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私は恋するトゥレッターコミュの日本トゥレット協会編 ★発達障害とは★

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日本トゥレット協会より、発達障害の早期発見、早期支援ガイドブックが送られてきました。その中からご紹介したいと思います。

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「発達障害」という言葉は、いまや日常的に使われていますが、医学や心理学の分野でいろいろな見解があり、明確に定義が定まっていないというのが現状です。

公的に「発達障害」という初めて用語が使用されたのは、アメリカが1970年に制定した法律(PL91−517)とされています。すなわち行政用語としての発達障害とは「18歳以前に精神遅滞に近い神経学的状態にあり、その障害は恒久的あるいは長期に継続するものと思われ、そのためその個人にとって重大な不利益をこうむるもの」とされたのです。中身としては、知的障害のほかに、脳性麻痺、視聴覚障害、てんかんなど多様な状態を含んだ概念であったようです。

医学的には、「ひとつの受精卵からヒトとして完成されるまでの過程が、初期の段階で何らかの原因によって阻害それ、認知、言語、社会性、運動などの機能の獲得が障害された状態」をいうようです。また、「発達途上に生じた発達の道筋の乱れ」、この道筋の乱れは、遅れ、偏り、歪みの3点で表現されるという見方もあります。

このような見方からいいますと、主に運動面の発達障害が「脳性麻痺」、知的機能の発達障害が「精神遅滞あるいは知的障害」、言語面のつまづきを「コミュニケーション障害」ということができます。

これに加えて最近では、対人能力面でのつまづきとしての「広汎性発達障害あるいは自閉症スペクトラム」、行動上の問題として認められる「注意欠陥多動性障害(ADHD)」、学習面のつまづきとして判断される「学習障害(LD)」や巧緻(こうち)運動面の不器用さを認める「発達性協調運動障害」という名称が追加され、かつよくしられるようになりました。そしてこれらの最近注目される障害群のうち、知的発達に遅れのないものについて、通常、軽度発達障害という用語で総称して呼ばれることもあります。

心理学の分野では、「発達障害とは、一人の人間の時間軸に沿った成長・変容の過程において、身・知・心の面に通常とは異なる何らかの負の様相が現われ、しかもそれが一過性で消退せずに、その後の成長・変容に何らかの影響を持続的に及ぼすことである」と定義し、周囲との関係のりかたそのもので状態像が二次的に悪化する可能性(発達性の障害)と、負の様相そのものが関係性を難しくし、時間経過のなかで状態像がより悪化する可能性(関係性の障害)が織りあわされたものであるとする見方があります。

最近の発達障害と呼ばれる障害群は、発達的には遅れや偏りがわずかであったり、部分的であったりすることから、日常生活を送る上では、周囲に「発達障害」と思われにくく、「子供がふざけている」「親のしつけがなっていない」といった誤解を受けやすく、医療の分野でさえも、時には判断や診断が明確にされにくく、確認が難しいという特性をもっています。つまり客観的に判断されにくいということがあるのです。

そのため、当事者の努力不足や怠け、あるいは親の育て方の問題から生じたと誤解されることが多いのです。このため社会的な無理解と当事者の生きる上での困難性だけが蓄積されていってしまいがちです。その意味で、発達障害と呼ばれる障害群は、これまでの「見える障害群」とは別の生きにくさ、難しさを持った障害といえるかもしれません。

コメント(15)

えんぴつQ:広汎性発達障害ってどのような障害ですか?

