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シュタイナー的生活を楽しむコミュのあらゆる知識の目標

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42週 
1/13〜1/18
 
闇の中へ魂を導き入れ
心の熱を通して
感覚の啓示を予感させるもの、

それはこの冬の暗がりの中での
おのれの力の発現であり
魂の力強い衝動である。
        (Rudolf Steiner  高橋 巌訳)
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遅くなりましたが

新年おめでとうございます。

今年も皆様にとって素晴らしい年でありますようにお祈り致します。

mixiを2007年に始めて7年目を迎えた。

トピックの内容も膨大な量になったので、

今年は、これまで書いた内容を振り返りながら、

その時節にあった内容を再度取り上げてみたいと思っている。

シュタイナーの言葉は、不思議と何回読んでも、

初めて読むような新鮮さを感じるからである。

これまでたどって来たシュタイナーの人智学を

一度立ち止まって再度考察してみたいと思う。

今年一年、どのように生きるか思いめぐらしていたら

老子の「無用の用」という言葉が浮かんできた。

新年を迎えて再度整理してみたい。

中国の春秋戦国時代(B.C770年〜B.C221年)には

諸子百家といわれるたくさんの素晴らしい思想家が現れた。

まさにその時代、シュタイナーのいう「時代霊」が働いたのであろう。

その中でも老子の言葉は以前から大好きである。

一番好きなのは以下の言葉である。

水上善(じょうぜん)は水の若(ごと)し。
<最善の人物は“水”のような人である。>

水は善(よ)く万物を利して而(しか)も争わず。
<水は万物をうるおし,しかも争わない。>

衆人の悪(にく)む所に処(お)る。
<人が見下ろす最も低いところにとどまる。>

故に道に幾(ちか)し。
<そして,そこは「道(タオ)」にもっとも近い。>

居(きょ)には地を善しとし、心には淵(えん)なるを善しとし、
<聖人は,住みかとして低い地を善いとし,心に深い淵(ふち)を抱き,>

与(まじわり)には仁を善しとし、言には信を善しとし、
<他人には限りなくやさしく,語る言葉は誠実さそのものだ。>

正には治を善しとし、事には能を善しとし、動には時を善しとす。
<仕事には能力あることを善しとし,行動には最適の時を選ぶ。>

夫(そ)れ唯だ争わず、故に尤(とが)め無し。
<聖人は争うことがないので,他から非難されることもないのだ。>
( 『老子:道徳教8章』より)

老子は最もよい善をたとえて、水のようなものだと言っている。

水は、万物の生長を助けて、しかも他と争ったりたりせず、

みんなの嫌がる低い場所にいる。

だから、道にちかい、というのである。

以前にもトピックで触れたが「無用の用」という言葉の意味の奥深さを知ると、

東洋の叡智の素晴らしさを感じる。

うまく言葉に表現できないほど感動したのは

『無用の大木』という以下の逸話である。

「老子が弟子とともに旅をしていた。

彼らは、何百人もの樵(きこり)たちが木を切っている森にやってきた。

森全体が、無数の枝をつけた一本の大木だけを残して、

ほとんど切り倒されていた。

その残された木は、一万人が木陰に坐れるほど大きかった。

老子は弟子たちに、

『なぜその木は切られていないのか』を尋ねてくるように言った。

彼らは樵のところに行ってたずねた。

すると、彼らは言った。

『この木はまるで役に立たない。

枝という枝に節があり、これからはなにも作れない。

まっすぐな枝がひとつもない。燃料にすることもできない。

煙が目の毒だからね。

この木はまったくの役立たずだ。

だから切らないんだよ』

弟子たちは戻って老子に伝えた。

老子は笑って言った。

『この木のようになるがいい。

お前たちが役に立ったら、切られてどこかの家の家具になってしまうだろう。

お前たちが美しかったら、市場で売られて商品になってしまうだろう。

この木のようになるがいい。

まったくの役立たずに。

そうなったらお前たちは大きく、大きく成長して、

何千もの人びとがその下に木陰を見いだすだろう』 」
(『無用の大木』という逸話より)
人は誰も、有用の用のみを知って、

無用の用を知ろうとはしない。

人間を有用性だけで価値を決めるなら

人間は「物」と同じ消耗品となってしまう。

この逸話にとても似た逸話がある。

この世の中の価値は、すべて相対的なものにすぎないという、

今度は「荘子」の基本的な考え方が良くわかる逸話である。

この逸話を読むと「荘子」は、そこから一歩進んで、

無用こそ有用だと無用の価値を積極的に評価し、

価値観の逆転を主張している。

以下は『棟梁(とうりょう)の話』という逸話である。

「昔、石(せき)という棟梁が斉の国を旅した時のこと、

たまたま曲轅(きょくえん・地名)という地方にさしかかったところ、

そこに、巨大な櫟(くぬぎ)の木が神木として祀られていた。 

その巨大なこと、木陰に何千頭もの牛が憩うことができる。

幹の太さは百抱え、高さは山を見下すほど。 

地上七、八十尺のところに枝が分かれているが、

1本で充分舟を作れるほどの大きな枝、それが何十本と広がっている。

この大木を一目見ようと訪れる者がひきも切らず、

辺りはさながら市場のような賑わいである。

石(せき)の弟子たちは、息を飲んで大木に見入った。

ところが石は、目もくれず、すたすたと通り過ぎてしまう。

ようやく追いすがった弟子たちが、問い質す。
 
『親方! 親方のもとに来てからこの方、

こんな立派な材木を見たことがありません。

なのに目もくれないで行ってしまわれる。 

いったい、どんなご料簡(りょうけん)なんで』

 『生意気なことを言うな。 

あの木は、何の役にもたたない。
 
舟を作れば沈んでしまうし、棺桶を作ればたちまち腐る。 

家具を作ればすぐに壊れ、扉を作ればヤニだらけになる。

柱にすればしたで、たちまち虫に食われてしまう。 

まったく何の役にも立たん無用の大木だ。

こんなに大きく生長できたのも、もとはと言えば無用だからだ。』

さすがに棟梁だけあって、弟子たちとは目のつけどころが違っている。

ところが、棟梁の石が旅から帰ったその晩、

大木の霊が夢に現れて、棟梁にこう語りかけた。
 
『お前はいったい、わしを何に比較して無用だというのだ。

どうせ、人間に役に立つ木と比較したのだろう。
 
なるほど、梨だの柚(ゆず)だの、実のなる木はお前たちの役に立つ。 

だが、実をつけるがゆえに、枝を折られ、

ひきちぎられたあげく、天寿を全うすることなく死ななければならない。』
 
自らの長所が、自らの生命を縮めている。 

つまり、自ら求めて世俗に踏みにじられているのだ。
 
およそこの世の中の人も物も、

みな有用であろうとして同じ愚を繰り返している。

だが、わしは違う。

わしは今日まで、一貫して無用であろうと努めてきた。

天寿を終えようという今になって、ようやく無用の木になることができた。

仮にわしが有用であったら、とうの昔に切り倒されていたに違いない。」
(『荘子・人間世』より)

この大木が語っている言葉こそ、「荘子」の言いたいことである。

あえて有用であることを求めず、

無用に徹したからこそ天寿を全うすることができたのである。

ここでいう「天寿を全うする」とは、

長生きをするという意味のみでなく、

地上生活で与えられたカルマ的課題を全うすること

だと理解している。

老子、荘子の言う意味での「無用の用の生き方に徹する」こと。

これは読めば読むほど、本当に奥の深い生き方の探求だと感じる。

さらに、この生き方は、シュタイナーの『自由の哲学』にも

深く読み取ると、私の中では繋がっている。

『自由の哲学の』 初版の第一章 「あらゆる知識の目標」

の中でシュタイナーは、以下のように述べている。

「どんな理想といえどもわれわれを抑圧することはできない。

十分に深く自分の本性の根底にまで降りてゆくことができるならば、

われわれひとりひとりの内部には高貴であり、

価値あり、発展するにふさわしい何かが

必ず存在している、と確信することができる。

すべての人が追従しなければいけないような人間が存在するなどと、

われわれはもはや信じていない。

完全な全体はひとりひとりの個体の独自の完全さの上に

成り立っているものでなければならない。

われわれが作り出そうと望んでいるのは、

別な誰かにもできるような何かではなく、

われわれの存在の独自性に従って、

ただわれわれだけに可能なような何かなのである。

そのような何かが、ささやかな寄与として

宇宙進化に組み込まれていくべきなのである。

・・・・このような時代には真理もまた人間存在の深みの中だけから

取り出されることを望んでいる。

よく知られているように、シラーは二つの道について語っている。

     わたしたちふたりは真理を求める。

     あなたは外なる人生の中で、わたしは内なる心の中で。

     そして銘々がそれを見出す。

     眼が健全であれば、その眼は外で造物主に出会う。

     心が健全ならば、その心は内部に宇宙を映し出す。 」

(『自由の哲学』初版の第一章 あらゆる知識の目標p15〜17)より

コメント(2)

あめじすとさん。
コメントありがとうございます。

本年もよろしくお願い致します。

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