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シュタイナー的生活を楽しむコミュのピアニスト 辻井伸行さんにみる胚珠 12週

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6/20〜6/26  

万象の美しい輝きが
魂の奥底に生きる神々の力を
宇宙の果てまで解き放つ。

私はおのれ自身から離れ去る。

そして信頼をこめてふたたび私を
宇宙の光と熱の中に求める。
   (R.シュタイナー 高橋 巌訳)
--------------

昨年の6月、アメリカで開催されたヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで

日本人ではじめて優勝したというニュースではじめて辻井伸行さんを知った。

それ以来、辻井伸行さんのファンで彼の番組はいつもチェックして、

録画を頼んでいる。

最近、続けて2回ピアニスト辻井伸行さんの特集を番組で見たのであるが、

辻井さんのことを思うと以下のシュタイナーの言葉をいつも考えさせられる。

「霊学とは、不死の根拠をあれこれと考え出そうとする思弁的な

空想なのではありません。

それはどうしたら魂の本質を知るようになれるのか、

魂の本質とは何なのかを示すのです。

霊学はいわば魂を発掘します。

そして、発掘された魂が外的な身体の所産なのではなく、

むしろ外的な身体そのものがこの魂の所産なのだということを明らかにします。

私たちが自分の中に魂の胚珠を発見し、

その胚珠が次なる地上生活ののための胚珠なのだということを感じ取るとき、

この実感の中で、私たちがこの世に存在するようになる以前に、

すでに存在しており、そして人間の体的・物質的本性の中へ受胎もしくは

誕生によって入ってきたものを感じ取るのです。

そのとき私たちが体験するのは、空間の中に存在するものとして

知覚される脳も魂によって形成されるということ、

そのような脳を形成する魂は、すでに誕生もしくは

受胎以前から霊界に存在していたこと、

そしてそれが父母によって与えられた肉体の素材と結びつき、

その素材に浸透し、それを組織化する、ということです。

人間がこの世に生を享(う)けるということは、

父母によって産み出されたというよりは、霊界から降下した

霊的・魂的なものが物質的なものと結びついて存在するということなのです。」
(『死後の生活』(高橋 巌訳 イザラ書房p52〜53)

個人的な直感なので真実は定かではないが、

彼はピアニストとしての胚珠をもって地上に生まれてきたのであろう。

1988年に生まれた辻井伸行さん。

生まれつき視覚障害があった辻井さんは早くから音楽に親しみ、

わずか2歳にしておもちゃのピアノを両手で弾き始めた。

両親は辻井さんの小学校入学を機にその才能を見極めてほしいと、

プロに依頼する。

その時、辻井さんをテストしたのが、運命の人となる川上昌裕さんだった。

1995年春、2人のレッスンは始まった。

レッスンで最も苦労したのは、楽譜に含まれる作曲家の意図や

様々な記号を辻井さんにどうやって伝えるのか。

川上さんはカセットテープに右手と左手のパートを別々に録音した

「譜読みテープ」を作ることを思いつく。

中学3年生のとき「2年後のショパンコンクールに出たい」と話し、

川上さんを驚かせる。

コンクールに向けて2人が格闘したのは、ショパンの難曲「マズルカ」であった。

しかし、辻井さんは直前まで「マズルカ」を攻略できなかった。

コンクールの開催地・ポーランドに入った辻井さんは曲の元となった

民謡を踊りに出かけ、その本質を肌で感じることになった。

辻井さんが、ポーランドの人たちととても楽しそうに、時に恥ずかしそうに

踊っているテレビの場面が、私にはとても印象的だった。

ポーランド出身のショパンが親しんで聞いていた民謡にふれ、

ショパンが「マズルカ」を作曲した時に至った境地と

同じ境地に到達したのではなかろうか。

そして、本番でようやく「マズルカ」を自分にものにし、批評家賞を受賞する。

シュタイナーは、天上界の過程の頂点に近いほうに、

あらゆる感情、思考が生きている領域があるとしている。

いわゆる、感情の池、思考の池(領域)のようなものがあるのかもしれない。

これは、プラトンの「イデア界」に通じるものであろう。

辻井さんは、このときショパンと同じ、この領域に到達したのではなかろうか。

二人は、ポーランド民謡の中にある同じ感情の領域、

思考の領域に周波数が合ったのだろう。

そして、彼の胚珠がもっていた記憶に火がつきショパンの持っている

核のようなものに触れ大きく開けてきたのであろう。

ショパンコンクール本番で、川上先生は演奏の変化に驚いたという。

辻井さんは、目に見えないショパンとの出会いで、

「マズルカ」を自分にものにし、

批評家賞を受賞したのであろう。

さらにもう一つの別の番組によると、

演奏時間約35分のムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」を、

テープを聴くだけで一週間で覚えたというのである。

私も学生時代トランペットを吹いていたので、

短時間で暗譜することのすごさがわかる。

シュタイナーが語る「知覚される脳も魂によって形成されるということ、

そのような脳を形成する魂は、すでに誕生もしくは

受胎以前から霊界に存在していたこと」

の部分が理解できるように思う。

このような特別な脳を形成する魂は誕生以前から存在していたとのことである。

さらに見方を変えれば、高次の領域の、感情の領域、思考の領域に至ったとき、

自分の胚珠の部分が以前すでに知っていた曲の記憶をたどり

思い起こしているようにも思えてくるのである。

「なぜ人間は思考することができるのか」

という問題に、ゲーテの自然科学論文を考察したシュタイナーは、

「それは宇宙に思考があり、その思考力にうながされて

人間のなかに思考力が育ったのだ」と考えた。
 
そして「人間がなぜ感情を持っているのか」

という問題に「宇宙に感情が働いているので、

その力に呼び起こされて人間が感情をもつようになった」と考えたのだ。
 
宇宙に宇宙魂や宇宙霊というものがあるので、

人間の中にも霊とか魂があり、同じように人体というものは、

巨大な生命のエネルギーが満ち満ちていて、

そのエネルギーにさそわれて

一人一人の人間に生命が宿ったのだと考えた。

そして、ありとあらゆる生命の形の中で、

宇宙にある生命体の最高の傑作であるのが

人間であり人体であるというのだ。
 
人間がこの純粋思考の境地に到達すると、 

宇宙魂や宇宙霊から時代が熟し、

高次の純粋思考に到達した人に、ここから感情や思考は流れてくるのであろう。
 
ちょうど『死後の生活』にあるように

霊界に移し入れられるだけで、叡智が現実に私達の中に

流れてくるのと同じである。

霊界の私達は、ちょうど物質界において周囲に自然があるのと同じように、

周囲に叡智があるのを知るという部分と通じるものがある。

辻井さんは並外れた集中力をもっているが、その純粋思考により、

高次の世界の感情、思考が流れ込み、その感情、思考を地上において

ピアノ演奏という芸術として再創造しているのであろう。

そして、私たちは彼の演奏を聴くことにより

高次の領域の一端に触れるのである。

「さらに、今までの感情界、思考界にはなかった新しい感情、

思考を再創造したとき、その人は、天上の感情界、

思考界に寄与をなしたということになる」とのことである。
 
彼が、そのような再創造を今後さらに成し遂げられるように心から応援したい。

彼の胚珠は、自分を開花させるために、あの二人の両親を選んだ。

そして、両親とピアノの先生は、彼のすばらしい胚珠を見抜いた。

才能を見出す才能はさらに難しいことである。

子供は皆素晴らしい胚珠を持ってこの世に生を受けている。

周囲の人がその胚珠をいつどのように見出してあげるかについても

考えさせられた。

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