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詩歌全般・日本古代史・たべものコミュの秋風に たなびく雲の たえ間より もれいづる月の かげのさやけさ

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秋風に たなびく雲の たえ間より もれいづる月の かげのさやけさ  左京大夫顕輔

<崇徳院に百首の歌たてまつりけるに 新古今集・秋上> 久安六年御百首(第二句「ただよふ雲の」)

・・・・・・・・・・・・・
秋風が吹いて

たなびく雲の切れ目から

射しこぼれてくる月の光の

その清らかで鮮明なことよ
・・・・・・・・・・・・・

藤原顕輔は「詞花集」の選者。
修理大夫顕季(すりのだいぶあきすえ)の子。
父は歌道六条家の祖で、歌や歌学の家柄であった。
六条家の歌風をついで、旧風ながら格調のある歌を多く残し、家集「左京大夫顕輔卿集」がある。
子孫には、子清輔、孫有家などが有名。

・・・・・・・・・・・・・

秋風に;

「に」は原因を示す格助詞。


たなびく雲の たえ間より; 

「たなびく」は水平方向に薄く長くひく意で、動詞「たなびく」の連体形。

層雲または層積雲「雲の百科」
http://cumulus.web.infoseek.co.jp/kumo/index.html

「たえ間」は雲間。
「より」は、動作・作用の起点、経過する場所を示す格助詞。


もれいづる月の かげのさやけさ; 

体言止めで感動表現。
「もれいづる」は下二段活用動詞「もれいづ」の連体形。
「月のかげ」は月光。

* 現代語では、影は光の影であり、光り輝く発光体そのものと、それからそれによって起こる暗さ、物蔭の両方をさす、しかし古典では『月かげ』『日かげ』といえば、『月光』『日光』をいう。
「かげの」の
「の」は名詞「さやけさ」に対して、連体修飾語をつくる格助詞。
「さやけさ」はすがすがしく清らかに明るい意で、形容詞「さやけし」の語幹に、程度・状態を表す接尾語「さ」を複合させて名詞化した語。

* 百人一首の末尾、「つつ」「けり」「かな」「とは」
「なり」「思ふ」・・・など。
「かな」が12句、「けり」が8句、「らむ」が5句、「つつ」「がな」「ける」が4句、「けれ」が3句。
 体言止めの歌は、13。
・・・・・・・・・・・・・

☆ きれいなきみの表情から、時々こぼれる笑顔みたいなものさ。


【主な派生歌】(千人万首)

玉よする 岬が沖に 波間より たちいづる月の かげのさやけさ  
 (鴨長明)

うす雲の ただよふ空の 月かげは さやけきよりも あはれなりけり
 (後鳥羽院[風雅])

霜こほる 山風あらき 雲間より もれいづる月の 影ぞさむけき  
 (藤原隆祐)

晴れゆくか ただよふ雲の たえまより 星見えそむる むら雨の空  
 (宮内卿)

吹きはらふ 雪げの雲の たえだえを まちける月の 影のさやけさ  
 (順徳院)

もれ出づる 今ひときはの さやけさに 空こそ月の 光とは見れ  
 (後水尾院)

秋かぜの 雲吹きつくす 山の端に さしのぼる月の かげのさやけさ
 (冷泉為村)

よひの雨に ぬるる水枝を もれ出づる 月の色こそ なまめきにけれ
 (橘千蔭)


古今・新古今叙景歌めぐり

田子の浦に うち出てみれば 白妙の 富士のたかねに 雪はふりつつ  
 (山部赤人)

朝ぼらけ 有明の月と みるまでに 吉野の里に ふれる白雪  
 (坂上是則)

朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木  
 (権中納言定頼)

夕されば 門田の稲葉 おとづれて 葦のまろ屋に 秋風ぞ吹く  
 (大納言経信)

秋風に たなびく雲の 絶えまより もれ出づる月の 影のさやけさ
かづらきや 高まの山の さくら花 雲井のよそに みてや過ぎなん  
 左京大夫顕輔 (藤原顕輔)

村雨の 露もまだひぬ 槙の葉に 霧たちのぼる 秋の夕暮  
 (寂蓮法師)


『左京太夫顕輔集』から

夜もすがら 富士の高嶺に 雲きえて 清見が関に 宿る月影

住之江に 宿れる月の 村雲は 松の下枝の 影にぞありける

朝まだき ふりさけみれば 白妙の 雪積もれるや 高宮の里

さ夜ふけて 筧の水の とまりしに 心は得てき けさの初雪

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