えんぴつA:広汎性発達障害という名称は国際的な診断基準として使用されているものです。これは、?相互的な対人関係技能における質的な障害(目と目で見つめ合わない、仲間関係が作れない、楽しみが共有できないなど)、?コミュニケーション能力における質的な障害(言葉の遅れ、会話が続かない、「ごっこ遊び」などが認められないなど)、?反復的で常同的な行動、興味、活動のパターン(限定したものだけに興味を示し熱中する、習慣や儀式的行為にこだわるなど)、という3つが認められることで特徴付けられている発達障害です。

名称については、さまざまな用語があり、専門家の間でも一致した見解に達していないというのが現状です。ここでは、よく聞く用語を挙げておくことに留めておきます。

広汎性発達障害は、自閉症(自閉性障害)、アスペルガー症候群(アスペルガー障害)のほか、レット障害、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害を含み、いわゆる総称的な名称です。

一方、「自閉症スペクトラム」という概念もあります。これは、?社会性の障害、?コミュニケーションの障害、?想像力の障害(こだわり)の3領域で特徴づけられています。スペクトラムという言葉は「連続体」という意味で、自閉症とアスペルガー症候群を知的な有無にかかわらず連続した1つの続きとして考え、厳密な区別をしないとする見方です。

アスペルガー症候群は、広汎性発達障害の3つの特徴のうち、?と?は認めながらも?のコミュニケーション能力のつまづきがないことを条件にしています。

特定不能の広汎性発達障害(PDDNOS)とは、自閉的な子供たち、あるいは軽症な広汎性発達障害と考えられています。

高機能自閉症という言葉もよく聞きますが、これは医学的な診断基準にはありません。「自閉症の診断基準を満たしながらも、知的に遅れが無いもの」と考えられています。この「知的に遅れがない」という基準は、知能指数(IQ)の数値を元にしていますが、IQ70以上という説と、75以上という説があります。「あきらかな知的な遅れがない」という理解ですが、用語としてややあいまいという面があります。


〜つづく〜
えんぴつQ:広汎性発達障害の原因はわかっているのですか?

えんぴつA:残念ながら、広汎性発達障害の原因は、はっきりとはわかっていません。最近の研究では、脳領域、とくに扁桃体、海馬、小脳などの機能異常ではないかという見方が出てきています。また脳内の神経伝達物質のひとつであるセロトニンの関与も注目され、一卵性双生児の一致率の高さ(36〜91%)からも、遺伝的素因の可能性も指摘されています。さらに周産期障害や早産低出生体重児、脳炎などの早期の環境因子との関連も含め、多面的で多因子による関与が検討されています。いずれにしても、保護者の育て方や周囲の大人たちの愛情不足などが原因であるという説はありません。


〜つづく〜
えんぴつQ:人とのかかわり方(社会性)の障害とはなんですか?

えんぴつA:「他人との関係を作ることが苦手なこと」です。「自閉症」というと自分の殻に閉じこもって周囲とのかかわりを持ちたがらない病気という誤解があるようですが、周囲に対し旺盛な好奇心を持ち積極的にかかわろうとする人も大勢います。しかし、自閉症のある人が周囲にかかわろうとしても、周囲との関係を適切に理解し、その場にあったふるまいをすることは難しいことがあります。たとえば初対面の人との関係を適切に理解できないと、あいさつができなかったり、逆に昔からの親友のようにいきなり親しげに接してしまったりしてしまうことがあります。


えんぴつQ:「コミュニケーションの障害」ってなんですか?

えんぴつA:「他人に意思を伝えるのが苦手なこと」です。会話をすることは、相手に思いを伝える手段です。自閉症のある人は、他人との関係が築きにくく、その場にふさわしい言葉を選びにくく、結果的に他人とのコミュニケーションに困難さを伴います。単に言葉の発達が遅れているということではなく、言葉の獲得の仕方や使い方に特徴があります。幼児期では、自分の関心のあることについてはよく知っていてよく話せますが、小さい子どもが、電車の型番や詳細な時刻表について語り始めると、周囲はあぜんとしてしまうでしょう。また、一方でよく喋る人でも日常生活で当然やりとりする基本的な単語(あいさつや仲間に入るときなど、交渉時に使用する言葉)が身についていないことがあります。また、言葉の意味を文字通りに理解する傾向が強いので、比喩や言外のニュアンスを理解することが困難な場合があり、そのために周囲とぶつかってしまうこともあります。


えんぴつQ:「想像力の障害」ってなんですか?

えんぴつA:子どもであれば、想像力を用いた遊び、いわゆる「ごっこ遊び」や「見立て遊び」が苦手です。その一方で限定された、反復的で、繰り返す行動や狭い興味に熱中することがあります。自閉症のある人は、先を見通しながら想像力を働かせて検討したり、周囲の変化に応じて柔軟に対応したりすることが苦手なようです。変化に対応できないとパニックに陥ってしまうこともあります。また行動や興味を狭く限定したり、同じ動作に固執したりしますが、これは環境を一定に保って安心したいということでもあるようです。たとえば、場所、時間や道順を変更できない、ルール違反を極端に嫌う、初めて行く場所では落ち着くことができないといった傾向として現われます。


えんぴつQ:アスペルガー症候群ってなんですか?

えんぴつA:アスペルガー症候群も、広汎性発達障害の1つです。具体的には、自閉症の3つの特徴のうち、「コミュニケーションの障害」を伴わない場合に「アスペルガー症候群」と診断されることが多いようです。



〜つづく〜
えんぴつQ:3つの特徴以外に、高機能自閉症やアスペルガー症候群といった広汎性発達障害のある人に共通する特徴はあるのですか?

えんぴつA:感覚や睡眠の異常、多動などがみられることがあります。音や匂い、手触り、痛み、温度、光などに関する感覚が通常よりも鋭かったり、鈍かったりすることがあります。また小さな頃からまとまった睡眠がとれなかったり、逆に寝すぎていたりという傾向を持つ場合もあります。多動とはすぐに動いてしまい、じっとしていることが苦手な状態ですが、特に小さな頃は多動傾向を示す場合が多いようです。


えんぴつQ:間違われやすい、他の障害や疾患はありますか?

えんぴつA:診断が難しいことから以下のような障害や疾患と間違われたりするケースが見受けられます。

★注意欠陥多動性障害(ADHD)
幼児期に多動傾向が目立ち、一方で知的に正常域であるか、広汎性発達障害の特徴がそれほど目立たない時期に、後述するADHDと判断されることがあります。一方で、広汎性発達障害にはADHDが重なって認められるという意見もあり、単純に見誤ったと言えないこともあります。

★強迫性障害
強迫性障害は、意思に反して不合理な考えが繰り返し浮かんだり、行動を繰り返したりしてしまう症状を伴います。そのような症状が、自閉症の特徴であるこだわりの状態と表面的に似ているので、間違えられることがありますし、明らかに、これまでのこだわりを超えた激しい症状を認める場合があり、そのときは、重ね持つと判断されます。

★投合失調症(精神分裂病)
青年期に強い不安や混乱をきたすと、自分の気持ちを伝えるのが苦手なために精神科でこう診断されることがあります。また、自分のファンタジーが妄想と思われるケース、興奮して話す様子が支離滅裂な思考と解釈されてしまうケースも見受けられます。重要な点は、広汎性発達障害であれば、発達の初期から特性を見ることができますが、典型的な投合失調症では、発達的に問題ない乳幼児期の存在が確認できる場合が少なくありません。


えんぴつQ:自閉症はどのような障害や疾患と合併することがありますか?

えんぴつA:合併しやすい障害には次のようなものがあります。

★気分障害(うつ病、うつ状態)
気分が落ち込む、やる気が出ない、睡眠がとれないなどのうつ状態になることがあります。頭痛や全身倦怠などの症状も併発しやすいといえます。

★トゥレット障害
チックとは、常同的運動や発声が無意識に反復する症状のことを言います。ストレスの高い環境要因にさらされることで認められることがあります。軽度発達障害全体でも認められやすいもので、時に重症型であるトゥレット障害を合併することもあります。

