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高木 竜馬:RYOMA TAKAGIコミュの『調性格 ハンドブック』

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              『調性格 ハンドブック』
            ― 各調性の言葉による諸表現 ―
                          高木 竜馬

                  長 調
ハ長調 /シャルパンティエ:陽気で勇壮。/マッテゾン:かなり荒削りで大胆な性質を有しているが、お祭り騒ぎや喜ばしい時には有効である。うまく使えば、優しさと愛らしさを表現し得る。/キルンベルガー:第1等級の長調。/シューバルト:完全な純粋、純真、素朴、子供が話す言葉のようである。/リューティー:真実の調性。説教じみた教示、警告であり、同時に論理的観察の場面では中立的立場を取り、感情の無い場面をより深化させる調性。/ミース:むらがなく客観的。個性のない、全く感受性のない調性。
門馬 直美:単純、素朴、確然とした感じ。/『低弦が豊かに鳴る。重厚で渋い響きのホルン。王の安定した雰囲気、清廉潔白な音楽、管弦楽合奏の雰囲気、直線的なフレーズライン。#でも♭でもない中性の性格。光、永遠、単純、子供の世界、終わりのないもの』

ト長調 /シャルパンティエ:甘い喜ばしさを表す。/マッテゾン:人を引きつける雄弁に語る性格を強く持ち、輝かしさも少なからずあり、真面目な表現にも活気のある表現にもよく適している。/キルンベルガー:第1等級の長調。/シューバルト:不機嫌、不快感、失敗したプランを引きずっている状態、不満げな歯ぎしり。一言で言えば遺恨と怠惰。/リューティー:中立的な調性で、素朴で陽気な人間に使われる。生の喜びを素朴に心から表現するための調性である。/ミース: 素朴で快活で無邪気で陽気。/門馬 直美: 若人の調 誠意、冥想、優美。静かな田園的な風情。春の調ともいう。/『 特に18世紀までに多く書かれた調。豊かに鳴る弦楽器。小編成で室内楽的な雰囲気。軽やかで流れるような動きがある。軽い跳躍を伴った楽しいダンス。音楽が軽く小躍りするよう』

ニ長調 /シャルパンティエ:喜びと勇壮さを表す。/マッテゾン:幾分鋭く、頑固な性質を持っている。騒ぎや楽しげなもの、好戦的でかつ鼓舞するようなものに最も適している/キルンベルガー:第1等級の長調。/シューバルト:勝利の喜び、ハレルヤ、戦勝の雄叫び、魅力的な交響曲、行進曲、祝祭歌、天に向かって歓呼の声を上げる合唱曲などに使われる調性。/リューティー:むしろ外面的な場面、喜び、軍隊の果敢さ、残酷さ、復讐、グロテスクなブッフォ・アリア、序曲、男性の決断、動じないことを表現する。/ミース:輝き、華麗なスウィング、和音分散、ファンファーレ。/門馬 直美:高尚で華美、雄大で宗教的、特に歓喜に適し、活発なファンファーレにも用いられる。/『オーケストラがよく鳴っている明るいイメージ。転調してももとの調を忘れさせない。固めの輝かしさ。「D」が、神(Deus)を連想させ、崇高な精神を表現したいとき使われた。『天まで届く明るさ。天からの光。楽器が頭上で鳴っている。ハンマーが弦にパンと当たっているイメージ。中全音律では主和音の響きが悪くショパンは滅多に使わなかった』

イ長調 /シャルパンティエ:陽気で牧歌的。/マッテゾン:輝かしいものであるにもかかわらず大変攻撃的。また気晴らしよりも、嘆くような悲しい情緒に向いている。特にヴァイオリンを使用した音楽に合う。/キルンベルガー:第2等級の長調。/シューバルト:純情な愛の告白、自己の現状に対する満足、神への信仰、恋人と別れるときの再会への期待、若人の快活さ。/リューティー:美しさ、輝き、高揚した生への実感。少し浮き浮きして、おどけて。優雅に、そして皮肉に。溢れる情緒、生きる喜び。/ミース:拍子や速度と結びついて初めて明瞭な個性を持つ。/門馬 直美:輝かしく確信と希望に満ちる。単純、純粋、快活。誠実な感情に適する。『ニ長調よりブリリアントで温かく、楽理的にも最も輝かしい調。上へ上へと導かれる。18世紀中期から19世紀初期にかけては、調律、調弦の都合上、ソナタ形式で作曲できる嬰種楽曲の主調の上限と考えられていた』

ホ長調 /マッテゾン:絶望に満ちた、あるいは死ぬほどの悲しみを、比類なくよく表現する。全く途方にくれ、希望のない恋愛上の事態に最も適している。疑念に満ちた状態。死ぬ程辛い悲嘆。/キルンベルガー:第2等級の長調。/シューバルト:にぎやかな歓声。まだ完全に楽しんではいないが喜びと享楽がある。/リューティー:特別に個性的な調性。気高く気品に満ちた気分。 朝の気分。グロテスクで辛辣と思われる場面。/ミース:耳をつんざくような。しみ通るような。優雅で愛らしい。素朴な。/門馬 直美:輝かしく、温和で喜ばしい。高貴の調。/『身を切るように辛い。尊大さが際立ち癪に障る。太陽の壮麗さのように晴れ晴れと明るい。精神的な暖かさ。豊かな輝くもの。悲しみの表現ではなくむしろ聖なる愛、率直さ、純粋な楽しみ。キルンベルガー音律において、祝典的な表現に適している』

ロ長調 /シャルパンティエ:耳障り。/マッテゾン:敵対的で硬質な、不快な感じで、しかも何かしら絶望的な性質を持っている。(18世紀当時において)この調を主調とする曲は大変めずらしい。/シューバルト:けばけばしい強烈な色彩、荒々しい情熱を告げる。怒り、憤り、嫉妬、半狂乱、絶望、あらゆる激しい興奮が、この調性の領域に属する。/リューティー:―/ミース:力強く上方に複数主題、無慈悲な調性。/門馬 直美:積極的になると大胆な誇りを表し、消極的になると清潔な純粋さを出す。精力的なこともある。/『天使のような子供の純粋さ、その無邪気さの中に何かが潜む。ショパンが好んだ調』

変ハ長調 /記述なし。

嬰ヘ長調 /マッテゾン:稀にしか使用されないため、まだ効果はよく知られていない。/シューバルト:困難の中に勝利、登り終えた丘の上で開放された呼吸、激しく戦い無事に勝利した魂の余韻。変ト長調も同様。/ミース:非常に多様である。変ト長調にもまた不変の性格は見つからない。/門馬 直美:色彩的。豊かさと柔らか味を持つ。特に、ロマン的な趣を出す。/『ハ長調とは対蹠的な性格。全く使用できないもの。ロ長調よりも一層ひどく耳をつんざくような調。 嬰ヘ長調は変ト長調より一層明るく鋭い調性で、より強い情熱の表現に適している。エンハーモニックの両義的な使用によって、不確実、疑わしいものに限定して使われる。クラーマーは、高貴な誇りと崇高な誇りとが素晴しく混合された調であり、聴く者を感嘆させると述べている。中全音律では全く使えない調』

変ト長調 /シューバルト:困難の中でも勝利、登り終えた丘の上で開放された呼吸、激しく戦い無事に勝利した魂の余韻。 嬰ヘ長調も同様。/ミース:非常に多様で不変の性格は見つからない。/門馬直美:優和で華美。嬰ヘ長調より深い感情を示すこともある。

嬰ハ長調 /門馬 直美:ハ長調より典雅で明朗で輝かしい。ほとんど用いられない。

変ニ長調 /キルンベルガー:第3等級の長調。/シューバルト:やぶにらみの調性。悩み過ぎたり喜び過ぎたり、笑うに笑えず泣くに泣けない、珍しい特色と感情。/門馬 直美:魅惑的、深刻、荘重。長調の中で最も暗く痛々しい調の一つで、病的なロマン性も出す。『ロマン派の調。望郷。子供時代への回想。失われた時。黒鍵多く、柔らかい音』

変イ長調 /キルンベルガー:第3等級の長調。/シューバルト:葬送、死、墓、朽ち果てること。裁き、永遠がその範疇にある。/リューティー:秘密に満ちた暗い調性。/ミース:歌い、そして苦悩する。少し厳かな真剣さで満たされた調性。/門馬 直美:夢想的で繊細、抒情的で壮麗。生き生きとして新鮮。『ショパンにより斬新な和声が追求』

嬰ト長調 /門馬 直美:灰色がかった思想。幾分高尚。 あまり使われない。

変ホ長調 /シャルパンティエ:残酷さや、厳しさを表す。/マッテゾン: 非常に悲愴な感じを具えている。真面目で、しかも訴えかけるような性質を持つ。官能的な豊かさを嫌う。/キルンベルガー:第3等級の長調。/シューバルト:愛情、敬虔、神との信頼に満ちた対話。3つのフラットによって、三位一体を表す。/リューティー:深い感情を持つ調性。深い愛情ばかりでなく、悩みをもたらす。/愛の苦悩をも表現し、木陰の場面、墓の場面などでも現れる。/ミース:非常に悲愴的。/門馬 直美:柔和な中にも悠然さを持ち、響きが充実し、華麗で荘重最大の変化の表出に適するといわれる。特に真剣な感情、壮大あるいは英雄的な気分を表す時によく使われる。青空の調ともいう。/『ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」の完成以後、「英雄の調」として定着した。ホルンをはじめ管楽器がよく響き、管楽器曲に多い調。街に響き渡る鐘の音。異名同音調の嬰ニ長調については、ベルリオーズは緩慢な調と呼んでいて、あまり使われない。ホルンの調』

変ロ長調 /シャルパンティエ:壮麗で楽しい。/マッテゾン:非常に気晴らしに富む。華やかさと控えめな性格を併せ持つ。壮麗かつ愛らしい。/キルンベルガー:第3等級の長調。/シューバルト:快活な愛、善良な道徳心。希望、より良き世界への憧憬。/リューティー:柔らかで夢想するような気分。慰め、同情、恋愛する人々。ユーモア、技巧的アリア。/門馬 直美:ゆったりした感じを出す。柔和な輝かしさ。静かで冥想的な所もある。/『中全音律の長三度が美しく、好んで作曲。ファゴットの調。柔らな諧謔』 

ヘ長調 /シャルパンティエ:荒れ狂ったような雰囲気を持つ。/マッテゾン:世界で最も美しい感情を表現することができる。洗練をきわめる。寛大、沈着、愛、徳、自然な物腰、比類のない能力。長調であるのに、この上なく愛情のこもった表現ができる。/キルンベルガー:第1等級の長調。/シューバルト:好意、平安。リューティー:中立的な調性。女中のアリアにおいては素朴な人間が喜ぶ場面で使われるが、さらに内面的、憧れ、穏やかな気分、慰めになる場面も表現する。モーツァルトにおいては、穏やかな気分。/門馬 直美:平和、単純素朴、牧歌的、田園的。低い音を多く使うと痛々しい感情を出し、緩やかな曲では荘重だがあまり宗教的ではない感じを出す。/『心底からの最も神聖な平安。柔和な品位。穏やかで優しい感受性。深化した自然感覚。シンドラーは、ベートーベンに関して田舎の平穏、と述べている。農民的なもの、明るい素朴さ、純粋で優しい心を持つ人。古くから、明るくのどかで牧歌的な響きの調とされる』

                  短 調
イ短調 /シャルパンティエ:優しさや、悲しさを表す。/マッテゾン:嘆くような、品位のある落ちついた性格をもっている。眠りを誘うが、不快なものは全く無い。鍵盤楽器に適している。/キルンベルガー:第1等級の短調。/シューバルト:敬虔な女性らしさ、穏やかな性格/リューティー:ほんの少し悲しみが感じられるだけ。/ミース:決まった性格は無い。/門馬 直美:単純素朴な柔らかい悲しみ。最も女性的。敬神的な諦めに似た感情も出す。/『J.S. バッハとモーツァルトにおいては、簡単には先に進めない重厚さや悲劇性、絶望の性格を有している。ピアノでは、平行調のハ長調同様運指は難しい』

