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レコーディング&ライブ日記コミュのレコーディング日記 番外編 1986年5月11&12日

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 この日我々は元々他のスケジュールが入っており、サザンのレコーディングには参加できなかった。
 
 この日の作業は、ヨロシタ・ミュージック(当時の坂本龍一氏のオフィス)が坂本氏とデビット・シルビアンのプロジェクトのプリプロ用のために借りた月70万円というとんでもない高級マンションで、アーティストのH氏の次のアルバムのためのレコーディング作業だった。

この日プログラマーの藤井氏とエンジニアの飯尾氏が入り、Hさんのモチーフのようなアイデアを元に2人がそれぞれのスキルで音楽的な肉付けをして行き、8chのテレコで録音し確認して行く形で進められた。

当時私は発言権も役割もないただのローディーだったため口には出せなかったが、作業の流れを見てるとHさんは非常に断片的なアイデアだけ(フレーズであったりイメージであったり)を出すものの、それらを「実際の音楽」に落とし込んで作っているのは、藤井氏とエンジニアの飯尾氏であった事が何となく不可思議に思えてならなかった。

それはこのアルバムがHさん本人名義のものであり、彼のアルバムであったからだ。しかし実際の音楽的主体者が他の2名であったとすると、一体誰のアルバム制作なのだろう・・?とずっと疑問に思っていた。ただ藤井氏にしても飯尾氏にしても、もともとバンドをやっていた人たちだったから、Hさんを通じてサウンドプロデュースやアレンジに積極的に関わって行きたいという思惑もあったようだから、両者の利害が一致していたのだろう。

 ただソロ名義ならある程度の音楽を自分の力で組み立て、足りない部分を補ってもらったりするのが正論だと思うが、彼の場合は1〜2小節程度のメロをサックスで吹いたり口で伝えるだけで、あとの実質できなサウンド作りをしていないように思えた。バンドなんだという解釈もあるだろうが、実際はバンドではない。頭の固い私にはずッとこのセッションが不可解であった。

ただHさんが考え出したオリジナル楽器の音や彼の演奏が入る事で最終的には彼の世界観がはっきりと構築されて行くのは、やはりアーティストなんだなあ・・と感心したものだった。なかなか不思議なレコーディングだった。

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