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詩歌全般・日本古代史・たべものコミュの難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき

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難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき  皇嘉門院別当 

<右大臣の時の家の歌合いに 旅情逢恋 といへる心をよめる 千載集・恋三>


<詞書の「旅情」の流れ>

序詞  「難波江の芦」は−「かりねのひとよ」の。
掛詞  「かりね・ひとよ」、刈り根(切り株)の一節(ひとよ)と、仮寝(旅寝)の「ひとよ」との。
掛詞  舟の水路を示す標識の「澪標」と「みをつくし」(命を捨てる意)の。
縁語  「澪標」「わたる」と「難波江」。

・・・・・・・・・・・・・・
かりそめの

旅の仮寝の一夜の恋なのに

難波江の契りのあかしか

あのみをつくし

難波の入江にはえている

芦の根の一節のように

短い旅のただひと夜を

あなたとすごしたばかりに

わたしは一生この身をささげつくして

あなたを恋しつづけなければ

ならなくなってしまった
・・・・・・・・・・・・・・・・・
難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ; 

「難波江」は難波(今の大阪)の入江。
「の」は三つとも連体修飾語をつくる格助詞。
「芦」は「みをつくし」とともに難波の名物。
「ゆゑ」は理由の意の名詞。


みをつくしてや 恋ひわたるべき; 

「つくし」は四段活用動詞「尽くす」の連用形。
「て」は順接の接続助詞。
「や」は疑問の係り助詞。結びは推量の助動詞「べし」の連体形。
「恋ひわたる」は四段活用動詞終止形。(恋つづける。)

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【本歌】元良親王「後撰」

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても 逢はんとぞ思ふ  


    伊勢「新古今」

難波潟 みじかき葦の ふしのまも 逢はで此の世を 過ぐしてよとや


【主な派生歌】

志賀のうみ やれ行く春も ふかきえに 身をつくしてや 又も相ひみん
 (藤原家隆)

難波なる 身をつくしても かひぞなき 短き葦の 一夜ばかりは  
 (藤原定家[続後拾遺])

思ひ侘び 身をつくしてや 同じ江に  又立ち返り 恋ひわたりなん    (藤原成実[続後撰])

いかさまに 身をつくしてか  難波江に 深き思ひの しるしみすべき
 (京極為兼[新後撰])

夢にても みつとないひそ 難波なる 芦のかりねの 一よばかりは  
 (藤原為道女[続後拾遺])

忘るなよ さらぬちぎりぞ 我も旅 人もかりねの 一夜なりとも  
 (飛鳥井雅親)

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(千人万首より)

皇嘉門院別当(長官) こうかもんいんのべっとう 生没年未詳
村上源氏。
大納言師忠の曾孫。正五位下太皇太后宮亮源俊隆の娘。
崇徳院皇后聖子(皇嘉門院)に仕える。
安元元年(1175)・治承三年(1179)の右大臣兼実家歌合、治承二年(1178)の右大臣兼実家百首などに出詠。養和元年(1181)、皇嘉門院崩御の折、すでに出家の身であった。

千載集初出。小倉百人一首に「難波江の…」の歌が選ばれている。

・・・・・・・・・・・・・・
難波の入り江に生える芦の刈り根の一節は短いもの。それほどまでに短かく感じられたあなたとの
仮寝の一夜を過ごした私は、難波江の「みをつくし」のようにこの身を尽くしてあなたを恋い続けることになるのでしょうか。
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「澪(みお)」は川の浅瀬と深みの境のことだそうで、「標(つくし)」はしるしのこと。
つまり「澪標(みおつくし)」というのは、船が浅瀬などに乗り上げないよう安全に航行するために、ココを通れば大丈夫ですよと立てられた指標のこと。それが、
「身を尽くす」という言葉と同じよみから、「真心を込め、身を尽くして、これから進むべき道を示す」という意味に重ねて用いられるようになったという。
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古代日本の通い婚と正式の妻
 日本人の祖先は性に対しては割合に開放的で、男女間の交際は大変におおらかであった。いわゆる乱婚とか雑婚という状態が長々と続いた。これは日本に仏教や儒教などの道徳規範が到来していなかったことが理由の一つである。また掠奪結婚というのもあり、相手を肩に担いで連れ去るので、俗に「かたげ」といった。それが一変すると、購買結婚といって娘を米俵、牛などで買うこととなり、これも後世までも残っていた。贈与結婚というのは娘を高貴の方に献ずることで、中古の采女という陪膳の女官はこれであった。結婚方式では同意結婚、即ち男女ともに合意の上で結婚するものが穏当であるが、わが国でも太古から貴族の間にはこれが行われていたようである。(略)

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