ホ短調 /シャルパンティエ:なまめかしさや、悲しさを表す。/マッテゾン:非常に考え込み、深く沈み、悄然とし、悲しげな状態を作り出す。慰めを期待し得るが、楽しげな要素はない。/キルンベルガー:第1等級の短調。/シューバルト:女性の純真無垢な愛の告白。嘆き、涙をにじませながらのため息。ハ長調の最も純粋な至福がまもなく実現するという希望。胸にバラ色のリボンがついた白いドレスを着た少女のように本来1つの色しか持っていない調性。言い表せぬほどの優美さを持って再び主調のハ長調に戻れば、心も耳も完全な満足に満たされる。/リューティー:陰気で悲劇的な要素。憂鬱。/門馬 直美:悲歓、悲痛、不安。早い曲では激烈なものとなる。『ヴァイオリンは演奏しやすい』

ロ短調 /シャルパンティエ:孤独でメランコリック。/マッテゾン:奇怪、不快、憂鬱、 メランコリック。めったに用いられない。このような性格が、修道院から排斥される原因になった。/キルンベルガー:第1等級の短調。/シューバルト:けばけばしい強烈な色彩、荒々しい情熱を告げる。怒り、憤り、嫉妬、半狂乱、絶望、あらゆる激しい興奮がこの調性の領域に属する。/門馬 直美:非常に暗く憂愁であるが、静かな期待と辛抱強い希望もほのめかす。/『死や破滅を暗示する調。J.S.バッハのロ短調ミサ曲以降、宗教的で清楚、受難の調というイメージが定着した。中全音律でピカルディの三度が使えない』

嬰ヘ短調 /マッテゾン:大いに憂愁のこもったものであるが、悩ましげで、恋に夢中になっているような感じを表わす。さらに、孤独な厭世的なものを有している。/キルンベルガー:第2等級の短調。/シューバルト:陰鬱、怨恨と不満の言葉。鎖に繋がれた凶暴な犬が噛付くように激情を引きずり出す。居心地の悪い立場なので、常にイ長調の休息とニ長調の勝利を待ち焦がれている。/リューティー:陰気で、悲劇的な瞬間。/門馬 直美:暗く神秘的、妖怪的、同様に情熱的。『Vn 暗く曇った響き。 激情的な曲が多い』

嬰ハ短調 /シューバルト:悔悟の嘆き。神や友人や幼馴染との気楽な語らい。満たされない友情と愛に対するため息。リューティー:嬰へ短調と同じく陰気で、悲劇的な瞬間。/門馬 直美:最も陰暗な調の一つ。残忍、皮肉、悲愴、不気味。/『自らの重みで沈殿する心。凍てついた空気。地を這うが如き音。ショパンが好んだ。ロマン派的な調』

嬰ト短調 /キルンベルガー:第3等級の短調。/シューバルト:気難しく抑圧された心が、窒息している状態。悲嘆の声がダブルシャープのところで呻く。困難な戦い。一言で言えば苦闘を強いられるものすべて。/門馬 直美:非常に陰暗で、音響効果に乏しい。/『失われた過去、失われた未来。黒鍵が多くピアノに適し、柔らかい音が出しやすい』

変イ短調 /門馬 直美:悲愴で心を裂くような効果を起こす。 ほとんど用いられない。

嬰ニ短調 /シューバルト:非常に強い懸念、くよくよと思い悩んだ絶望、最もひどい憂鬱。不安と恐怖に苛まれる。残忍。亡霊たちが、もし音楽で語れるならば、この調で語るだろう。/門馬 直美:ベルリオーズは、緩慢な調と呼んでいる。ほとんど使われない。

変ホ短調 /シャルパンティエ:恐ろしい。/キルンベルガー:第2等級の短調。/シューバルト:嬰ニ短調と同じ。非常に強い懸念、くよくよと思い悩んだ絶望、最もひどい憂鬱、不安と恐怖に苛まれる。残忍。亡霊たちが、もし音楽で語れるならば、この調で語るだろう。/ミース:非常に悲愴的。/門馬 直美:最も陰暗、陰気な調の一つ。シューマンによると、神秘的な恐怖に満ちた調。『古典調律では、主調、関係調全ての響きが悪い』

嬰イ短調 /門馬 直美:ダブルシャープが頻出し、読譜困難であるため、滅多に書かれない調である。曲の例も、変ロ短調の方が使いやすいため、皆無と言っても過言ではない。

変ロ短調 /シャルパンティエ:陰鬱で、恐ろしい。/キルンベルガー:第3等級の短調。/シューバルト:夜の衣をまとった変わり者。不機嫌で、神と世間への嘲り。好ましい印象を与えることは極めて稀である。自分と全てのものへの不満があり、自殺の準備を始める。/門馬 直美:変イ短調と共に、葬送行進曲向き。陰暗で、憂鬱で、悲劇的。/『限りない暗さ。希望の光はささない。19世紀以降ピアノ曲が多く書かれた。ロマン派の調』

ヘ短調 /シャルパンティエ:陰鬱さや、哀れさを表す。/マッテゾン:温和で落ち着いていると同時に、深く重苦しく何かしら絶望と関係があるような、死ぬほどの心の不安を表わす。暗く救いようのないメランコリー、恐怖心、戦慄、病的な感動、救い難い憂鬱。恐怖を抱かせる。/キルンベルガー:第3等級の短調。/シューバルト:深い憂鬱、死者を悼む嘆き、悲痛なうめき声。死への憧憬。/リューティー:魂の崩壊。うつろで、絶望的。/門馬 直美:悲惨な調 憂鬱、暗い情熱。/『永遠の旅立ちの予感。闇。ひどい苦痛。最も陰鬱な調性。測り知れない深い悲しみ。対位法的な調。Vn はくぐもった音色』

ハ短調 /シャルパンティエ:陰鬱さと、わびしさを表す。/マッテゾン:並外れて愛らしく、同時にまた哀しい。温和すぎる。/キルンベルガー:第3等級の短調。/シューバルト:愛の告白と失恋の嘆き。恋する魂の悩みと憧れとため息。/リューティー:不吉なもの、陰鬱な和音、荒々しい情熱、過度の恐怖。危険を描写する闇の性格、陰鬱な死への思い、怒り、死へのぞっとする恐怖。悲劇的、痛み、絶望。/門馬 直美:柔和の中に、真剣な情熱を持つ。悲劇的な力、超自然的な感情。激烈な感情。/『絶望の先にほの見える、ひとすじのかすかな光。ベートーヴェンにおいては、特別に扱われた調』

ト短調 /シャルパンティエ: 厳格で壮麗。/マッテゾン:ほとんどすべての調性の中で、最も美しい調性。優美、心地よい、憧れ、満足。真面目さと、活気ある愛らしさを合わせ持つ。中庸な喜びと嘆きにもふさわしく、全く利用範囲の広い調。/キルンベルガー:第3等級の短調。/シューバルト:不機嫌、不快感、失敗したプランを引きずっている状態。不満げな歯ぎしり、ひとことで言えば遺恨と怠惰。/リューティー:悲劇的な苦しみ、闇、最も深い憂鬱、絶望的な死への予感、苦しみ、途方にくれる魂のひどい痛み。ナポリの六の和音と共に使われて、最高の盛り上がりを示す。/ミース:確固たる性格は無い。/門馬 直美:悲しみ、夢のような憂愁の加わった、静かな優しさ、真剣な努力などを表す。時には、ロマン的な高揚を感じさせる。特に、感傷を効果的に伝える暗い調。/『モーツァルトの楽曲分析では、死を予感させる調性として、しばしば言及される。古典調律で響きが美しく、バロック時代によく書かれた調。Vn曲も多く書かれた』

ニ短調 /シャルパンティエ:厳粛さや、敬虔さを表す。/マッテゾン:信仰深く穏やかであるとともに、高貴で満ち足りた性格を表す。祈りの心、平安、流れるような愉快さ。/キルンベルガー:第1等級の短調。/シューバルト:憂鬱な女性。偏屈、もやもやとした悩み。/リューティー:多くの情緒の活動。超自然的な力、ぞっとさせる人間、あの世の恐ろしさ。陰鬱な気分、絶望と恐怖の描写、運命の重さ、不気味なもの。/門馬 直美:不安、悲歓、荘厳、崇高。シューマンによると、巨大な力を持つ調。/『歌劇や宗教曲では、象徴的に人間の激昂する場面や恐怖や修羅場を表す「怒りの調」として多く用いられた。古典調律では近親調全ての主和音の響きがよく、バロック時代によく書かれた調』

参考資料:シャルパンティエ 1643 - 1704 仏バロック。マッテゾン 1681 - 1764 独バロック:ヘンデルと友人、『新管弦楽法(1713年)』より。キルンベルガー 1721 - 1783 独:バッハに師事、『純正作曲の技法(1779)』『調性格論』より:長調と短調をそれぞれ3つの等級に分類した。長調は等級が下がるほど自然和声的純正律から外れ、緊張の度合いが増す。短調は等級が下がるほどピタゴラスの短三度が多くなり、より短調的な属性が増す。シューバルト 独:『音楽の一つの面における理念(1784)』より。リューティー 独:『モーツァルトと語法の性格描写(1931)』より。ミース 独:『語法の性格(1948)』より。門馬 直美『新版 音楽の理論』より。

コメント(6)

目の関係で詳らかに読むことができませんが、興味深い資料ですね。それをこのように纏めること自体が、竜馬さんの幅広い教養を形成してゆく道程になるはずです。

それにしても凄いパワーと、飽くなき研究心だ。
初めて目にした時、ビックリしました。
今まで自分の感覚で、捉えていたものが、このような資料にまとめるとは、研究の度合いに言葉を失いました冷や汗
勉強の為に、この資料をちょくちょく開けてみたいのです。足跡、着けちゃっても大丈夫ですか?
 ○ カンタータ さん

 冬休みに、毎晩徹夜(爆笑)で纏めた 20頁以上のもとがあって、
現在私もレッスンで使っています(微笑)。提出先から長過ぎる!! との
ご指導を頂き、縮小版のハンドブックを作ったのだそうです。

 本人曰く、「こちらには、何故そういう調の性格になるかが割愛されて
いるので、機械的な当てはめ作業に使われると困る」そうなのですが、
私にはもう理解の外です。それよりも、あんまり音楽を理屈で考えない方が
いいんじゃない? と申しております。
 ○ 姫 さん

 発表会のパンフレットは、ご自宅に届きましたでしょうか。
当日は、ご演奏を楽しみにしております。

 「調の性格」ですが、20頁の「もと版」がありますので、これからメールで
送らせて頂きますね。
理屈っぽい竜馬さん、大歓迎です。
ナニゴトモ理屈っぽく考える時期には、理屈っぽく為らざるを得ません。そうできることも竜馬さんの能力の高さです。理屈っぽくなれない人には、どう足掻いてもできないのですから。

ナニ、あと十年も経てば、理屈っぽい竜馬さんはがらりと様変わりする筈です。でも今の理屈っぽさがあって初めて、その先の変貌も説得力を持つのだと思います。そんな竜馬さんを見てみたいけれど、こればかりは私の寿命との兼ね合いもあります。

いっそのこと、竜馬さんから「老害」と忌避されるまで生き抜いてやるか!(爆)
 是非是非。

 息子は大成するまで、あと100年くらいかかりそうですから(爆笑)。
「おまえ百まで、わしゃ九十九まで」
 で、お願い申し上げます。

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