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糸瀬茂コミュの経営的視点での警察改革(2000.03.13)

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経営的視点での警察改革(2000.03.13)


 小渕総理がまたしても訳の分からない会議を作った。今度は、一連の警察不祥事を受け、警察の制度や運営を討議するために設置される「警察刷新会議」(仮称)というもので、つぎのお年寄りたち(大宅さんを除いて)で構成される。

氏家斉一郎(民放連会長 73才)

大森政輔(前内閣法制局長官 65才)

大宅映子(ジャーナリスト 59才)

後藤田正晴(前内閣官房長官 85才)

中坊公平(整理回収機構顧問 70才)

樋口広太郎(アサヒビール相談役、元経済戦略会議議長 74才)

 まず分からないのは、その位置付けだ。設置を決定したのは国家公安委員会だそうだが、この会議は、諮問機関や審議会ではなく、「懇談会」とされている。警察庁によれば、懇談会とは「自由に意見を交換してもらう場」なのだそうだが、それなら、「英語を第二公用語に」と提唱した「21世紀日本の構想」懇談会程度の集まりなのだろうか。だとすれば、大騒ぎすることはない。

 つぎに分からないのが、この会議が「第三者機関」とされていることだ。だとすれば、構成メンバーも、当然「誰が見ても第三者」という人になるはずだ。ところが、先のメンバーの中で第三者らしく見えるのは、大宅さん、氏家さん、樋口さんの三名だけだ(中坊さんは首相特別顧問に就任するから第三者とは言えない)。その中で、正真正銘の第三者は、大宅さんだけだろう。氏家さんと樋口さんとが、小渕総理と「とっても仲良し」だということは、国民みんなが知っている。

 さらに分からないのが、この会議と国家公安委員会の関係だ。会議のメンバーの顔ぶれは、公安委員会のメンバーよりも、ずっと有名だし偉そうだ。だから、公安委員会の上部組織であってもおかしくない。しかしこの会議の設置は、そもそも公安委員会が決定したのだから、やはりただの懇談会、つまり公安委員会の下部組織なのだろうか。

 いずれにせよ、この会議の命運は、結局、経済戦略会議や21世紀懇談会と同じなってしまう気がする。つまり、それなりの報告書を仰々しく総理に手渡した後は解散し、できあがった報告書は「お蔵入り」ということだ。これこそ小渕総理のいつもの「手口」だ。真空総理の真骨頂は、何がしかの懸案や問題が生じると、すかさず、国民受けする著名人をバキュームクリーナーよろしく次々と吸い寄せ、国民を目眩ます技にある。そして国民やマスコミも、「会議」さえできれば、その背景にあった問題をつい忘れてしまう。ずっとその繰り返しだった。

 さて、文句を言っただけでコラムを終わらせては、「言いっ放し」と謗られるのは承知している。そこで、警察改革に関する私見の一部を述べておこう(「経済コラム」とはとても呼べないコラムになってしまうが、お許し願いたい)。

 先週土曜(11日)の朝、読売テレビの「ウエークアップ」に出たが、その際、警察の組織図を見せてもらった。そもそも経営が専門の私は、正直言ってびっくりした。その組織図は軍隊以上に軍隊的な、見事なピラミッドだった。頂点から底辺まで10階層もある。組織がこれほど重層的だと、中で働く人間が「内向き」になるのは当然だ。
 つまり、内部の人間は、組織の階段を上り詰めることだけに汲々とし、本来の仕事(=市民に「治安」というサービスを提供すること)に回すエネルギーはほとんど残らなくなる。このことは、かつて(警察並みに)重層的だった銀行が、内部のポリティクスばかりにエネルギーを費やし、その挙句に巨額の不良債権を抱え込んでしまった構図とそっくりだ。

 警察の問題を論じるにあたっては、キャリア制度の問題等が指摘されることが多いが、まず手を付けるべきは、このピラミッドを縦方向に思い切り圧縮(フラット化)することだ。民間企業では、組織のフラット化は「情報伝達のスピードと正確さ」を向上させる上で不可欠な経営戦略となっているが、このことは、警察においてこそ最優先されるべき課題だ。

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