FOOTBALL 欧州移籍マーケットコミュの10月のマーケット-5

10月のマーケット-5


*退団希望のドログバが反省「自分の発言に後悔している」
　
先日、フランスのサッカー専門紙『フランス・フットボール』のインタビューで、今シーズン限りでチェルシーを退団する意向を表明したFWディディエ･ドログバが、その発言を撤回するとコメント。チェルシーのオフィシャルサイトで声明を発表したドログバは、自身の発言について「後悔している」と語った。

19日発売の同紙インタビューにて、ジョゼ･モウリーニョ前監督の退団に大きなショックを受けたと認めたドログバは、「チェルシーで何かが崩壊した。そのダメージは計り知れない。もう誰も僕を止められない」と語り、希望する移籍先にバルセロナ、レアル･マドリー、ACミラン、インテルといった具体名を挙げていた。

しかしドログバは、退団報道が流れた翌日に、自らの発言を否定する声明を発表。退団発言について、「後悔している」と語った29歳は、新監督のアブラム・グラントを「サポートする」とコメント。それでも、シーズン終了後にクラブ側と今後について話し合いの場を設けることは認めている。

「インタビューであのような発言をしてしまったことを後悔している。僕はチェルシーの選手であり、このクラブにすべてを捧げているつもりだ。そして、監督やチームメイトと支えあいながら戦っていきたいと思っている。これ以上、僕の去就について話すつもりはない。シーズン終了後にクラブと話し合い機会を持ちたいと思っている」

2006年11月の契約更新で、2010年までの契約に合意しているドログバ。しかし、モウリーニョ退団のニュースに涙を流したといわれるコートジボワール代表FWにとって、クラブとの信頼関係が揺らいでいることは間違いない。グラント政権の下、いまだ不安定な戦いを続けるチェルシー。エースストライカーの契約問題の収拾を図るためにも、ピッチ上での結果が何よりも問われていると言えるだろう。


*アトレティコが注目するアルゼンチン期待の若手

移籍シーズンの時期になると何かと話題を振りまくアトレティコ・マドリーが来シーズンに向けてのチーム構想に早くも着手し始めている。アトレティコが注目する選手、アルゼンチン期待の若手、アンデルレヒト所属のMFルーカス・ビグリアがその一人だ。

身長178センチ、体重72キロ、22歳のビグリアは、アルヘンティノスの下部組織で育ち、2005年にはインデペンディエンテに移籍。若いながらもチームの大黒柱として期待された逸材だ。スピードはないが、素晴らしいテクニック、プレー判断の確かさを持つ同選手。2005年U-20ワールドカップでもバルセロナのレオ・メッシ、アトレティコのセルヒオ・アグエロらとともに優勝を果たしている。

その後、300万ユーロ（約4億9300万円）でベルギーのアンデルレヒトに移籍し、ステップアップの場をヨーロッパに移したビグリア。アンデルレヒトでの2シーズンでその才能も発揮され、昨シーズンはチームの優勝に貢献し、彼自身ベルギー最優秀選手にも選ばれている。今やチームの中心選手といっていいだろう。

若く、ヨーロッパのフットボールスタイルに慣れているのは大きなメリットである上、インデペンディエンテとU-20代表で一緒だったアグエロという存在も大きい。

「ここでうまくいっているし、いろいろ学びたい。でも、もし1月にいいオファーが届いたら、検討するだろうね。だけど、それは1月に僕が出て行くっていう意味じゃないよ」。

一躍メディアの注目を浴びることになったビグリアだが、噂に踊らされることなく、冷静さを見せている。このまま順調に成長していけば、アルゼンチン代表にも顔を出すようになると言われるビグリアの将来に注目が集まることになるだろう。


*エジミウソン覚悟「100％の状態にならなかったら、退団する」

今年6月にこの3年間で3度目の膝の手術を行い、現在はリハビリ中のバルセロナのブラジル人MFジョゼ・エジミウソンは、ある決意を胸にリハビリに励んでいる。“メンバーと同じフィジカルレベルにないのであれば、チームを退団する”覚悟であることを明らかにしている。

「痛みを感じずプレーに復帰したい。昨年は100％のコンディションでプレーできなかったし、僕のプレーのすべてを見せることもできなかった。でも今はかなり良くなっているよ」。

エジミウソンの言葉からリハビリも順調に進んでいることがうかがえるが、「復帰の期日は決めたくない。痛みを感じずにプレーすること、オリンピック・リヨンでプレーしていた時と同じプレーをすることだけを考えている」とコメント。あえて復帰期日を設けず、100％の状態に戻すことが目標であるとキッパリ。

今夏、ミランへの移籍が間近だったと認めていたエジミウソン。バルサとの契約も今シーズンいっぱいで終了する。しかし、今は契約のことよりも膝を完璧に治すことが最優先であり、将来についてはシーズン終了後に話すとも。

エジミウソンは、並々ならぬ決意を胸に毎日リハビリに汗を流している。リハビリに焦りは禁物だ。とにかく、完璧な状態になってチームに戻って来て欲しいものだ。


*R・マドリー、ビージャ獲得は99億円から!?

R・マドリーが狙うビージャ。チェルシーのオファー額と同額を用意するつもりのようだが…
　
レアル・マドリーは昨シーズン、チェルシーが用意した額と同額、つまり6000万ユーロ（約99億円）でバレンシアのスペイン代表FWダビ・ビージャにオファーをしようとしているようだ。ビージャに違約金1億5000万ユーロ（約248億円）を設定しているバレンシアは、R・マドリーに対しこの額を支払うよう求めるだろうが、R・マドリーのオファー額が7500万ユーロ（約124億円）に達するようであれば、交渉の席に着く可能性があると考えられる。

ビージャ本人は、R・マドリーからの興味については光栄だと明らかにしている。そしてビージャのこのコメントは、R・マドリーの首脳陣を喜ばせている。


*ムトゥ：「フィオレンティーナとの契約を延長したい」「僕はもう決断を下している」

レアル・マドリード、バルセロナ、マンチェスター・シティといった有力クラブやイタリア勢からの関心を集めているフィオレンティーナFWアドリアン・ムトゥ。だが、同選手はこれらの誘いを丁重に断り、もはや自分が完全にフィオレンティーナの人間になったことを宣言している。

「移籍市場で多くのオファーを受け取れるのは嬉しい。でも、僕はすでにフィオレンティーナ残留を選んだ。移籍の噂が終わらないのはわかっているけど、僕の移籍先について語るのは無駄だ。現時点で大切なのはフィオレンティーナだけなんだ。いや、それ以上と言っていいだろうな。契約が満了になるのはかなり先のことだけど、僕は延長したいと思っているからね」


*チアゴ：「１月に移籍するかもしれない」「ここまでのユヴェントスでの経験は落胆でしかなかった」

ユヴェントスにとって、中盤の希望の星となるはずだったMFチアゴ。セリエAに復帰を果たしたユヴェントスが、この夏の最高額（1300万ユーロ）を投じて獲得した同選手だが、ここまではユヴェントスにとって信じられないような「最悪の買い物」になってしまっている。

トップフォームを見つけられず（チアゴは「練習がハード」と言っている）、ラニエリ監督の戦術にもなかなか慣れることができないチアゴは、この序盤戦をずっとベンチで過ごしてきた。しかし今、同選手はもうベンチ生活に堪えられなくなったようだ。

チアゴはポルトガル紙『オ・ジョーゴ』に対し、次のように明かしたのである。「これまでのユヴェントスでの経験は落胆でしかなかった。このチームでスタメン確保と自身の成功を目指していたのに、それとはまったく逆の状況になってしまったんだ。今の状況下でここに留まるのは簡単なことじゃない。もしも状況に変化がなければ、１月に移籍することもあるだろう」


*ベンフィカ、冬の移籍でＲ・マドリーのＦＷソルダード獲りか

冬の移籍でソルダードとチェバントンの獲得を狙うカマーチョ監督だが…
　
ベンフィカのカマーチョ監督が、ベンフィカが冬の移籍でレアル・マドリーのソルダードやセビージャのチェバントンの獲得を試みる予定であると明らかにしている。攻撃ラインの補強のためである。ポルトガル紙“ア・ボーラ”は、写真入り紙面トップでこの２選手がカマーチョ監督の獲得リストに入っており、今シーズンも獲得に動いていたと報じている。

ヌーノ・ゴメス、アンヘル・ファビアン・ディ・マリア、オスカル・カルドーソ、モントラスといったフォワード陣を擁するベンフィカだが、さらにフォワードの補強が必要だと見るカマーチョ監督は、ソルダードとチェバントン、もしくはどちらかを獲得したいと考えていると同紙は伝えている。

チェバントンの代理人であるパコ・カサル氏は、８月末にベンフィカに移籍したマクシミリアーノ・ペレイラ、クリスティアン・ロドリゲスの代理人も務めていることから、チェバントンのベンフィカ移籍はそう難しくないのではと見られている。

一方ソルダードについては、シーズン初頭にベンフィカのオファーを断っているという経緯もあるが、出場機会に恵まれない彼が気持ちを変える可能性もないとは言い切れない。