★てんかん
自閉症の子どもの4〜10%にみられるという報告もあります。特に思春期になって認められることがあります。

★学習困難
書字ができないあるいは書字に強い拒否を示すことがありますが、これは、LDと似た認知面での問題なのか、広汎性発達障害を基底にした文字や数字へのこだわりからの抵抗かを判断する必要があります。
長文ですのにご丁寧に書き込んで下さってありがとうございました。
会員でなくても有意義な情報を得られて嬉しいです。
来年はトゥレット協会に入会してみようかと思います!
【藍羅さん】
読んでくださってありがとうございます。日本トゥレット協会はインターネットからも申し込みできます。年四回会報が送られてきます。私はまだ参加できないのですが、各地でシンポジウムも開催しており、懇談会などもあり、会員のみなさんとのコミュニケーションの場などがあるようです。トゥレットになったわけの意味が見出せるといいですね。がんばってください(応援)
えんぴつQ:LD(学習障害)ってどんな障害ですか?

えんぴつA:LD(学習障害)は、知的発達に大きな遅れはないのに、学習面で特異なつまづきがあり習得がとても困難であるなど、能力に凸凹があるのが特徴です。しかし、「学習」という状態(機能)があいまいな世界であるので、学習面で特異なつまづきという障害を決めることが難しく、障害なのか、単純に学習が身に付いていないのか、瞬時には判断しにくいものです。そのため、これまでも学習意欲の低下、家庭学習の不徹底、怠けなどと誤解されてきました。さらに理解を難しくしているのが、医学的な定義と教育・心理学的な定義という2つの定義があることです。医学的立場からの学習障害は、Learning Disordersという用語を直訳したもので略してLDとなります。この定義は「読む」、「書く」、「算数」の困難とされています。LDの約8割近くを占める読み(書き)障害についてはディスレクシア(Dyslexia)といった伝統的な言葉も使われます。教育的立場の学習障害は、Learning Disabilitiesであり、こちらも略してLDとなります。アメリカでの教育・制度上の用語としてのLDは、1975年に全障害児教育法(現、障害者教育法:IDEA)で障害カテゴリーとして正式に認められ、その後、1988年に全米学習障害合同委員会(NJCLD)で定義が整理されました。日本でも1992年に文部省(現在の文部科学省)がLDに関する検討を開始し、1995年の中間報告を経て、1999年に最終報告を出しました。それによると、学習障害を「基本的には、全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力の習得と使用に著しい困難を示す、様々な状態を指す」ものとし、原因として、「中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、・・・・・知覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの状態や、・・・・・環境的な要因が直接の原因となるものではない」と定義しました。これは、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のつまづきということで、医学定義のLDの範囲をはるかに超えたものですが、その原因として中枢神経系における機能障害を掲げている点で、医学モデルと重なっています。
えんぴつQ:LDにはどんなタイプがありますか?

えんぴつA:医学的には、「読み」「書き」「算数」の障害を中心にしたものがあります。

(1)読字障害・特異的読字障害
DSM−IV−TRによれば、読字障害と診断された60〜80%が男性で、米国の有病率は小児の4%といわれています。読字のつまづきは、音と文字のつながりのコード化の困難性といった音韻処理過程の発達の遅れや視覚的な選択的注意の障害、聴覚認知の障害などが想定されています。音と文字が一致しないことで読めないだけではなく、視覚情報処理過程や記憶過程に問題があれば、読める文字だけ読むので、現象としては「拾い読み」になります。視覚処理時に注意の課題、あるいは空間処理の能力に問題があれば「とばし読み」となり、統合処理過程の問題からは「ゆっくりと何度も読まないと理解できない」ことでつまづいてしまうことがあるでしょう。読み書きの発達順序を考えると、読めるようになってからでないと文字として書けるようになりません。それ以前はいわば「絵」として描いていたことになります。そのため、読字障害には書字障害が重なりやすいといえます(読めないから書けない)。学習場面でのことなので、周囲の気付きは遅れやすく、小学4年生以降になるまで明らかになりにくいこともあります。

(2)書字表出障害・特異的綴字(ていじ)(書字)能力障害
書字の障害を考えるときは、発達性協調運動障害や不器用さで上手に書けないといった、字形の拙劣さと区別する必要があります。書字の困難さでは、ひらがながもっとも障害されにくく、カタカナ、漢字、英語の順に難しくなるようです。これは、ひらがなやカタカナは文字と音とが1文字1音という1対1で対応しているためわかりやすいのですが、漢字や英語は複数の音と対応しなくてはならず、また形が複雑であることも関係しているようです。読めないと書けないため、現在までに報告されている例では読み書き障害として、読みの障害と重なっています。ひらがな、カタカナの段階で、長音や拗音、促音の書字の誤りがある場合は、音韻処理過程の障害を意味しており、漢字や英語の書字のつまづきは形態的誤りや記憶のつまづきを意味しますので、視覚情報処理過程の問題が想定されます。視覚情報処理過程の問題の場合は、複雑図形の記憶の再生や模写におけるつまづきなども確認でき、視覚認知または視覚記憶過程の障害が明確にされる場合もあります。読字に比べ学習場面で気付かれることが早く、小学1、2年生ころになると、漢字の書字のつまづきから明らかになりやすいようです(しかし、それが単純に書こうとしない子、怠けている子、意欲のない子と誤解されることも少なくありません)。


(3)算数障害・特異的算数障害(算数能力の特異的障害)
専門家の間では、明確に「算数障害」と判断できる症例に遭遇している専門家はいないのではないだろうかと言われています。DSM−IV−TRでは有病率は1%で、小学5年生以上にならないと確認困難であるといわれています。概念的には、算数を学ぶには、?用語・概念理解、文章問題の記号への解読といった言語的技能、?数字・記号の解読やグループ分けといった認知的技能、?図形の模写、繰り上がりの記憶といった注意技能、?数学的手順に従う数学的技能が求められます。多くの処理過程において、読字・書字能力との関係も深く、単純に算数の技能を問題にすることはできません。さらに図形や順序といった空間処理能力や、推論能力も問われる。非常に複合的な要素の検討が求められるため、広範囲な学習障害を示しやすいことも知られています。


(4)教育的定義にまで広げてみると
教育用語としてのLDには、さまざまなタイプがあります。しかもADHDや自閉症などと重複する場合もあり、みんな同じような特徴を示すわけではありません。それぞれのLDが、どのような支援ニーズをもっているかを見極めることが重要です。そのためにも次のようにいくつかのタイプにまとめてみました。

◎社会性の困難さ
人の話を聞かない、など言葉のつまづきに伴い、約束を守らないとか忘れ物が多いという社会性の育ちにくさとして現われ、適切な理解と指導を得られない結果としての困難さがあります。LDの定義には含まれないが、指導の面からは重要な領域です。

◎運動の困難さ
手先が不器用といった細かい作業が苦手な面があります。また、運動面につまづきがある場合もあり、こうした困難を伴う場合は、スポーツやゲームに参加したがらないなどの傾向が見られます。

◎情緒面での困難さ
学習の成果には、記憶、探索、推理、決定といった、いわゆるメタ認知機能が求められますが、その一方で、やる気や自己価値観といった情緒面が大きく左右します。情緒面で大きくつまづいているから学習の成果が上がらない場合もあれば、学習面での生来性のつまづきから二次的に自己価値観を落とし、自信を失ってしまうこともあります。実際には、学習障害のある子供たちは、情緒・行動・社会的問題などが同時に認められやすいといえます。自己評価、自己価値観が低下しやすく、友人関係も円滑に行いにくく、孤立したり、抑うつ傾向に傾いたりしやすいことも指摘されています。
えんぴつQ:LDと他の障害との関連は?

