ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

ウッディー瓦版/コミュの★ラブ旅:vol,5/境港〜隠岐/しょにょ3〜!!★

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
隠岐の島は/逃げるとこなし/
盗人だって/ここじゃどこにも/隠れられない
岡本おさみ・吉田拓郎「都万の秋」
--------------------
隠岐独特の、見えないコネクションによって、タクシーを呼んでもらった僕等は西ノ島を縦断し、小学校前から10分弱で目的地である“国賀海岸”へ。時間はまだ9時前。天気は快晴。断崖の上にある展望台を兼ねたロータリーでタクシーを降りると、目の前には紺碧の日本海をバックに、その荒波によって浸食されまくった巨大な奇岩がいくつも立ち並んでいる。東側には海面から約300mの高さまで切り立った断崖が垂直に屹立する名所“摩天崖”が臨め、その断崖絶壁の上部は一転、緑の草地に覆われており、なだらかな稜線には、のんびりと草を食む赤牛が点々と見える。動と静。地獄と天国。まさに絶景だ。

僕は昨日までのノドの痛みも治まり、快調。早起きジェニーは相変わらずややご機嫌ナナメ。理由は朝、僕が用意を急かし、その間かまってくれなかったから…だって。くす、くす。かわゆいもんだ。

ハニーの手を引いて、ロータリー横のジグザグの道を、大小の断崖が複雑な入江を形成している海岸へと降りて行く。嗚呼…そここそが20余年も前、僕がその水中風景の美しさに感嘆した場所なのだ。

が、いざ海岸へ降りてみると、そこにはレストハウス風の建物やトイレはあるものの、波打ち際には様々なゴミや漂着物が散乱し、どうみても海水浴場足り得ない汚さなのだ。おまけにまだ時間も早く、海岸には僕等ののみで、ここがかつて僕が泳いだ海水浴場であるという確信がまったくもてない。何せ、展望台から見た絶景ブリとは打って変わって、下の海岸はゴミだらけ。当時の印象とまったく違うのである。近寄ってみても、どうにも泳ぐ気になれないテイタラクなのだ。

とてもじゃないがその海岸が、かつて泳いだ国賀海水浴場とは信じられず、看板や地図等の手がかりを探しに断崖上のロータリーまで戻って、たまたま車でやってきた若夫婦に「この下って、国賀海岸海水浴場ですよね?」と聞いてみる。同じく旅行者らしいその2人は親切に自分達が持って来た地図を見てくれ、「うーん、この西ノ島で海水浴場と名の付くのは“外浜海水浴場”っていうところだけみたいですよ」と。マジかよ。諦め切れずに、次に軽トラでやってきた地元業者風のオヤジに「この下って、国賀海岸海水浴場ですよね?」と聞くと「ああ?うーん、ちょっと汚いけど泳げなくはないよ、時々泳いでる人もいるし」というお答え。そこで勇気を出してもう一度海岸へ降りて、泳げそうな場所探し。しかし、やっぱ汚ねー。

するとさっきのオヤジが軽トラで側を通り掛かり、「あー、その辺はやっぱ汚いか。あっちの“通天橋”の手前辺りなら割合キレイじゃで、アワビも捕れるよ」「自分ら、水中眼鏡とかシュノーケルとかモリとか持ってる?持ってない?じゃ、貸してやろうか?」と。ちなみに“通天橋”とは波に浸食されてトンネルのような穴が開いた断崖のことで、これまた隠岐の名所である。

やったぜ。奇しくも街には手頃なのがなく買うのをあきらめた中眼鏡とかシュノーケルを、たまたま海で逢ったオヤジに借りれるとはラッキー。モリと足ひれ付。しかも、泳げそうな場所まで教えてもらって、二人共一気にテンション上ル。ひとまずオヤジに導かれ、海岸上の芝生の上に建つ海の家風のオープンテラスへ。このオヤジは団体観光客相手に記念写真を撮って生計と立てているらしいカメラマン。数年前にこの“国賀海岸”の絶景に感動し、脱サラして、隙間産業的な今の仕事に目をつけ、この島に住み着いたという。

