飲食代は1年で時効により消滅しますが、その場合であっても、

確定判決が下されたら、一度裁判所という公権によって決定された事件を元の時効

期間に戻すのは妥当ではないため、一律に10年となります。

時効の中断になり得ないものは,次のうちどれか。(昭和57年・問3)

1.「仮差押。」

2.「相続。」


3.「請求。」

4.「承認。」



【正解】

1 2 3 4
× ○ × ×
【正解:2】


◆時効の中断事由

 時効の中断事由となるのは、原則として、裁判上の請求またはそれに準じる以下のものです。相続はこの中には入っていません。

◇裁判所での権利行使

・「裁判上の請求」(民法147条1号,148〜153条)〔請求訴訟だけとは限らずに、裁判所の判断の対象となり判決の主文に書かれたものも含む。〕

  → 訴えの提起時に時効は中断。ただし,訴えの取り下げや却下があったときは時効中断の効力は生じません。(民法149条)

・「差押,仮差押または仮処分」(民法147条2号,154条,155条)

  → 申し立ての取り下げや法律違反により取り消されたときは時効中断の効力は生じません。(民法154条)

□支払督促をして仮執行宣言の申立て・調停の申立て・和解のための呼出または任意出頭・破産手続参加なども時効中断事由になります。

◇債務者自身による承認

・「承認」(民法147条3号,156条)

  → 文書・口頭など形式を問わない。時効利益の主張と相反する行為も含む。(債務の一部弁済、利息の支払い等)

  → 物上保証人や保証人が債務の承認をしても効力は生じない。

  → 未成年者・成年被後見人は単独では承認はできない。被保佐人は単独で承認することができる。


◆裁判によらずに請求を行った場合は「催告」として扱われ、当面、その時点で時効中断が生じますが、6カ月以内に改めて裁判上の請求等↓を行わないと、時効は中断されなかったことになります。(裁判上の請求のほかには、差押、仮差押、仮処分、破産手続参加、和解のためにする呼出もしくは任意出頭など。)(民法153条)

 訴訟提起時ではなく、催告時に時効中断することに注意してください。

 この催告は、裁判上の請求などの措置をとるための猶予の機能、時効が完成してしまうのを防止する役割を果たしています。
時効に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,正しいものはどれか。(昭和63年・問3)

1.「時効により取得することのできる権利は,所有権のみである。」

2.「時効が完成したときは,その効力は,起算日に遡る。」


3.「時効は,当事者の請求によってのみ中断する。」

4.「確定判決で確定した権利は,時効で消滅することはない。」




【正解】

1 2 3 4
× ○ × ×
1.「時効により取得することのできる権利は,所有権のみである。」


【正解:×】


◆取得事効

・所有権以外の財産権−“物権”だけではなく,“債権”にもある。

 真実の権利者ではなくても,特定の財産権を時効期間、平穏かつ公然と継続して行使した者は時効によって当該権利を取得することができます。(163条)

 (1) 地上権(265条),永小作権(270条)

 (2) 地役権(283条)−継続かつ表現のもの

 (3) 土地の賃借権(601条),使用借権(593条)


2.「時効が完成したときは,その効力は,起算日に遡る。」


【正解:○】


◆時効完成の効果−効力は時効期間の開始時に遡る

 時効が完成するとその効力は起算日に遡ります。(144条)

 消滅時効  起算点は、『権利を行使することをし得るとき』
 取得時効  起算点は、『占有(準占有)を開始した時点』

●類題
時効は,当事者が援用することにより,時効完成の日に遡って効力を生じる。(司法試験・択一・昭和44年)
【正解 : ×】
×・・・時効完成の日 → ○・・・時効期間の起算日

3.「時効は,当事者の請求によってのみ中断する。」

【正解:×】


◆時効の中断事由

 時効の中断事由となるのは、原則として、裁判上の請求またはそれに準じる以下のものです。「当事者の請求によってのみ中断する」のではありません。

◇裁判所での権利行使

・「裁判上の請求」(民法147条1号,148〜153条)〔請求訴訟だけとは限らずに、裁判所の判断の対象となり判決の主文に書かれたものも含む。〕

  → 訴えの提起時に時効は中断。ただし,訴えの取り下げや却下があったときは時効中断の効力は生じません。(民法149条)

・「差押,仮差押または仮処分」(民法147条2号,154条,155条)

  → 申し立ての取り下げや法律違反により取り消されたときは時効中断の効力は生じません。(民法154条)

□支払督促をして仮執行宣言の申立て・調停の申立て・和解のための呼出または任意出頭・破産手続参加なども時効中断事由になります。

◇債務者自身による承認

・「承認」(民法147条3号,156条)

  → 文書・口頭など形式を問わない。時効利益の主張と相反する行為も含む。(債務の一部弁済、利息の支払い等)

  → 物上保証人や保証人が債務の承認をしても効力は生じない。

  → 未成年者・成年被後見人は単独では承認はできない。被保佐人は単独で承認することができる。


.「確定判決で確定した権利は,時効で消滅することはない。」


【正解:×】


◆確定判決後の消滅時効

 確定判決で確定した権利であっても、時効は再びゼロから進行し、所定の期間が経過すると、時効によって消滅する場合もあります。

 10年よりも短い消滅時効の期間が規定されているものでも、確定判決で確定した権利についてはその消滅時効の期間は一律10年になります。(174条の2) 

取得時効の基本の過去問アーカイブス 平成10年・問2


--------------------------------------------------------------------------------

【正解】

1 2 3 4
× × ○ ×


所有の意思をもって,平穏かつ公然にA所有の甲土地を占有しているBの取得時効に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,正しいものはどれか。(平成10年・問2)

1.「Bの父が15年間所有の意思をもって平穏かつ公然に甲土地を占有し,Bが相続によりその占有を承継した場合でも,B自身がその後5年間占有しただけでは,Bは,時効によって甲土地の所有権を取得することができない。」

2.「Bが2年間自己占有し,引き続き18年間Cに賃貸していた場合には,Bに所有の意思があっても,Bは,時効によって甲土地の所有権を取得することができない。」


3.「DがBの取得時効完成前にAから甲土地を買い受けた場合には,Dの登記がBの取得時効完成の前であると後であるとを問わず,Bは,登記がなくても,時効による甲土地の所有権の取得をDに対抗することができる。」

4.「取得時効による所有権の取得は,原始取得であるが,甲土地が農地である場合には,Bは,農地法に基づく許可を受けたときに限り,時効によって甲土地の所有権を取得することができる。」


http://tokagekyo.7777.net/brush_echo/jikou-10.html
1.「Bの父が15年間所有の意思をもって平穏かつ公然に甲土地を占有し,Bが相続によりその占有を承継した場合でも,B自身がその後5年間占有しただけでは,Bは,時効によって甲土地の所有権を取得することができない。」
【正解:×】


◆占有の承継による取得時効

 Bの父親の占有15年 +  B自身の占有5年 =  20年間

 Bは、前主であるBの父の15年間の占有と自己の5年間の占有を併せて20年間になるので、たとえBの父親が悪意・有過失であったとしても時効取得を主張できます。

▼現在の占有者は、承継したその前主(以前の占有者。直前の前主に限らず、それに先立つ全ての前主の誰からでも選択できる。)の占有期間も併せて時効による取得を主張することができます。ただし、前主の占有を併せて主張する場合は、その『瑕疵』(=悪意・過失)も承継します。

2.「Bが2年間自己占有し,引き続き18年間Cに賃貸していた場合には,Bに所有の意思があっても,Bは,時効によって甲土地の所有権を取得することができない。」


【正解:×】


◆代理占有

 B自身の占有2年 +  Cによる代理占有18年 =  20年間

 取得時効の要件は自主占有ですが、賃借人による代理占有も自主占有に含まれます。(181条)

 Bは、所有の意思をもって占有しており、B自身による占有2年間と賃借人Cによる代理占有18年間の合わせて20年間自主占有していることになるので、たとえBが悪意であったとしても、時効取得を主張できます。

●類題
所有権の取得時効の要件たる占有は自己占有に限り,代理占有を含まない。
【正解 : ×】
取得時効の要件は自主占有ですが、賃借人による代理占有も自主占有に含まれます。(181条)

3.「DがBの取得時効完成前にAから甲土地を買い受けた場合には,Dの登記がBの取得時効完成の前であると後であるとを問わず,Bは,登記がなくても,時効による甲土地の所有権の取得をDに対抗することができる。」

【正解:○】


◆取得時効完成前の第三者には登記がなくても対抗できる  

  
   Dが購入 Dが所有権移転登記 時効完成  
 ――●―――●―――――――――●――――→

  

   Dが購入  時効完成  Dが所有権移転登記
 ――●――――●――――――――●――――→

 Bの取得時効完成前に第三者DがAから甲土地を買い受けた場合は、Bは登記がなくても、時効による甲土地の所有権の取得をDに対抗することができます。(最高裁・昭和41.11.22)

 この場合は、Bの取得時効完成の後にDが移転登記したとしても、Bは、時効による取得をDに主張することができます。(最高裁・昭和42.7.21)

