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白粉花(おしろいばな)コミュの台風

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第二室戸台風は9月16日にやってきました。
勿論臨時休校で雨戸を釘で打ち付け、灯りを附けた夜の雰囲気の中で
面白いラジオもなく退屈しきっていました。
けれど身を持て余していた間に風雨は強まって
多少の怖ささえ感じ始め、家の中をウロウロしている自分に驚く始末。
小さい頃から台風には慣れているのに、身体の奥から恐さが湧き上がるんです。
本能がこれから来るものの尋常ではないことを知らせていたんでしょう。

この汽車の家は、田んぼの中にぽつんと並んだ二軒の南側で
隣の家との間は3mほど。その通路みたいな庭に面して玄関があります。
そこを強烈な風が吹き抜けると、理科で習ったように気圧が下がります。
玄関にも雨戸があり、それも釘で敷居に止めてありますが外側に弓のように撓み
もぎ取られるのは時間の問題だとおもいました。

雨戸が無くなれば汽車の家ですから、どの窓もいっぺんんに吹き飛ばされるのは
確実です。そんなことになれば家は目茶目茶です。
風下のトイレの小さな窓から這い出て玄関にむかいました。
そこまでの長かったこと。戸袋やちょっとした出っ張りに指を掛け、
やっとの思いで玄関にたどり着き、背中を雨戸に押し付け足を踏ん張っていました。
解禁シャツと学生ズボンが風にはためき痛いのですが、何よりも雨が真横に飛び
左耳に流れ込んできます。鼓膜が水圧で破れやしないかドキドキしました。
瞼が風でめくれ、雨というより滝に顔を横にして打たれたらこうに違いない
、という感じです。何もかも歪んでしか見えないし
右耳から聞こえるのも滝の近くで味わう「圧力」としか表わせない音の様なもの
です。

それでも慣れとは恐いもので、自分がはだしなのに気付き、強烈な風の正体は空気の激しい流れというより、塊になった空気が飛んでくるもんだ、などと思いながら立っていられます。そして恐ろしさも消え、「自然って凄い」を頭の中で
繰り返し、とんでもなく感動している自分に気付き、すばらしい体験に感謝していました。

何分くらい立っていたのか分りませんが、あっという間に風と雨が止み
「目」に入り、又あっという間に暴風雨です。
ただ慣れのせいではなく、吹き返しと呼ばれる後半はとても弱く時間も
短かったように思います。

11人の犠牲者が出たあの台風の中で怪我一つしなかったのは奇跡かもしれません。まだ少し強い風の中、見渡す限り水だけで、大きな鮒が群れになり泳いでいました。

コメント(3)

臨場感あふれる文章についつい引き込まれてしまいました。
映像が目に見えるようです。
男の子はすごいですね。
我が家を守るために 身体を張って玄関の雨戸を押さえていたのですね。さすが 逞しいです!!

当日の我が家は 早朝には台風の気配がありましたが まだ雨が小ぶり状態だったので母は小松島高校の日直にでかけました。おじいちゃんが 「生徒も出てこないのだし、先生も出なくてよいのではないか!!」と引き止めたのですが義務感の強い母は傘をさしてレインコートを着てでかけました。父は前日から国鉄で宿直でした。

午後になってだんだんと暴雨風が強くなり、我が家の玄関も急激に浸水しはじめました。父も仕事で出ています。姉は東京です。

家に居るのは おじいちゃんと おばあちゃんと わたしだけです。台風には慣れているとはいえ、その日の浸水状態は異常に速かので 尋常ならぬ気配を察知したおじいちゃんの「あぶない!!」という声を合図に 3人同時に動き始めました。

そうです。大切な荷物を1階から2階に上げるのです。私は学用品を一番に2階に運び(当時の子供の常識だったと思います)ました。 次におじいちゃんが一階の押し入れの中の中段の布団を2階に運んでいるのを手伝いはじめようとしました。
 すると おばあちゃんが 「順番が違う!!」と叫びました。「ひろこちゃんは アルバムを2階にはこびなさい!!思い出が大切。濡れたら撮り返せない!!」と叫びました。振り向くと おばあちゃんが本棚の下段に置いてあるアルバムを抱えて2階に運びかけていました。 気付くと見るみるうちに 畳がプカ、プカ〜と浮き始め 床上60センチの大浸水となりました。
 犬のキャンディーはわたしが2階に上げましたが、その時 外出していた猫のミーちゃんは 引き出しを抜いたタンスの中に船酔い気分で乗っていました。その時気づきました。 動物は本能で身体が守れるのだと。そして驚きもしました。
わたしは玄関にも下りたので胸下まで濡れていました。

夕方になり 、小雨になり父母が驚きながら帰宅しました。
高校は浸水しなかったそうです。
まさか 我が家がこんな状態になっているとは予想だにしなかったそうです。当時80歳だった人様がおっしゃっていました。こんなことは初めてだと。

あの時、やそじいさんは身体を張って家を守っていたのですね。
わたしには できそうもないことだと感心しました。

少しのコメントを書くはづだったのに、こんなに長くなってしまってゴメンナサイ。大変失礼なことをしているのではないかと思いつつ、当時の第2室戸台風は小松島を直撃しましたね。同じ経験をしていたので恐かった、凄かった、思いが甦り こんなに長くなってしまいました。本当にゴメンナサイ。
ゴメンナサイの意味が良く分らない。
失礼どころか大歓迎。

あの日の事を同級生たちに聞いて回ったら
面白そう。日開野近辺は町より高かったのかなあ。大川が排水してくれた?
不幸中の幸いは駆け抜けてくれたこと。
あんなのにのたくらされたら、どれほどの
被害がでたことか。

おはあさまも素晴らしい方だったんですね。誰にでも言えることじゃない。
第二室戸台風・・何となく覚えています。
昔の台風は地名で覚えやすいですね。

我が家を体をはって守るなんて、男の子だからってできることではありません。
やそじいさんは責任感の強い逞しい精神の持ち主なんだと思います。

私が覚えている大きな台風は伊勢湾台風だったと思います。
日本列島を北上しました。

台風の目が通った時のことも覚えています。その間に近くのお店に切れていた蝋燭を買いに走りました。

空は赤茶色に曇っていて、気持ち悪い静けさでした。気圧の底にいるわけですから、空気も不思議な感じでした。

その中を一人で外で耐えていたなんて、想像できません。

今更ながらお疲れ様でした。

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