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記憶のなかの棄物コミュの百年の家屋

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千葉の大多喜の山中に眠る百年の家屋。
現在も人が住み、かまどには竹が薪がわりに焼べられ、煙りが昇り、筍が炊かれている。
家屋を包む板塀には、緑色の苔がむし、暗青色の板塀との対比が美しい。
板塀は風化され、浮き彫りになった木目模様が、風の流れのように、往にし方へと滑って行く。
あるいは、遠望する波形のように、ゆるやかに揺れている。
かまどの背後には、防空壕が二つ。
硬水の湧き水が滴り落ちる音の連鎖。
溜まった清水の中を、黒い山椒魚が泳いでいる。
滴る水滴が防空壕のなかで、水琴窟のように、反響する。
止まっているはずの時間が、静かに動いている。

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