えんぴつA:LDでは、ADHD(注意欠陥多動性障害)との重複が約3割以上といわれています。このほか、保護者の中にはLDか知的障害かを気にされる方がしばしば見受けられますが、LDと判断された場合は、知能の発達に明らかな遅れはないことが基本です。しかし、LDの範囲は高い知能レベルから知的障害と隣接するレベルまで広く分布しています。また、知能の測定値には誤差や発達による変動もありますので、その境界をはっきりと区切るのは難しいことがあります。そのため、子どもによってはLDか知的障害のどちらか、と決め付けずにその境界付近にある場合もあります。社会性の困難さもあるので、自閉症との見極めがなかなか難しいところがあります。なかでも知的障害を伴わない高機能自閉症やアスペルガー症候群とLDが重複しているケースもあり、鑑別だけでなく、重なり合っている可能性も検討するべきです。
えんぴつQ:LDってどんな子どもですか?

えんぴつA:基本的には、学習機会に向き合って初めて課題が認められるのですが、小さいころから、「どこかほかの子とは違うところがあった」、「指遊びなどをなかなか覚えなかった」など、何か違うと気になるところがあった、育てにくいところがあったと振り返る保護者もいます。幼稚園や保育園に入って初めて、集団行動が取れない、お遊戯が覚えられない、ハサミが使えないなどの困難に気付く場合もあります(この場合も広汎性発達障害や発達性協調運動障害との鑑別、重複に注意が必要です)。小学校に入ると、手先が不器用、忘れ物が多い、自分勝手といった日常行動での問題が先生に注意されるようになったり、学習の中で苦手部分がはっきりと認められるようになったりすることがあります(これもADHDとの関係に注意が必要です)。やはり関心の中心は、学習の成果です。中心的な症状である読み書きの困難では、読みにくい字や鏡文字を書いたり、音読が苦手で、行を抜かしたり、勝手に似た言葉に変える、あるいは文章の要点を正しく読み取れない、などです。また、簡単な計算はできても学年相応の文章題ができない、などを慎重に検討する必要があります。
えんぴつQ:LDは子どもの個性とは違うのですか?

えんぴつA:学習や日常の生活能力において、できることとできないことがあり、取り組みにムラがある、できるのに時間がかかる、それは誰にでもあることです。得意、不得意はみんな持っているし、苦手なことがない人なんていません。それこそ個性なのですから、「LDだって個性が強いだけなのでは」という見方もできるかもしれません。障害とは言えないのではないか、という声も聞こえてきます。しかし、LDの状態や症状は親も含めて気付きにくく、子どもは1人で学校教育の場で恥ずかしい思いをしたり、厳しい叱責や無理な努力を強いられてしまったりすることがありえます。その結果として、たくさんの不利益を子どもに負わせてしまいます。LDは、親のしつけ方や本人の努力不足でなるものではありません。LDをなぜ障害と位置付けるのか、それは、その個性が理解と支援を必要とするものだからです。
えんぴつQ:ADHDって、どんな障害ですか?

えんぴつA:不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(順番を待てない)の3つを柱にした障害です。ADHDという名称は最近聞くようになった、と思われる方もあるかもしれませんが、実は呼び名が変わりながら、100年以上前から研究されてきた歴史があります。その定義は次のようなものです。

●ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣合いな注意力、及び衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。また、7歳以前に現われ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される

現在、学童期にADHDの子どもが占める割合は3〜7%と極めて高い率を示しています。


〜つづく〜
えんぴつADHDの原因はわかっているのですか?

えんぴつ一卵性双生児での一致率が高いことで遺伝的要因の可能性も指摘されていますし、脳内、特に前頭前野におけるドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の異常が示唆されています。遺伝子解析研究も進み、特にドーパミン受容体遺伝子を軸に解析が進んでいます。最近では、ADHDと同様の行動特徴を、虐待を受けた子ども達が示すことに耳目が集まり、環境要因と行動の関係が検討されようとしています。親のしつけや教師に指導のせいで後天的にADHDになることはありませんが、いじめや虐待・家庭内不和など環境によってよく似た症状が現れることがあります。このように後天的な環境要因や遺伝的素因が複雑に絡みあい、状況や年齢によって状態像が変遷していくものと考えられています。

〜つづく〜

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