 → Dの移転登記が、Bの取得時効完成の前か後かには、関係ない。

●時効完成後の第三者
◆取得時効完成後の第三者には登記がないと対抗できない 
 →平成13年・問5・肢4に出題

  時効完成  Dが購入
 ――●―――――●――――→

 Bの取得時効完成後に、第三者DがAから甲土地を買い受けた場合は、Aによって二重譲渡があったのと同じように考えて、Bは登記(時効による原始取得or時効取得による移転登記)がないと、時効による取得をDに対抗することができません。先にDが移転登記してしまうともはやBは時効取得を主張できなくなります。(大審院・大正14.7.8)

             B(取得時効完成)
           /          
 A(元の所有者)
           \
             D(譲受人)


 ただし、Dが移転登記した後も占有し続けて取得時効に必要な期間が経過すれば、再び時効をDに主張することができます。(最高裁・昭和36.7.20)

4.「取得時効による所有権の取得は,原始取得であるが,甲土地が農地である場合には,Bは,農地法に基づく許可を受けたときに限り,時効によって甲土地の所有権を取得することができる。」


【正解:×】


◆農地法は関係ない

 確かに、農地の権利移動には農地法第3条または第5条の許可が必要ですが、時効取得とは無関係です。農地法の許可がなくても、自主占有して取得時効に必要な期間が経過すれば、取得時効は完成します。

▼原始取得

 物権の取得原因の一つで、『相続・売買・設定契約などの承継取得』と対比されます。

・新しいモノができたことによって取得したこと。

・前主の権利を前提にしないで、前主やその権利とは無関係に物権を取得したこと。

→ 原始取得は、時効取得のほかには、無主物先占(239条)、遺失物の拾得(240条)、埋蔵物の発見(241条)、不動産の附合(242条)、即時取得、土地の収用による取得など。

●取得時効が援用される場面の例
 取得時効を初めて学習したときには、「自分の土地がギャングみたいな奴に占拠されていることを10年間・20年間も真実の権利者が気がつかないなんて、そんなバカなことがあり得るのか?時効取得なんて本当にあるのか?」と思うはずです。しかし、取得時効の活躍する、下記の代表的な三つの例をご覧になればその疑問は氷解します。
・二重譲渡のタイプ

        A(買主)・・・・・時効取得を主張
      /          
 B(売主)
      \
        C(第二譲受人) 移転登記


 Aは,Bから不動産を買って引渡しを受け占有をし続けていたが移転登記をしていなかった。このことに目をつけた元の売主Bが第三者Cに二重譲渡してCに移転登記した。

 → 通常の二重譲渡ならば、すでに移転登記を終えているCに対してAは対抗できませんが、Cへの譲渡が、Aの取得時効完成前ならば、Aは登記なくしてCに対抗することができます。このため、Aは売買契約による移転よりも、時効による取得を主張したほうが有利だということになります。

・契約無効or非認定

   B(売主,登記名義人)――――A(買主)

 贈与・売買契約が無効であった,または,贈与・売買契約の存在を立証できないにもかかわらず,登記名義人Bがその後明渡し請求など有効な措置をしてこなかったのでAは占有をし続けてきた。

・境界線が不明

 DはD所有の土地・甲をCに売却したが,その後Cが占有した土地の一部には,DがCに売却していない土地・乙が含まれていた。Cはこのことに気がつかないまま,Cはずっと占有をし続けた。

時効の過去問アーカイブス 平成17年・問4 消滅時効

http://tokagekyo.7777.net/echo_t1/1704.html
--------------------------------------------------------------------------------
Aが有する権利の消滅時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。(平成17年・問4)

1.「Aが有する所有権は、取得のときから20年間行使しなかった場合、時効により消滅する。」

2.「AのBに対する債権を被担保債権として、AがB所有の土地に抵当権を有している場合、被担保債権が時効により消滅するか否かにかかわらず、設定時から10年が経過すれば、抵当権はBに対しては時効により消滅する。」

3.「AのCに対する債権が、CのAに対する債権と相殺できる状態であったにもかかわらず、Aが相殺することなく放置していたためにAのCに対する債権が時効により消滅した場合、Aは相殺することはできない。」
4.「AのDに対する債権について、Dが消滅時効の完成後にAに対して債務を承認した場合には、Dが時効完成の事実を知らなかったとしても、Dは完成した消滅時効を援用することはできない。」


【正解】

1 2 3 4
× × × ○


 正答率  56.6%

http://tokagekyo.7777.net/brush_echo/jikou-top.html

時効の基本確認

2001/05/26 時効の基本問題1 (5問)

2001/05/26 時効の基本問題2 (4問)

2003/05/29 時効の基本の過去問 (4問) 昭和57年・問3

2003/05/29 時効の基本の過去問 (4問) 昭和63年・問3

●取得時効

2001/05/27 取得時効の基本問題 (4問) 平成4年・問4

2003/05/29 取得時効の過去問 (4問) 昭和62年・問8

2003/05/29 取得時効の過去問 (4問) 平成10年・問2

2005/02/03 取得時効の過去問 (4問) 平成16年・問5

●消滅時効 (代金債権など)

2003/05/29 消滅時効の過去問 (4問) 昭和55年・問3

2003/05/29 消滅時効の過去問 (4問) 昭和58年・問11

2003/05/29 消滅時効の過去問 (4問) 平成元年・問2

2003/05/29 消滅時効の過去問 (4問) 平成9年・問4

2003/05/30 消滅時効の過去問 (4問) 平成12年・問2

2006/06/10 消滅時効の過去問 (4問) 平成17年・問4

●保証契約と時効中断の問題例

2001/05/27 保証債務の時効中断に関する問題 (4問) 平成7年・問3

■取得時効の出題歴 ☆・・・肢問として出題


AがBに対して有する100万円の貸金債権の消滅時効に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,正しいものはどれか。(平成9年・問4)

1.「Aが弁済期を定めないで貸し付けた場合,Aの債権は,いつまでも時効によって消滅することはない。」

2.「AB間に裁判上の和解が成立し,Bが1年後に100万円を支払うことになった場合,Aの債権の消滅時効期間は,和解成立の時から10年となる。」


3.「Cが自己所有の不動産にAの債権の担保として抵当権を設定〔物上保証〕している場合,Cは,Aの債権の消滅時効を援用してAに抵当権の抹消を求めることができる。」

4.「AがBの不動産に抵当権を有している場合に,Dがこの不動産に対して強制執行の手続を行ったときは,Aがその手続に債権の届出をしただけで,Aの債権の時効は中断する。」


1.「Aが弁済期を定めないで貸し付けた場合,Aの債権は,いつまでも時効によって消滅することはない。」

【正解:×】


◆弁済期の定めのない貸金債務の消滅時効の起算日はいつか?

 「Aの債権は,いつまでも時効によって消滅することはない」というのもオカシな話です。

 弁済期(返済の時期)を定めない貸金債権は、その返済を求めることができる日、つまりAがお金を貸した日が消滅時効のスタート地点です。〔→履行期を定めなかった債権は貸した日からいつでも請求することができる。〕

 したがって、時効中断や時効の停止がなければ、貸した日から10年間で時効によってこの債権は消滅します。本肢は、このため×になります。

●類題
売買代金の債務の履行につき期限の定めのないときは,債権の消滅時効は履行の請求がある時から進行を開始する。(司法書士・昭和53年)
【正解 : ×】
 期限の定めのない債権は、債権者はいつでも権利行使が可能なので、債権成立の時から消滅時効が進行を開始します。

2.「AB間に裁判上の和解が成立し,Bが1年後に100万円を支払うことになった場合,Aの債権の消滅時効期間は,和解成立の時から10年となる。」


【正解:×】


◆和解後の消滅時効の起算日−返済期日が1年先の場合

 引っ掛け問題。『和解成立のときから』ではなく、返済期日が1年後なので『和解成立の1年後から』〔つまり、和解で定められた返済期日から〕10年です。

 確定判決や和解成立によって確定した債権の消滅時効の期間は,弁済期がすでに到来していた場合(確定後すぐ弁済しなければならないとき)は、確定判決時または和解成立時を起点として10年であることは言うまでもありません。

 本肢は、本来どうということもなく、常識で×だと分かるはずの問題ですが、単なるマル暗記で武装したつもりになっていると足元をスクワレル問題です。

▼補足

 元々の債務の消滅時効が10年に満たないものであったとしても、確定判決や和解などで債務が確定するとその消滅時効は10年になります。

3.「Cが自己所有の不動産にAの債権の担保として抵当権を設定〔物上保証〕している場合,Cは,Aの債権の消滅時効を援用してAに抵当権の抹消を求めることができる。」

【正解:○】


◆被担保債権の消滅時効の援用(判例)

 判例では、時効の援用権をもつ「145条の当事者」とは、『時効により直接に利益を受ける者』としています。

 被担保債権の消滅時効が完成した場合,それを援用できるのは債務者のほかに、保証人・物上保証人・担保不動産の第三取得者が援用できるとされています。

 したがって、物上保証人Cは,Bが時効の利益を放棄しても、Aの債権の消滅時効を援用してAに抵当権の抹消を求めることができます。



●重要な類題
時効は当事者が援用しなければ,これによって裁判をすることはできない。
【正解 : ○】
 裁判所は、当事者が時効を援用〔時効の効果を主張〕しない限り、時効を理由とした裁判をすることができません。(145条)

