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萬葉集・万葉集コミュの淡海(あふみ)の海夕波千鳥汝が鳴けば心もしのにいにしへ思ほゆ

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『万葉集』巻三、二百六十六番
柿本朝臣人麿の歌一首
あふみのうみ,ゆふなみちどり,ながなけば,こころもしのに,いにしへおもほゆ
淡海の海夕波千鳥汝が鳴けば心もしのにいにしへ思ほゆ

(原文)淡海乃海 夕浪千鳥 汝鳴者 情毛思<努>尓 古所念
(岩波古典大系に準拠)

 この歌は、

 近江の海(おうみのうみ)夕波千鳥(ゆうなみちどり)汝(な)が鳴けば心もしのに古(いにしえ)思ほゆ

 近江の海に夕波がたっている。千鳥よ、お前が鳴けば、しみじみと昔のことが思われる。

と、「近江の海」、つまり琵琶湖を詠んだ歌とされていますが、原文は「淡海乃海」で、「海」を歌ったものです。では、これはどこかということですが、

 『和名抄』抜粋
邑美郡    於不見(刊本郡部)
オフミ (武田本神名)
邑美郡延喜式
ハフミ (九条本民部)
  美和
  古市
  品治
    品治郷、時範記、承徳三、三、九
  鳥取
    鳥取連、垂仁紀二十三年。
    因幡の国 八上郡 智頭郡 邑美郡 高草郡
  邑美

とある「邑美郡邑美郷」、鳥取県の「邑美(おうみ)」郡の「邑美」です。琵琶湖には千鳥など来ないようです。


 他にも、

『万葉集』巻二、百五十三番
いさなとり,あふみのうみを,おきさけて,こぎきたるコウ,へつきて,こぎくるふね,おきつかい
いたくなはねそ,へつかい,いたくなはねそ,わかくさの,つまの,おもふとたつ
太后(おほきさき)の御歌一首
鯨魚取り 近江の海を 沖放けて 漕ぎ来る船[舟エ] 辺付きて 漕ぎ来る船
沖つ櫂 いたくな撥ねそ 辺つ櫂 いたくな撥ねそ 若草の 嬬(夫)の 思ふ鳥立つ

(原文)
鯨魚取 淡海乃海乎 奥放而 榜来[舟エ] 邊附而 榜来船
奥津加伊 痛勿波祢曽 邊津加伊 痛莫波祢曽 若草乃 嬬之念鳥立
(校異)大 -> 太 [金][温]

の「淡海乃海」を「近江」にし琵琶湖と解釈していますが、さすがに琵琶湖で「鯨魚取」、つまり鯨はとれません。「鯨魚(いさな)取り・・・」は、やはり海の枕詞(まくらことば)であるということです。

従って、この歌の解釈は正しくは次のようになります。

 鯨の捕れる淡海の海、そこを沖の方を漕いでくる船[原文は舟エ]。岸辺近くを漕いでくる船。沖の舟は櫂(かい)をあまり跳ねてくれるな。岸辺近くの舟もあまり激しく櫂(かい)の音を立てて、舟を漕いでくれるな。若草の嬬(既成の解釈では夫)が聞いているから、またあまり櫂の音を起てるなよ。

 この詳しい解明は下記を参照下さい。


淡海(あふみ)の海夕波千鳥汝が鳴けば心もしのにいにしへ思ほゆ
https://furutasigaku.jp/jfuruta/hitomaro/afumi.html

コメント(1)

 現在の大和朝廷一元史観に依拠した、前書きを元に歌を解釈するという転倒した万葉解釈では、歌の真実を明らかにできないことがここでも明らかにされています。

「特に初期の万葉の前書きは信用できない。」ということを、これまで多くの事例を挙げてきましたが、さらに展開していきたいと思います。■
 

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