ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

芸人サークル ムーブメントコミュの走れクリパ 第6話 第一次メール大戦

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「武力が戦争を支配する時代は終わった。これからは、今以上に情報が力になる。インテリジェンスこそ国力という時代が来るだろう。」

 冷戦下のソ連で、時の権力者フルシチョフが側近の一人にこう話したそうだ。このことは実際、今の世の中を見てみれば分かる。アメリカ中央情報局(CIA)の新人リクルート基準は、まずメールを打てるかどうかであるとも言われているほどだ。

「メールを制するものは世界を制す。」(アルバート・コルメール)

 バーベQ太は中学以来、その言葉を肝に銘じ続けてきた。しかし、ここまでメール漬けになった3日間は生まれて初めてであった。ぷらすのアドレスにメールをくれる女性達とメールを交わし、彼女達をクリパ開催のその瞬間までつなぎ止める…もちろんドタキャンを阻止するためであるのだが…その仕事に追われていた。

 クリパ祐介も同じ仕事を引き受けていた。しかし、彼に一つ欠けている部分があるとすれば、それはメールを重要視することであった。彼は、メールが情報取得、操作の重要な手段であるとはまるで認識していなかった。

 この認識の差が見事に結果に表れている。クリパは、一通一通の返事をバーベに相談した。従って、バーベQ太はほとんど一人で、プラスに来たメールの返信をしていたとも言える。そして、クリパは3人組の1グループを、メールの間に取り逃がしたのであった。

 シビアなメール戦争において、メール技術がないというのは、いわば裸一貫で前線に飛び出していくようなもので、こうなれば勢いとか根性とか、そういった類の精神論では生き残れるはずもなかった。

 コルメールの言葉を肝に銘じていたバーベでさえ、ある女性に、連れの体調不良を理由に、2日前にキャンセルされてしまった。それほどまでにシビアな戦争だったのである。

 とはいえ、何とか8人の女性を確保し、無事にクリパ開催にこぎつけた7人の戦士は、どこか誇らしげで、確かな自信をつけていた。クリパの成功を確信しきっていたのだった。



…7人を恐怖のどん底に陥れる、あの女帝の足音が一歩一歩、着実に大きくなっているなどということには微塵も気づかないで…

                               (つづく)

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

芸人サークル ムーブメント 更新情報

芸人サークル ムーブメントのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング