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こんな小説、書けましてん♪コミュのおたんじょうび

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「今日は、私の誕生日に集まってくれて、本当にありがとう!」



誕生日とは、年に一度訪れる度に祝いの行事として、家庭でも何処でも祝福を繰り返すもの。

「咲花ちゃんも、これから立派な大人になっていくんだね?」

親友は、私にそう言って祝福してくれた。





歳を取るという事は、子供から大人へと変貌していく、という事。当たり前ではあるが、大人になるにつれ、失うものもまた次第に多くなっていくのも事実。

その失いを結局自分の中で消化出来ていなければ、祝いもまた空しいものでしかないのかもしれない。
例えば、幼さや憧れや童心やキラキラしたものは大人になればその現実を知り、空想なものがリアルへと変貌を遂げる。子供から大人になるという事は、いわゆる孤独に向けての旅立ちに過ぎない。仲間や家族というものも歳と共に周りから失ってくもの、だからいなくなるまでにその有り難みを知ろうと思っても、いて当たり前の環境の中ではそれが困難なのだ。

「もう二十歳だから、私も立派な大人になったなあ」

私は自信気に、周りの友人にそう言った。



大人になりたい時期も確かにあったけれど、大人になってしまった今、子供として生きてた時期がどんなに幸せだったかを実感して止まないもの。子供のままで何とかなるだろうと、社会にも顔を出さず家の中でゴロゴロと過ごす人も少なくないが、一度社会に出て、やがて配偶者と出会い、恋愛・結婚・出産を経ていくと、後に残されたものは育ちゆく子供の姿を見守る幸せと、社会から出て過ぎゆく老後の日々。これからどのようなドラマが待ち受けてるかも判らないけれど、自分が立つ今の立場というものは、逃れられない大人という枠組みでしかない。
大人に待ち受けてる社会と家庭。これらが備わって得た幸せというものは、一つのゴールかと思い込んでいた自分のふがいなさもあったが、実は意外にもスタートラインだという事を皆知らない。
子供から大人になる、その後を想像出来る人もまた、一握りもいない事だろう。むしろ大人になって成熟する事が一つのゴールだと皆信じているはずなのだ。

大人から老後。そんな壮大なテーマを二十歳そこらの大人に成りたての私たちが動揺しない訳がない。社会から逃げ出すように、もしくは大人からはみ出していたい願望が、今の若者からすれば世の中からいなくなる強行なる手段なのかもしれない。
子供の頃に何処か描いてた自分が大人として生きている想像の憧れも、リアルなギャップに裏切られ失いを遂げる。そんなリアルが誕生日の来る度に自分を襲うものだと認識していれば、自身を責める事も少なくなくなるのではないだろうか。認識していないと大人になるにつれ、見たくないものや知りたくなかったものに出くわした際、その精神的負担は増すばかり。

だから、世の中が悪いという概念は一度捨て、自分の立場や振る舞いをもっとしっかり持ちつつ見直していく事で、これからをうまく生きていけるのではないだろうか。

「おめでとう!」

拍手喝采の中、誕生日パーティーは盛大にスタートした。



誕生日を祝福される度に、私はあえて自分自身肝に命じる。

生まれた日が繰り返し訪れる事に毎度祝福してもらえるのかもしれないけど、その中に秘めた祝福の背景には、これから訪れる困難だとか失い事を誰一人からも教えてもらう事なく、自身の力で勇ましく生きていかなければいけないという決意だけを弁えていかなくちゃいけないんだ。

「今日は皆集まってくれて、本当にありがとうね♪」

私は涙ながらに、感謝の意を述べた。



人はいつの時代も、大人にならないでいいなんていう都合の良い選択肢なんてない。

それはイコール、社会からも家庭からもはみ出してはいけないという警告であり、覆らない覆せない現実なのだ。





「皆から何貰ったの、咲花ちゃん?」

「、みんな、、、」



リアルと虚構。

友人はリアルを拒んでくれる、大切な存在。だから、大好きなんだ。

虚構。嘘や普遍もまた、日常を覆してくれる、大切な刺激。



「ありがとう、、みんな」

私は、わんわん泣いた。



それはもう。

とっても、くだらない位に★

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