ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

白粉花(おしろいばな)コミュのフィクション 15

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「シンプル且つ充分というところなんだが、これをわざわざ
設定しなきゃならない今っていうのはなんなんだろうね。
おたくが創った新しい世界が上手く回ってくれると良いなあ。
複雑怪奇な人間なんて、もうたくさんだ。」
「ほー、そんな厄介な生き物が、パソコンに文字を打ち込んだだけで
本当に変わるのかな。一体どんな仕組みになってるのか教えて欲しいな。」
やつはちょっと眼を瞑り「例えば集団催眠術をイメージしてもらうと、」
そこまで言って「いやぁ、こんな事解説してる時じゃないんだ。
設定を済ませようよ。」声に哀願の響きがある。

それもそうだ。私の所にこの話が回ってきたのは役人達が慌てた
結果のミスのようなものだ。ロクデナシ共に横取りされたりはしたくない。
一字一句間違わないよう慎重に入力し、完了ボタンを押す。
確認画面が現れる。ふと思い付き、訂正ボタンを選び人類設定欄の頭に、
「未来永劫」と書き加えてみた。
「やっぱりおたくも人間を信じきってはいないわけだ。
情けないがそれが正解だろうねえ。」

やつの言う通り、信じたいが信じられないのも事実だ。
画面の一番下に送信ボタンがある。一体誰が受信し、どんな処理を
するのだろう。深く考えると気が重くなりそうで、「まっ、いいか」
でボタンを押した。
「よし終わった。」そう言ってやつは自分のパソコンを閉じ、
私のパソコンを取ってあれこれキーを打ち「普通のパソコンに
戻しといたから使えばいい。」そう言いながら立ち上がり又握手をした。

そしてやって来た時同様、静かにゆったりと帰っていった。
ふと時計を見て、やつが現れて1時間も経っていないのに気付き、
笑ってしまった。あのゆったりした態度とその急ぎ振りのアンバランスが
おかしかった。笑いながら、笑っている場合じゃないと思っている自分が
もっと面白くてニヤニヤが止められない。
どうにもならない所に追い込まれると笑ってしまう癖が久々に出た。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

白粉花(おしろいばな) 更新情報

白粉花(おしろいばな)のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング