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高木 竜馬:RYOMA TAKAGIコミュの“RYOMA” の月次レポート(12月度)

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            ロイヤルアルバートホール:ロンドン

            スカラシップレポート(2009年12月度)
                               高木 竜馬

             明けましておめでとうございます。
        旧年中は、たいへんお世話になり有難うございました。


 12月には、黒川侑さんのコンサートが地元の幕張でありましたので、夕食をご一緒させて頂き、楽しい時間を過ごさせて頂きました。有難うございました。

 自分自身のコンサートはありませんでしたので、『調の性格』のアナリーゼから演奏までの流れの中での位置付けを考える事に時間を費やしました。幸いにもお二人のウィーン国立音大の先生方に、ピアノ演奏と指揮のお立場から、詳細な考え方を教えて頂く事ができました。その結果、今時点の自分の方法として、アナリーゼから演奏に至る道程を、次の4つの段階に分類しました。

 まず第1ステップは、「楽譜に書かれた発想記号、速度記号、デュナーミク、調、和声進行により、『調の性格』を表すいくつもの言葉の中から、その作曲家、その時代、その作品、その部、そのフレーズに最適な言葉を選び出し、その言葉のもつ雰囲気に合ったピアニズム、音色、音の雰囲気とアゴーギク、ルバート等の演奏の骨格を決める。フレーズの長短、直線的か曲線的かは記載されたアーティキュレーション記号から作曲家の意図を類推しながら決める。ペダルは、記載されたペダル記号をまずは遵守してみる。但し使用する楽譜の版については充分に吟味し、権威があるとされる版を複数比較検討する必要がある」

  第2ステップは、「第一ステップによって楽譜に忠実に再現された音楽を自らの耳で聴き、心を震わす美しいメロディ、心に迫る内声、作曲家の天才を印象付けられる和声進行等の曲の魅力を感じとり、なぜそれらが美しいのか、感動的なのか、そして偉大なのかを考える。さらに、それらをより美しく、感動的に、偉大に演奏するためという観点から、音色、音の雰囲気、デュナーミク、アゴーギク、ルバートを再度考え決定する」

 第3ステップは、「 その時代、その作曲家、その作品、その部、そのフレーズの根底にながれる本質的で根源的な事柄は何か、そして、それらを明確に表現して確実にお客様に伝える演奏方法は何かを、創造的に考え続ける」

 第4スッテプで初めて実際の本番ですが、この本番だけはこれまでの道程と本質的に異なる音楽の営みだと考えます。「演奏会の、そのピアノからの、 そのホールからの、その日のお客様からの、そしてその日の自分からの声に精神を集中して耳を傾け、それらの声と対話しながら、その時々に閃く即興性を重視して演奏する」

 音楽において演奏とは、「再現芸術なのか創造芸術なのか」という課題に対して、今までは余りにも簡単に「創造芸術です」と考えていました。しかし、独特で個性的な解釈だと自慢に思ってきた箇所が、実はいかに刹那的な感覚に頼ったいい加減なものであったかを、今回の勉強で思い知らされました。でもやはり、現在の自分の立場と環境で調べられる事をみんな調べ、行ける所にはみんな行って、観られるもはみんな観て、そして今現在もっている知識と能力で考え尽くした結果であるならば、今現在の自らの感性の声に従って自分の演奏を創造的に構築する事を、赦して貰いたいとも思いました。

 演奏が上達していくという事はきっと、それらの演奏の背景にある積み重ねが、少しずつですがなるべく多面的に、深耕し拡大していく事かも知れません。多くの方々に感動して頂ける、独創的でチャーミングだけれど正統性が強く感じられる演奏が出来る日を夢見て、今年一年も一歩一歩音楽ににじり寄っていきたいと思います。本年も、一生懸命音楽の勉強をしていきたいと思います。

           本年も、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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