●重要な類題
時効の援用権者が複数いる場合,それぞれの時効の援用権の行使の結果や喪失の効果は,相対的なものである。
【正解 : ○】
 時効完成により当然に時効の効果が生じるのではなく、援用がされて初めて時効の効果が認められます。

 時効の利益に浴するか否かは当事者の意思に委ねられており、当事者によっては、時効完成を潔しとせずに、時効を援用しない場合も考えられます。

 したがって、時効の援用権者が複数いる場合は、援用権者のうちの1人が援用しなかったからといって他の援用権者も援用できないということにはならず、1人の援用権者の時効の援用や喪失の結果は他の援用権者には影響を与えない相対的なものだと考えられています。



●被担保債権の消滅時効の援用
 判例は、「時効援用権をもつ当事者」とは、『時効により直接に利益を受ける者』としていますが、直接に利益を受ける者の範囲を広くとるようになっています。

●物上保証人は、被担保債権の消滅時効が完成した場合,それを援用できる。(最高裁・昭和42.10.27)

          B(債務者)
        /          
 A(債権者)
 (抵当権者)\
          C(物上保証人)


●担保不動産の第三取得者は、被担保債権の消滅時効が完成した場合,それを援用できる。(最高裁・昭和48.12.14)

          B(債務者)
        /          
 A(債権者)
 (抵当権者)\
          C(物上保証人) ― D(Cから担保不動産を譲渡された第三取得者)



 A(債権者、抵当権者)

 |

 B(債務者、抵当権設定者) ― D(Bから担保不動産を譲渡された第三取得者)

●保証人・連帯保証人は、主たる債務の消滅時効が完成した場合,それを援用できる。(大審院・昭和8.10.13など)

          B(主たる債務者)
        /          
 A(債権者)
        \
          C(保証人、連帯保証人)


●債権者の代位行使

 債務者Bが負っている債務のうち、Aに対する債務が消滅時効にかかつている場合、Bの債権者Xは、Bが援用権を行使しないことでXを害するときは、Bに代位して、Aに対する消滅時効を援用できる。(最高裁・昭和43.9.26)

         X(Bの債権者)
          ↓
 A(債権者)――――――― B(債務者)
     消滅時効完成

●チェック
次の記述は、○か×か。(頻出問題)
1.「主たる債務について消滅時効が完成した場合には,主たる債務者が時効の援用をしないときでも,その連帯保証人は,主たる債務につき時効を援用することができる。」

2.「主たる債務者がなした時効利益の放棄は,保証人に対しても効力を生じるので,保証人は,時効を援用することができない。」

3.「抵当不動産の第三取得者は,主債務の消滅時効を援用できないが,物上保証人は援用できる。」

【正解】 1 2 3
○ × ×

4.「AがBの不動産に抵当権を有している場合に,Dがこの不動産に対して強制執行の手続を行ったときは,Aがその手続に債権の届出をしただけで,Aの債権の時効は中断する。」


【正解:×】難問


◆時効の中断事由

 イキナリ『強制執行の手続』という言葉が出てきて驚きますが、このような場合、基本に立ち返ってそこから判断していくしかありません。

 A(債権者、抵当権者)―― B(債務者、抵当権設定者)
    |             
    └――――――――抵当不動産 ←―――――――D 
                          強制執行の手続

 Aが消滅時効の中断をするには、裁判所で権利行使をする(裁判上の請求、差押・仮差押・仮処分)、または、Bから債務の承認をとる必要があります。

 他の債権者が行った強制執行の手続に対して、単に債権の届出をすることはこの中のどれにあたるのか、と考えてみると、どうも該当しないようだと判断できます。

 判例でも、単に債権の届出をしただけでは時効中断事由にはならない、としています。(最高裁・平成元.10.13)

▼強制執行とは、債務者が債務を履行しないときに、国家の強制力によって債権者の権利を実現するための制度で、担保権の実行としての任意競売とは別です。(民事執行法)



●被保佐人と消滅時効
被保佐人が保佐人の同意なしになした債務の承認は,時効中断の効果を生じない。
【正解 : ×】
 被保佐人が、保佐人の同意なしに承認した場合は,時効中断の効果を生じます。
(大審院・大正7.10.9)

 ⇔ 未成年者・成年被後見人は単独で承認することはできない。


ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

登記の勉強と情報 更新情報

登記の勉強と情報のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング