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シュタイナー的生活を楽しむコミュの第32週 個別自我の確立過程

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11/27〜12/3  

 私は力の充実を感じて
  自分を世界のために
   役立たせたいと願う。

 自分の存在が力づけられて
  この世の運命の中で
   明晰な自己を保ちたいと感じる。
  (Rudolf Steiner  高橋 巌訳)

……………………………
〜「荒れ野(孤独)の中で叫ぶものの声」の意味〜


日の光が、あたるととても有り難く感じられる今日この頃である。

我が家の犬も庭先で、日が当たると、

日だまりの中で丸くなり、

六エロヒームの愛の光に満たされ、

とても幸せそうに至福の時を過ごしている。

さて、ヨハネ福音書講義の第四講を引き続き読んでみたい。

地球本来の使命は、愛の育成にある。

しかしその使命は、

愛が自己意識的な人間の自由な意志による能力とならなければ、

成就されない。

だから人間は、自分の自我を少しづつ手に入れていき、

それによってゆっくりと自我が人間本性の中に

沈んでいけるようにするのである。

人間が動物よりも優れているとすれば、

それは各人が個的な自我をもっているからである。

個的な自我に確かな自分を感じ取ることができるような

事柄を人々に提供することが、キリストの使命であった。

「女と子、父と母、兄弟と姉妹とを否定することができないものは、

私の弟子にはなれない」(マルコ伝10章29)という誤解され安い言葉も、

この意味で理解されねばならない。

この言葉は家族から逃げ出すようにという教えではない。

この言葉の意味は「あなた方の誰でも、個別自我なのだ。

そしてこの個別自我は宇宙を貫いて流れる

霊的な父と直接一つに結ばれている。

このことを感じなければならない。」

ということを極端な表現で分かりやすく語ったものなのである。

それぞれが個別自我を確立したとき、

家族においてもアガペーの愛でつながるのである。

ヨハネ福音書によれば、キリストとは、

人間が個別的な自我の中で、

みずからを永遠に感じることができるように、

そのために必要な衝動を人間に与えようとする偉大な教師のことなのだ。

集合魂、集合自我から、個別的な自我への転換こそが、

旧約の時代から新約の時代への転換の意味なのである。

新約時代の新しい夜明けを告げるために登場した

預言者洗礼ヨハネは、自分自身のことを

「孤独の中で叫ぶ者の声」─荒れ野で叫ぶ者の声─(1章23節)

と呼んだ。

なぜ、洗礼ヨハネは自分のことを「孤独の中で叫ぶ者」と呼んだのか?

集合魂、集合自我から、個別的な自我への転換された人間は、

最初の段階において自分のことをどう感じなければならないのか、

シュタイナーは次のように語っている。

「さて、集合魂の中で他の人びとの人格との関連を

もはや感じないくらいにまで成熟したときの自我は、

自分のことをどう感じなければならなかったのでしょうか。

もはや同じ集合魂に属する他の人びととの

自我との共属性を人生の真実であるとは

感じられなくなった時のことです。

その時の自我は、自分を孤独であると感じなければなりませんでした。

ですから、キリストより先に来た人物は、

『私はむき出しになった自我であり、

孤独を感じる自我である。

そしてまさに自分を孤独だと感じたからこそ、

私は自分を預言者なのだと思っている。

孤独の中の自我だけが預言者に

正しい霊の養分を与えることができるのだ』と語りました。

そう語った人は、みずからを『孤独の中で叫ぶ者』と呼びました。

言い換えれば、それは、集合魂から疎外されて、

孤独になった自我が、

新しい養分を受け取れるところへと向かって

歩んでいく姿を表していたのです。

『私は孤独の中で叫ぶものの声である』とは、そういう意味なのです。

ここには深い真理が隠されています。

どんな個的な自我も、

まったく他から切り離された自我の声なのです。

その自我は、孤独な自我でも立つことのできる

新しい地盤を求めています。

そのことこそが、『私は孤独の中で叫ぶものの声である』

という言葉の意味なのです。」(p85〜86)

宇宙の真理を理解するには、

どんな古い律法も、古い約束事も必要はないのである。

シュタイナーが語るように、集合魂から独立した時、

即ち、同じ集合魂に属する他の人びととの

自我との共属性を人生の真実であるとは

感じられなくなった時、

その自我は、新しい養分を受け取れるところへと向かって

着実に歩みを進めていくのである。

宇宙の真理は、他から切り離された個的な自我

自らの中に霊的な自我を把握する度合いに応じて理解できるのである。

だからこそ、キリストは各人の中の「自立した自我」を感じとれるために、

この地上に存在したのである。

「自立した自我」こそ宇宙の叡智を獲得できるからである。

この内容は、シュタイナーの『自由の哲学』で述べている

「倫理的個体主義」に到るための一つの過程でもある。

さらには、『ヨハネ福音書講義』の第11講で語られている

キリスト教的秘儀参入の七段階への一つの過程でもある。

古代の秘儀においては、3日半の仮死状態を経験することが

必要であったが、イエス・キリスト以後その必要はなくなった。

キリスト教的秘儀参入の七段階を通過することによって

霊界の真実を知ることができるというのである。

第11講のキリスト教的秘儀参入の七段階について簡単に見ておきたい。

第?段階
「足洗い」

「何週間にもわたって、

高いものは低いものの前に身をかがめなければならない、

という宇宙感情に没頭しなければならない。

このことを徹底して遂行したときは、内にも外にも兆候が現れる」。

第?段階

もしこの世のすべての痛みや悲しみが、

お前のところに押し寄せてきたら、どうだろうか。

それを想像してみなければならない。

そして、たとえこの世のあらゆる不幸が押し寄せてくるとしても、

まっすぐに立ち続けなければならない、

という感情に没頭しなければならない。

これを十分に修行すると、再び二つの兆候が現れる。

一つは、自分が四方八方から打擲(ちょうちゃく)

されているかのような感情である。

そしてもう一つは「鞭打ち」をアストラルビジョンとして眼前に持つ。

第?段階

自分が心に抱いている最も聖なるもの、

自分の自我の全てで大切に守ろうとしているものが嘲笑され、

罵倒される。

そして、何がこようとも、私はまっすぐに立ち、

聖なるものを守らなければならない。

第?段階

修行者は自分の身体を、外にある、

例えば木立のような対象であるかのように感じる。

自分の身体が「私」のものとは言えなくなるのである。

「私は自分の身体を、まるで上衣ででもあるかのようにまとっている」

と感じなければならない。

修行者の自我を、身体から切り離すのである。

第?段階

「神秘の死」の体験である。

悪、苦、痛みの根拠にまで降りていく。

人間の魂の根底に生きている悪の全てを、

地獄へ降りていくことによって味わいつくす。

これが「地獄めぐり」である。

これが体験できると霊界が目の前に現れる。

・・・・・という感情を段階的に体験していくというのである。

まさに、このような過程の中で、

孤独の中の自我を体験し、それを通して

正しい霊の養分を受け取り霊我を成長させていくのである。

それは、集合魂から独立し、

新しい養分を受け取れるところへと向かって

歩んでいく過程でもあろう。

この過程は、光が眼を、音が耳をつくり出したのあるが、

瞑想と集中によって、内的に体験する事柄が、

眼に対する光のように、耳に対する音のように、

身体に作用するのである。

その作用と同様に、

集合魂から独立した自我を獲得し、

瞑想と集中によってアストラル体がつくりかえられ、

高次のアストラル界を見ることのできる

認識の諸器官を育成するのである。

光が眼を、音が耳をつくり出したようにである。

ところで、古代の秘儀の方法を通して霊界を知っていたのは、

個々の人々だけであったが、

その人びとの中には、何が生きていたのか。

「人間における永遠なるもの」が生きていた。

永遠なる存在が、全く意識的な仕方で、

その人びとの中に生きていた。

その人々は偉大な言葉「私と父は一つである」をすでに感じ取っていた。

つまり自我と偉大な宇宙根拠がひとつだと感じていた。

その人々は父母の意志からでもなく

「神から」つまり霊界から得ていた。

光をうけとった人だけは神の子になることができた。

全ての人が地上の感覚で、

そこにいます神を認めることができるためには、

肉眼でその姿を見ることができるように、

神が地上に出現しなければならなかった。

「言葉は肉になった」のだ。

人々はまだ個別者であるとは感じていなかったので、

内部に愛をまだ十分生かすことができなかった。

血の結びつきがあったからこそ、相手を愛した。

血の結びつきが全ての愛の基礎だった。

この集合魂の愛から、

今、人々は自由にならねばならない。

「あなた方の誰でも、個別自我なのだ。

そしてこの個別自我は宇宙を貫いて流れる

霊的な父と直接一つに結ばれている。

このことを感じなければならない。」

そしてこのように実感できる意識魂を成長させるのが

現代の時代的使命である。

なぜなら「自立した自我」こそ新しい養分を受け取り

宇宙の叡智を獲得できるからである。

コメント(8)

>同じ集合魂に属する他の人びととの

自我との共属性を人生の真実であるとは

感じられなくなった時、

すごくよくわかります。この経験。
魂の満足する場所を捜し求めて
心が
泣きながら逡巡するのを。

思わずコメントをしてしまいました。
失礼しました。

個別自我の確立
まだわかりません。

キリスト教の秘儀参入もこの一生ではとうてい終わりそうにないような内容で、その峻厳さに恐れおののいてしまいます。

シュタイナーに興味を持って
時々
拝読させていただいておりますが、

何回読んでも難解です。
なでさん
コメントとても嬉しく思います。

私も同様に

「 もはや同じ集合魂に属する他の人びととの

自我との共属性を人生の真実であるとは

感じられなくなった時のことです。」

というシュタイナーの言葉に

一番ピンとくるものがありました。

>何回読んでも難解です。

まったくそうですね。

頭では多少理解できても、

本当に心底から理解し実践するのは確かに難解ですね。

私の場合、シュタイナー自身の著作で

理解できる部分だけを少しづつ、

一歩づつ何度も読みながら

租借しています。

毎週のトピックは、私が毎朝15分〜30分読書の行として

読みながら、特にひらめいた部分を

中心にまとめているものです。

今回の部分でひらめいたのは

「荒れ野(孤独)の中で叫ぶものの声」

の意味がこんなにも深かったのか

ということにとても感動してまとめてみました。

何度もこの本を読んでいるのに

この部分の意味が初めてわかったのです。

今後ともよろしくお願いいたします。

ありがとうございました。
「自分の存在が力づけられて、この世の運命の中で、明晰な自己を保ちたい」と日々痛切しています。
天災や原発事故の被害、家庭や教育現場の荒廃、政治経済の混迷等々、この世の運命は過酷になるばかりです。
キリスト衝動により自我を強めなければ、とてもじゃないけど自己を保ち切れないと痛感しています。
naoさん、いつも心に染みるお話をありがとうございます。今回は、胸にぐぐっときて久々に胸の奥がポワッと熱くなりました。思えば「孤独な自我でも立つことのできる新しい地盤」をずっと探し求めて来たのだと思いました。

いかに嘲笑されても距離を置かれても理解されなくても「孤独である自我」を感じたとしても、表面的に集合魂に浸透することもできない、けれども適当には寄り添ってもきましたが、いつも老子の20章「わたしは ただひとり 世の人々から離れても 万物の 母なるものの 懐に抱かれて 運ばれることを貴ぶ」という部分に光りを感じて歩んできました。

ヒーリングの仕事をしていると、ほぼすべての人の苦さの元は肉親との関係の困惑から来ていることに驚かされます。そして、今多くの人が相手を許し手放し、自分で自分を立て始めようとしてもがいていることにも注目しています。個人的にも学びの多い道の途中ですが、自由になろうとしている人々を応援していきたい。

「地球本来の使命は、愛の育成にある。

しかしその使命は、

愛が自己意識的な人間の自由な意志による能力とならなければ、

成就されない。 」

ーー強く魅かれます。
 
 ナマステ

jun-iさん
コメントありがとうございます。
このコメントを読んで
今回のトピック内容と「魂のこよみ」の内容が、さらに良く理解できました。
「 キリスト衝動により自我を強めなければ・・」
肝に銘じなければと思います。

あやわさん
コメントありがとうございます。

>老子の20章「わたしは ただひとり 
>世の人々から離れても 万物の 母なるものの 懐に抱かれて 
>運ばれることを貴ぶ」

この言葉にとても共感します。
まさに洗礼ヨハネと同じ境地ですね。

洗礼ヨハネよりもっと前の時代に東洋の地で、
老子が 同じ境地に到達していたことに
深い感動を覚えます。

もはや同じ集合魂に属する他の人びととの
自我との共属性を人生の真実であるとは
感じられなくなった
洗礼ヨハネが自分自身のことを

『孤独(荒れ野)の中で叫ぶ者』と呼びました。

これは、まさに「万物の 母なるものの 
懐に抱かれて 運ばれることを貴ぶ」
に通じますね。

この言葉の中にも集合魂から自立し、
その自我が、新しい地盤を求めて

新しい養分を受け取れるところへと向かって
歩んでいく姿が思い浮かびます。

この心境で毎日過ごしたいものです。

ありがとうございました。

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