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ウッディー瓦版/コミュの★オヤジ曼陀羅★

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去る6月3日(土)夕方5時から、僕のオヤジの“本格的・退職記念パーティー”が近鉄奈良駅前の「そば切り百夜月(モモヨヅキ)」つーソバ屋を借り切って行われた。家族のみ参加のささやかな会であり、オヤジ、オカン、弟一家(穂高+ワイフ+お子様2人)、妹一家(花絵+ハズバンド+お子様2人)、そして僕と彼女(まや)が、弟・穂高の大学時代の友人が経営しているこの店に一同に会した。家族全員が揃うのは本当に数年ぶりのことである。

いわずもがな僕はバツイチで、仕事も何をやっているやらイマイチ不明、家族親戚の行事には滅多に現れず、たまに顔を見せたかと思えば自身の年齢に不釣り合いな若くカワイイ女のコと一緒であり、結局誰よりも大ハシャギしてしまう、どこの兄弟にもひとりはいるロクデナシの兄貴の役所を見事にこなし切ったという訳だ。イエイ。

さて、僕のオヤジが大学教授であるというのは、周囲の人間にはよく知られている事実であるが、1966年4月に、追手門学院大学専任講師に採用されて以降、去年の3月に定年退職するまでの40年間を、オヤジは助教授、教授と順調に昇任し、経済学博士号まで取りつつ勤め上げた。去年の4月からは非常勤の大学院特任教授として勤めていたが、今後は自身の研究に没頭するため、今年の3月末で完全退職したようだ。教授室の荷物もすべて引き上げ、もう大学に出向くことも滅多にない。冒頭で“本格的・退職記念パーティー”としたのはそういう経緯からである。

最終肩書きは“大学院経済学研究科・特任教授”。在任中の担当科目は“経済史・日本経済史”であり、専門分野は“近代日本経済史”、研究課題は“わが国の社会経済の近代化過程において鉄道交通の果たした歴史的役割を実証的に解明すること”であったらしい。

1932年生まれであるから現在74歳。それにしてはカクシャクとしており、頭髪はほぼ白いが、いわゆる“ジイサン”的なオトロエは感じられない。なんにしても大したもんだよ、いやーよくやった、スゲェよ、オレなんぞにゃとってもカナワンよ、オヤジィ、長い間ゴクローだったな、そしてこれからは自分の研究に心血注いでもう一花咲かせてくれ、ってな気分で、このパーティーのために大急ぎで「オヤジ曼陀羅」つーバラッドを書き、席上でオヤジに捧げた。

こんな感じである。
------------------------------
「オヤジ曼陀羅」

鉄道好きで、オンナ好き/それより何より本が好き
そんなオヤジの想い出は/あ〜変調ベル鳴らしから始まる
ビービー、ビビッ、ビッビッビ、ビービー/ビービー、ビビッ、ビッビッビ、ビービー
ビービー、ビビッ、ビッビッビ、ビービー/ビービー、ビビッ、ビッビッビ、ビービー(※1)

毎晩その変調ベル鳴らしが/聞こえる度に子供時代の僕は
あー、やれやれ、またあの男が/帰って来たかと恐れオノノいた
でも大丈夫、誰もが一度は通る/エディプスコンプレックスってことですよ
ビービー、ビビッ、ビッビッビ、ビービー/ビービー、ビビッ、ビッビッビ、ビービ

何せ、口やかましく、怖かった/それが幼い僕のオヤジへの全印象
つまり今や絶滅したと言われる父権が/確実に生きていたことの証でありましょう
オバキュー読むな、ドリフ観るな/ご飯粒は残すな、なんやかやアレコレ
何かと言えばくだらん、くだらん/くだらん、あ〜くだらん、こらっ!!

しかしがなら彼も次第に/くだらんものの面白みを知ることとなり
ドリフにニヤつき、学生に倣って/駄洒落もたしなみ始めたようで
ある日、帰ってきたオヤジは/僕と弟をつかまえ得意げに
Uターン禁止のところでUターンしたら/警察にゆーたんねん、どやこれ、おもろいやろ、などと

とか何とか言ったって、何せ大学教授で、大手前高校及び
大阪大学卒の、子供の頃から/近所親戚に聞こえた大秀才
しかるに子供時代の僕が大学教授の息子としての/プレッシャーを感じていたかと問えば
そんな気配はおそらく/微塵もなかったかと思われ

思えば何から何までえ真面目一徹/書いて名のごとく“正”しい人
テレビドラマの中の悪役に/本気でハラをたててどなったり
歴代の日本の総理大臣がほとんどキライ/今はこの世にいなくても笹川良一が大大大キライ
鉄道好きだけにキセルは10円だって許すまじ/あ〜僕はと言えばキセルであちこち旅してた

とはいえ、家族サービスは/以外にまめな人、 海とか山とか、
夏休みになれば必ず/家族旅行に連れてってくれました
和歌山の串本や四国の日和佐/敦賀湾、愛知の知多半島、鹿児島の指宿、時には親戚一同率いて
考えてみれば実に面倒見のいい/バイタリティ溢れる父親でしたね

中でも毎年お盆に帰った/おじいちゃんの田舎の広島のは未だ忘れ難し
オヤジ、穂高と小川でヤマメを釣ったり/裏山にクワガタを採りに連れてってくれたり
ある時、オヤジと二人、木々を掻き分け/家の前の小山を探検した時
山深い小さな湖に真っ赤な魚が/幻のように泳いでいたのを今でも覚えている

そうそう、いつだったか家族旅行で/いい加減な観光バスのウンちゃんに
オヤジはブチ切れ、つっかかり/胸ぐらをつかんで怒鳴りつけた
相手のウンちゃんは大男で/オヤジははるかに小さかったけど
小学生の僕は、ドキドキしながら/おーパパカッコいい、って思ったもの

それに気が向けば寝る前に/添い寝して昔話なんかをしてくれた
僕も穂高もパパの甘い匂いと/その昔話が大好きだった
長じて気づけばほとんどのソースは/かの柳田国男御大の系譜か
幽霊滝の怪、とっつこうかくっつこうか/案山子人間、サメビトの涙、それにあ〜、蜘蛛の糸

なんせ柳田国男が大好きで/自分のペンネームも旭田国男
そんなミーハーなところも/僕に遺伝したらしい
僕のやたらとまわりくどい文章も/たしかに、確実にオヤジゆずり
オヤジのまわりくどい文章が/柳田国男ゆずりかどうかは、イマイチ分からない

思い出すのは、狭い団地の/壁という壁を覆った累々たる本棚
少しシッケたような紙の匂い/でもどこか心安らぐ本の匂い
なんせ、毎日学校帰りに/梅田の古本屋で何冊かは仕入れて帰ってくるんだからさ
オカンはいつも悲鳴をあげてたけど/その悲鳴はいつも諦めと優しさに満ちていた

本だけならまだしも、石ころ、貝殻/珊瑚のカケラ、流木、ガラス玉
カブトガニの抜け殻、トカゲのミイラ/サ店のマッチやコースター、鉄道のプレート
駅弁の包み紙、箸袋/絵はがき、由緒正しい郷土玩具ならまだしも、
あらゆるオモチャ、あらゆるオマケ/つまりあらゆるガラクタを集めまくってた

はたまたとてつもない機械オンチ/この世でさわれる機械はカメラのみ
ビデオの操作も覚えぬうちに/世はインターネット、IT革命、DVD時代へ
そう、まるで大きな子供/未だ自分のパンツのありかもわからない
男子厨房に入らずを図らずも実践した/いま時まったく希有なお方

あーそんなオヤジも/今や4人の孫に囲まれ、ジイジイと呼ばれるテイタラク
時はいつでもジェット機のように、誰も彼もを/同じスピードで遠くへと運んでいく
そして、この春オヤジは定年退職/その日は実にさりげなくやってきて、過ぎてった
いつかこっそり講義に紛れ込んでやろうと/思ってたのに、もはや叶わぬ夢

まあ多くは語るまい、僕は言わずと知れた/ロクでもないドラ息子ではあるが、
確かにオヤジの息子であることを/心地よく誇らしく感じている
今さら、何も言うまい、謝るまい/僕は言わずと知れた堂々たるドラ息子ではあるが、
確かにオヤジの息子であることを/心地よく誇らしく感じている

そう、ほぼ好きなことを生業として/生きてきたオヤジはやっぱりカッコイイ
オヤジのスピードには結局/僕は追いつけないだろう
あ〜、オヤジにはロックンロールなんぞ/分かってなくていいのだ
オヤジにもオカンにも/ロックンロールなんぞ分かってなくていいのだ

去年の春先、オヤジ、オカン/僕というヘンテコなトリオで
北陸は宇奈月温泉から青海海岸/早春の金沢の街を旅したね
見渡す限り貝殻と小石と/流木で埋め尽くされたシュールレアリズムの海岸で、
オヤジは未だ少年のように/流木を拾い集めてた、その姿が目に焼き付いてる

そして僕も身に沁みて/月日の流れを思い知る今日コノゴロ、
かつてオヤジ殿の先っぽから/ピュ〜ッとトビ出したささやかなこの僕めが、
今こうして、オヤジ殿に捧げる/歌をうたっていることのあ〜、摩訶不思議
人生とはいとおもしろき/あ〜そして同時に、いと哀しき、いとあはれ

鉄道好きで、オンナ好き/それより何より本が好き
そんなオヤジの想い出は/あ〜変調ベル鳴らしから始まる
ビービー、ビビッ、ビッビッビ、ビービー/ビービー、ビビッ、ビッビッビ、ビービー
ビービー、ビビッ、ビッビッビ、ビービー/ビービー、ビビッ、ビッビッビ、ビービー

さて、鉄道好き、本が好き/なのはともかく、オンナ好きに関しては
奥さまから物言いが/付きそうですけれども、ふと考えてみれば
そんなオンナ好きがともかくも/一生愛し、愛されつづけてきた
奥さまは大した女性/そういうことでしょう、これにて一件落着

そして、ああ、今でもたまに/どこからか聞こえて来るあの変調ベル鳴らし
ビービー、ビビッ、ビッビッビ、ビービー/ビービー、ビビッ、ビッビッビ、ビービー
はるこうろうのはなのえん/ねむるさかずきかげさして(※2)
ビービー、ビビッ、ビッビッビ、ビービー/ビービー、ビビッ、ビッビッビ、ビービー

(ウッディー)

※1/当時、オヤジは夜帰ってくると、こんな風にリズムを付けて家のブザーを鳴らすのがクセであった。
※2/オヤジの十八番であった「荒城の月」のはじめの歌詞。ビールで酔っぱらうと必ずこの歌を唸った。
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僕によるいきあたりバッタリな開会の言葉、弟のお子様による乾杯の音頭を皮切りとし、百夜月自慢のソバコースと共にパーティーは穏やかに進行。まやはこの場の雰囲気になじんでるんだかないんだか、せっせとソバコースを平らげている。オヤジに「彼女をみなに紹介せよ」と言われ、「どうも、僕の彼女です」と紹介。レスポンス少々。

ふと考えてみると弟は41歳、本当にいいオッサンになった。奥さんはかなりの美人だがウワバミらしい。妹は37歳、3人兄弟だが彼女だけ顔立が違う。オヤジ直径のクッキリ顔であり、ナカナカの美人。ダンナは宇田家になかったワイルド系。しかし、妹に似合うイイ男ブリだ。しかしながらみなさんちゃんと家族を養い、りっぱにやっている。オヤジもスゴイが彼らもスゴイ。

んでもって、彼らがセッセと制作した総勢4人のお子様たちは始終バタバタと大騒ぎ。弟の長男を除いて、僕が知ってるのはオクルミにくるまれた頃の姿くらいてな勢いであり、みんなデカくおなりになっていてビックリ。弟の子供が岳(がく/♂/8歳くらい)に成(なる/♂/5歳くらい)、妹の子供が皓紀(こうき/♂/6歳くらい)に玉江(たまえ/♂/5歳くらい)※漢字間違いご容赦。お年玉もロクにやったこともないのであるが、子供は子供、どのコも割合カワイイ。来年からはお年玉やろーかな。

途中、オカンの挨拶があり、その中で「パパも無事退職、来年は終生の住まいに引越して、子供たちも仲良く言うことがない、ただひとつの心配は珠樹が独身であること…」などと言ってしまい、一瞬その場に緊張した空気が流れるが、僕と来たらその空気でさえもちょい愉しんだりとか。まあ、まあ、オカン、穂高、花絵と2人もちゃんとやってんだからオレ一人くらいもーいーじゃん。欲ばり過ぎだよ。ラブライフにもいろんなカタチがあんだからさ、ってことで。っても先のこた分かんないからねー。

で、パーティーのテーブルの上にど〜んと置いてあるりっぱな額に入った妹の手づくりプログラムを見ると“おかあさんの挨拶”の次は“たまにいのうた”なぞと書いてある。

てな訳で僕はでっかいテーブルの上座に移動し、弟に持って来てもらったフォークギターを抱え、お子様達が興味シンシン見守る中、上記の「オヤジ曼陀羅」を約15分も掛かって長々と歌い上げたのである。歌が始まるとオヤジは僕が歌っているすぐ横の席に来て座り、ちょこちょこ歌詞カードを覗き込み、頬杖を付きつつ、途中、歌詞に何度も笑いながら、目を閉じてうなづきながら、最後までじっと歌を聴いてくれた。…いい話でしょ。

そして、お子様達は音楽が大好きである。でっかい音で鳴り響くギターとオレのがなる声は彼らにとって一種のお祭なのだろう、長い歌に合わせて一緒に奇声を発したり、ハーモニカを吹いたり、走り回ったり。僕も最後はギターを抱えたままテーブルの上に仁王立ちとなって、場違いなピート・タウンシェンドの如く腕を振り回してジャカジャカジャカジャカジャ〜ン!とフィニッシュ。なんなんだ、このオッサンは。

勢いにのってオヤジも僕のギターをバックに、十八番の「荒城の月」をひと唸り。ひとしきり盛り上がったところでパーティーは終了。いや、ぜんぜんシメっぽくなく、なかなかいいパーティーだったと思うよ。弟よ、幹事ゴクローサン、「そば切り百夜月(モモヨヅキ)」お世話さま、ソバうまかったっす。また機会があれば食べに来ますね。

宇田家の人々及びお子様達に延々バイバイしたあと、最後の方はほったらかし状態になってしまい、ちょいスネのまやの手を引いて近鉄奈良駅まで。でも、帰りの近鉄電車の中では寄り添って爆睡。まやもホントにゴクローサン。一番気使ったのは彼女に違いないだろうしね。

(ウッディー:06-06/09)
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※オヤジの公式プロフィール/

http://cache.yahoofs.jp/search/cache?p=%E8%BF%BD%E6%89%8B%E9%96%80%E5%A4%A7%E5%AD%A6+%E5%AE%87%E7%94%B0%E6%AD%A3&ei=UTF-8&fr=top&x=wrt&meta=vc%3D&yuragi=off&u=www.otemon.ac.jp/kenkyusha/uda_tadashi.htm&w=%E8%BF%BD%E6%89%8B+%E9%96%80+%E5%A4%A7%E5%AD%A6+%E5%AE%87%E7%94%B0+%E6%AD%A3&d=X8z4STmtMwy_&icp=1&.intl=jp

コメント(4)

この会の最中にオヤジが描いてくれたウッディーのポートレイト。
ある域に達していることが分かるペンの走りが見られる。
「オヤジ曼陀羅」CDジャケ

※ちゃんと録音してオヤジにやろうとジャケットまでは作ったが、まだ未録音。来年の誕生日までにゃなんとか。

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