「あのー、僕は確か20年くらい前にここの海水浴場で泳いだ記憶があるんすけどねー」と質問してみる。オヤジの話によれば、確かにその昔は“国賀海岸海水浴場”と呼ばる、キレイな海水浴場だったが、観光客が押し寄せ過ぎて海が汚れたので数年前から海水浴場としては閉鎖され、キャンプ等も禁止になったらしい。もともと小さな入江の浜だったので、投棄さらたゴミ等は外海へと流されず、溜まる一方だったのだろう。なるほど、そういう訳か、とようやく納得。

まあ、ここら一帯は国立公園にも指定され、特別保護地区として保護されているのだから、それくらいの“圧政”もしかたあるまい。その割には、行きしに乗って来たタクシーの運チャンに聞いたのだが、隠岐の島では、観光客も自然のサザエやアワビがタダで取り放題らしい。

それにしても、今朝のバスの運チャンも、このオヤジも、そして島で見かける中年のオヤジ達は、皆申し合わせたように、昔懐かしいティアドロップス型のサングラスをしているのがオモシロイ。というか、地元の“若者”の多くは島を出て行ったのか、島で見かけるの男の大半はこのティアドロップス型サングラスを掛けた中年風オヤジであり、何故か彼らはイキイキしているように見える。う〜ん、隠岐は一種のオヤジ天国なのかも知れない。

さて、ティアドロップスに借りた海遊びグッズを引っ提げ、教えてもらったとおり、オープンテラス下の岩場の隙間を抜けてさっきとは反対側の海岸線へ出てみる。成る程、こっちはまだキレイだ。海岸線沿いにゴツゴツした岩場をヨチヨチと“摩天崖”手前の入江へと向かう。ハニーも張り切ってチューブトップを脱いでビキニスタイルに。岩場と美女…絵になる。しかし、何せ足場が悪く、海草に足を取られたり、突然の深場などに出くわしたりして中々思うように進めない。

結局、“摩天崖”行きは断念し、その辺の磯にて水遊びすることに。ハニーは借りてきた水中眼鏡とシュノーケルを付けてカッパの如く岩場を遊泳、潜水。女のコと言えば海に来ても紫外線を気にしてパラソルの影から出ず、日焼け止めクリームを塗っちゃあ寝、塗っちゃあ寝しているイメージが強いので、これほどパシャパシャ泳ぎ回るハニーがモノ珍しく、可愛く思える。しかし、放っておくと入江から外海に出そうになるので大声で制止。目が離せない。でもねー、さっきはカッパの如くって言ったけど、ベージュのビキニを纏って泳ぎ回るハニーはまさに人魚…手前ミソ。僕も一緒に潜ったり、岩場の崖に登ってガッツポーズしたり…。

まあ、ここはここで楽しいが、やはり砂浜のある海水浴場で、せっかく買ったビーサンとおそろいのドクロのレジャーシート敷いて寝っ転がり、音楽鳴らしつつ2人でマッタリもしてえよな、と意見が一致。しかも早起きしたのでまだ午前中だ。時間はたっぷりある。

その磯で1時間程遊んだ後、摩天崖から降りてくる団体さんの記念写真を撮るために、先程の拠点で待機しているティアドロップスに水中眼鏡一式を返却。御礼を言って11時過ぎ、展望台のあるロータリーへ戻る。で、朝ここでカップルに教えてもらった、西ノ島唯一の海水浴場、“外浜海水浴場”行きのバスを待つ。その間、展望台のガゼボにて、上からみるとやはり絶景の国賀海岸をバックにしたハニーをスケッチ。ハニーも僕の脚をスケッチ(?)。

程なくやって来たバスに乗り“外浜海水浴場”停留所にて下車。バスを降りて、海水浴場までどう行けばいいか分からず2人で道にあった地図の看板を見ていると、一緒に降りた地元の女性らしい2人組が、事情を察したのか「海水浴場ならこっちですよ」と声を掛けてくれる。

さて、この西ノ島であるが、島全体のカタチはハネを広げたチョウチョに似ている(かなりユガンではいるが…)。僕等が泊まっている民宿がある“別府”は、向かって右のハネの下、真ん中当たり。で、“国賀海岸”は左のハネのほぼ頂上当たりに位置する。この島はかつて、たとえば“別府”の港から“国賀海岸”へ、つまり内海から外海へ出ようと思えば、左右どちらかのハネを迂回して行かねばならなかったが、昭和50年に、チョウチョの体にあたる部分に船引運河という水路が穿たれ、そこを通ることで、行き来が格段にラクになったという。 そして、僕等がこの日の午後からやって来た“外浜海水浴場”は、ちょうどこの運河の右岸、チョウチョの頭右側当たりにある。

僕等は白い砂浜が続く小さな入り江の風景に「う〜ん、これだよ」と満足し、レストハウス(海の家)で変に辛いカレーと変に美味しいラーメンの昼食を採り、缶が売っていないのでジョッキ入りのビール片手に、熱い砂浜へと降りて行った。

適当な場所にドクロのレジャーシートを引いて陣取るが、陽射しが強いので僕はパラソルを借りにレストハウスへ戻る。しかし、残っていたパラソルはどれも壊れていて役に立ちそうもなかったので、引き返してレストハウスの影になっている場所に移動。ジョッキのまま渡されたビールをぐいっと飲んで一息ついたところで、ハニーが「指輪がない!」と騒ぎ始める。今年の初めの彼女の誕生日に僕がプレゼントしたやつだ。

僕がパラソルを借りに行っている間に、日焼け止めクリームを塗ろうと指から外してさっきの場所の砂の上に置いて来たらしい。南無三!これってぜったい出てこないパターンだよなーと、半分以上諦めモードで、しかし、急いで探しに行くと、おお!砂の上に指輪がキラリ。あった〜!!この頃から、僕等は何かに守られているのかも、という思いが強くなってくる。だって人が行き交う柔らかい砂の上だよ。それがこんなに簡単に見つかるなんて…。神様は僕等の仲の良さにちょっとだけ嫉妬して、ほんの可愛いいたずらを仕掛けただけなのかも。クス、クス。

念願通り砂浜に寝っ転がり、CDウォークマンに秘密兵器の携帯用スピーカーを繋いで僕のディラン、ハニーのアラニスなどを鳴らしつつの〜んびりした気分に浸る。あー、今、僕等は海にいるんだなー、という充足感が満ちてくる。

目を開けると、家族連れが中心の、さして多くもない海水浴客たちがそれぞれ、思い思いにビーチを愉しんでいるのが見える。白い砂浜は陽射しに燃え、入江は穏やかに煌めき、沖には頼りなげに細い堤防が延び、先には小さな赤い灯台。その向こうには入江を形作る岬が薄くかすんだ緑の稜線を横たえ、そこから風に乗って遠く蝉の声が聞こえて来る。そして空はターコイズブルー。午後の、やや輪郭のぼやけた入道雲。ふと、堤防の前を小さな船が横切って行く。うーん、100%夏である。携帯用スピーカーからディランのサマータイムが聴こえ、僕は残りのビールを飲み干す。

二人で泳ぎたくなり、レストハウスで、今度はお金を払ってシュノーケル&水中メガネ二組と大きな浮き輪を借りて海へ。水中メガネを付けて泳いで観るが、砂地ばかりで変化がなく、水中の風景を愉しむにはイマイチ。ハニーは浮き輪に乗っかり、おでこに水中メガネを乗っけて僕の後ろをプカプカパシャパシャついて来る。もー、かーいーんだから。

浜から30m程離れた沖に、休憩所のような人工の浮き島があり、何人か人が登っていたので僕らもそこを拠点に、二人で遊泳ゾーンの端のロープまで行ったり、水中メガネを付けて潜ったりして大いに遊ぶ。考えてみればこんな風に女のコと一緒に、海で思い切り泳ぎまくったのは久ぶりの気がする。めちゃくちゃ楽しい。

荷物をほったらかしたまま、1時間も泳いだろうか、さすがに疲れて砂浜へ戻り、また携帯用スピーカーを慣らしつつ二人並んでシートにゴロ寝。至福の時。今、ゆっくりと夏が往く、その気配を肌で感じている。

夕方、民宿に帰ると、隣の部屋に親子連れが泊まるらしく騒がしい。そういや、オカミが今日からは客が増えるって言ってたっけ。それはいいんだが、その親子連れ、廊下に面した部屋の襖は開けっ放しにするわ、延々風呂場を占領するわで、迷惑この上なし。おまけにオヤジは一見ヤクザ風。ま、これも民宿の風情つーことでがまん…できねーーーーーっ。

オカミが「明日から手が回らなくなる」と言っていた割には、昨日とさほど変わらぬ豪華めの夕食を平らげ、部屋で少しゴロゴロした後、ハニーを外へ散歩に出る。民宿の前の道を、港の方に少し戻った防波堤付近に腰を下ろして、昼間の風景とは打って変わって漆黒に包まれた入江を眺める。目の前にはのっぺりとした海があり、入り組んだ島影が闇の中にさらに黒々と浮かび上がっている。その黒い島影の麓のところどころでいくつもの燈台が星のように点滅し、小さな漁り火が横切る以外は、ただ穏やかな波の気配が寂々と漂っているだけだ。

段状になった防波堤の下の方へ降りて行ったハニーは、湿気の残った海苔に足を取られて海に落ちそうになり、向かいの島まで届きそうな悲鳴を上げた。僕も心臓が縮まった。

這々の体で戻ってきたハニーと防波堤の上に2人並んで寝転ぶ。まさに満天の星空。その下に薄い雲が何本かたなびいている。幻想的な風景だ。「うおっ、きれい〜」とハニー。「うん、すげえ」と僕。そのまましばらく放心したように星空を眺めていたが、突然、大きな輝きが天を縦走するのを見た。2人ともほぼ同時に「あっ」と声を上げ、顔を見合わせてニカッ。「あれ、流れ星やんなぁ」「うん、メチャデカかったぁ」マジで、今まで見た中で最大の流星である。だってふつうは夜空にツィーと一本、て感じなのに、この時のは明らかにキラキラ光る頭とシッポがあったからねー。あんなの、初めてだ。ひょっとしてUFOだったのか。ともあれ、僕はハニーと一緒にそれを見れたことが何となくうれしかった。

民宿に帰って布団に入り、今日一日の出来事を思い返した僕は、ふと〜隠岐の島は/逃げるとこなし/盗人だって/ここじゃどこにも/隠れられない〜という、岡本おさみ作詞・吉田拓郎作曲の「都万の秋」という歌を、これまで間違って解釈していたことに気づいた。こんな最果ての島なのだから、ここからはどこへも逃げられない、という意味だと思っていたが、違った。そう、朝の“見えないコネクション”である。

小さく閉ざされた島世界では全員が全員の顔を知っており、全員が何らかのコネクションで綿密に連携しており、そこに見知らぬ顔が混じればすぐにバレてしまう、だから盗人も逃れられぬ、どうやら、そういうことらしい。

(続く〜ウッディー:06-09/17)
------------------------------
しょにょ2〜!!
↓↓↓
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=12885548&comm_id=171451
----------
しょにょ1〜!!
↓↓↓
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=12879238&comm_id=171451

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

ウッディー瓦版/ 更新情報

ウッディー瓦版/のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング