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無二会コミュの19年前の12月5日(土)

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 これは、19年前の短期講習会で記録したノートから転記しています。意味不明な箇所、間違った理解などあると思いますが、あえて当時のままを書き写しました。何も知らなかった若い季節の事とお許し頂き、あの雰囲気を思い出す一助になればと願っています。

昭和62年冬2組時間割より
5時半:起床
6時〜7時:勤行・法話
7時〜7時半:清掃
7時半〜8時半:朝食
9時〜10時半:講話 中村昌生先生 於 事務所3階
10時半〜12時:講話 川島将生先生 於 事務所3階
12時〜13時:昼食
13時〜16時半:稽古
17時半〜18時半:夕食
18時半〜20時:入浴
20時〜21時半:ミーテイング
22時〜:就寝


5時半〜昨日と同様暗い朝。意識半分飛翔のまま勤行。食事当番は3班。
     準備、後片付けなど生活に少し慣れてきて、参加者の顔や名前が
     一致しはじめた。食後にバタバタと着物を着るのは昨日と同様。
     慌てて小走りに事務局へ。

9時10分〜 京都工芸繊維大学 数奇屋建築 中村昌生先生

 「露地入りにてみること肝要なり」 利休
   (露地から全てが茶の湯だ)

  塵穴に花を生けた・露地は狭いが広い空間


*不審菴の外露地・中潜り・内露地(図に書いて説明)

*数奇屋造り : 江戸時代初期よりのもの

*桂離宮について :
 江戸時代の貴族が建てたもの。桂山荘といい八条宮智仁、智忠親王の山荘で
 あった。秀吉の養子だったが、子供ができたので秀吉が八条家をつくってくれ た。古今集の極意を伝える古今伝授を八条宮が頂き、源氏物語にも通じていた。

 月波楼(月をみる茶屋): 屋根がそりかえるのではなく、
                なだらかに垂れている(むくる)

*室床 : 床の間の奥の柱がなく天井まで土壁がある。
       山崎の茶室に利休が造った。


10時半〜 京都歴史資料館 川島将生先生

*寄合・環座の文芸:持ち寄った作品を互いに優劣を競う。はん者が決定する。

*家光(寛永文化):文化サロン的傾向・主客の寄合を特徴とする

*結座性(芸能において):より違ったものが生み出される

*14世紀頃より茶園が増えてくる。商品作物が増えてくる


<配布資料より>

二、茶寄合が流行しているらしいことが伺える(1334年 二条河原落書)

三、(太平記 巻三十三)佐々木 → 婆沙羅(ダイヤモンド)大名
       曲彔(きょくろく)→禅宗の丸い椅子の事

一、茶寄合などで大金がうごく賭けは禁止する法令・会所
                 →集会所・文芸活動を行うところ(建武式目)

四、(太平記 巻三十七)

五、(徒然草 百二十段)唐物荘厳に批判的、冷ややかな吉田兼好

六、(禅林小歌)

七、(教言卿記 応永十三年六月十三日)



*殿中茶の湯:室町御所の会所で行われる。足利義教が行う

*侘び・寂びについて(美の意識の変化)

   〜平安まで/ 美と侘びはあまりうかがえない

鎌倉初期1205年新古今あたりか/ 少し美と侘びを含んでくる

徒然草/ もっと強く侘びに美的部分が含まれてくる

室町半頃1400年代〜/美的な侘びとなる

応仁の乱以後 / 和(倭)学(文芸活動)がさかんになる。古典文学を戦国大名・
           武士がよく勉強する。三条西実隆が皆に声をかけた

文化の変革期/ 復古主義(先祖がえり)と、前を否定するものを同じ人達が行う
           矛盾。不完全な美の出現。


12時〜 昼食のため妙顕寺へ戻り、食後に家元稽古場へ集合。
      稽古場当番は、1・2班。

13時〜 家元新席での稽古始まり。
      A席(奥)・B席(手前)の二つの稽古場が準備された。点前・正客・詰客
      の稽古を全員がするように順番は各班で決めていた。午前・午後それ
      ぞれ4組が稽古で、私は6班。この日の午後3組、B席の正客が私の
      初稽古だった。昼食がのどを通らなかった。


点前稽古に入らない人は、稽古場の周囲に座り、じっと人の稽古を見る、ひたすら見る。未だかつてこんなに息をつめて人の所作をみたことはなかった。息をしていないかのようにじっと食い入るように見た。静かに張り詰めた緊張感のある稽古が始まった。


<道具組について> 夜のミーテイングでの説明から

*主茶碗*
・A席 長次郎「雁取写」弘入作
       利休が銘々した小振りな楽茶碗、茶碗をあげたらお礼に雁をくれた、
       それで茶碗で雁を取ったということで銘々。

・B席 大樋 黄金の楽に金色の線、飴ぐすり

*たばこ盆*
・A席 くし型 如心斎好 一閑作(黒)

・B席 松ノ木摺漆竹手付 惺斎好(濃い茶色)
       明治始めに米松が輸入され作ったもの。
       松のじんが出てくるため表面に漆を摺って塗ってある。
       大徳寺の五郎松が倒れてどうしてもだめになり作られた作品の一つ。

*掛物*
・A席 「本来無一物」古渡栄仙(一行)

・B席 「払拭」吸江斎
       父が亡くなる前に遺していく言葉として「時事払拭」という一言を妻に
       たくした。妻が子に渡した唯一のもの。
       (7歳の時に書いた絵に添えられている)

*替茶碗*
・A席 安南写し しぼり手 永楽正全作(染付けっぽい青で薄くにじんだ色)

・B席 薩摩色絵(こぶりで赤絵が描かれたもの)
        
*菓子器*
・A席 山中塗 独楽 惺斎花押(えんじと緑の色合い)

・B席 ごとう塗(彫って削ったような赤い塗物・紙の様にみえる)

*釜*
・A席 万代屋釜 「千里同風」即中斎好
       (万代屋に頼んで作った。環付が鬼面・釜に字が打ち出してある)

・B席 うろこ鶴

*炉縁*
・A席 松摺り漆 惺斎好(大徳寺五郎松で作られた)

・B席 如心玉・独楽つなぎかけあわせ 宗哲作

*水指*
・A席 萩焼 だるま(甕のようで、黒い力強さで釉が垂れている)

・B席 膳所焼 ねじぬき(黄色い木の根の感じ)

*主菓子* とらや製「雪小草」(じょうよ・漉し餡)
*干菓子* 祇園稚児餅 三條若狭屋製(まわりは求肥・櫛つき)

*干菓子盆*真塗四方盆 雪輪(黒い真塗に金で雪月花)

*棗*
・A席 吹雪 春慶塗(うすい茶色)
・B席 黒真塗

*風炉先*
・A席 独楽つなぎ(無地にうすい独楽つなぎの地紋)
・B席 桐 奥村吉兵衛作(枠は真塗り、桐が金で描かれている)

*茶杓*
・A席 惺斎自作 
・B席 即中斎自作

*火入*
・A席 ほや香炉(白地に貫入)
・B席 唐金(こぶり)

*こぼし*
・A席 えふご型
・B席 唐金(浅め)

*花入*
・A席のみ 竹一重切 椿・伊予の水引


17時半〜夕食。
    稽古場での本格的な稽古に緊張してか疲労感一杯だった。私はこの日
    正客の稽古にあたったが、菓子を取る時に手が震えていた。
    緊張と集中とで足の痺れを感じる暇も無かった。


20時〜ミーテイング 今日の稽古を振り返って 吉水忠雄先生

*人を招きおいしいお茶をだして喜んでもらう事が大切。

*お客様に至るまでの経過 → 置き合わせたり、動かしたりする動作は「早く」

*対お客様へのもの → 茶せん通し・お茶入などの検めは「ゆっくり」

*「めりはり」のある点前をする。訓練し、考えた点前を。

*自分がどういう格好で点前をするか、頭でよく考えて動く事。


*利休切腹の原因について

  1. 大徳寺の作りかけた山門の2階に利休の雪駄を履いた立像を建てた。
    しかし秀吉が山門を潜るためその頭を踏みつける事だと怒りをかった。

  2.秀吉からの橋立の茶壺の所望にうんと言わなかった。

  3.お吟さん(娘)

  4.朝鮮出兵

  5.家康暗殺計画への反対

*覚々斎のことば:「料理人ではない、料理を誉めるな」

*岡倉天心 The book of tea :
 人生というものの不可能な中で何かを可能にしようとするやさしい企てである。


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