Deeeeep NY　女の夜遊びコミュのその3：ひと夏の経験の巻

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ひと夏の経験の巻
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その２：ひと夏の経験の巻
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はじめに

スティーヴン2に飲みに行こうと誘われ、セックスを想像する菊楽恵。
しかし、 バーに行くかどうか即答できない。
なぜなら、スティーヴン２はバイセクシャルだから。
男とも関係を結んでいる事実を認めることができるか？

＊＊＊

ストレートの男もバイセクシャルもゲイの男性も男である。
結局、男は浮気する生き物だ。
いや、気が移ろいやすいニュアンスの浮気という言葉は適切ではないと思う。
気が移ろいやすいのは、女性の方だと思う。
男性は気が変わるのではなく、種を方々に撒くように子孫繁栄の摂理からできているから種を撒く対象の体が移るだけで気は移らないと思う。
ただ排出したいだけ。
そう思えば彼らの行動は納得いく。


そう男はいろんな所に種を撒きたい。
そならば、同性の女と浮気されるよりは男性とセックスしている方が感情的にはまだいいかもしれないと思うのだ。
なぜなら、同性である女性ならばライバル意識、闘争心が丸出しになりそうだから。
嫉妬の炎で収拾つかなくなる可能性が想定できる。
男性ならば比較の対象外だと私は思う。

結論はボーイフレンドである相手のことが好きならば、男と寝ようが女と寝ようが構わない。
ただし、条件がつく。

その条件とは、自分が知らなければいい。
病気をもらって来なければいい。


だから、まずはスティーヴン２を好きか好きじゃないかが問題であって、彼がバイセクシャルであることは問題ではないと思うのだ。



スティーヴン２に対して私はどう思っているか？


好意がある。

声も高めで、私的には心地よいチューン。
金髪でブルーアイで雪だるまのマゾ。
こんな逸材そうそうお目にかかれるもんではない。
「ふ〜ん」という時に左手の中指を顎につける芳村真理のポーズがかわいぃ〜〜いぃ〜！
彼とだったらセックスしてもいいと思う。
ボーイフレンドになるかならないかは、セックスしてから決めるではどうだろう。

私がその気でも彼は何とも思わないかもしれない。
まずはSMプレイ後の高揚感をセックスに持って行くのだ。
SMプレイそしてセックスから始まる関係もあってもいいはずだ。



だから、セックスする気合を込めて一緒に飲むことにした。




＊＊＊


飲みに行った場所は、ゲイバーだ。
私もゲイバーが好きだし、スティーヴン2は男とも寝るバイセクシャルだからゲイバーが嫌いな訳はない。寧ろ、大好きだ。
好きなものが一緒というのも重要だ。


スティーヴン２とカウンターに座って飲む。
私がオーダーしたのはドラフト・ビールのサミュエル・アダムス。
1パイント。
スティーヴン２はマルガリータをオーダーした。


暑かったので、ぐいぐい飲んだ。


バーテンダーのお兄さんが私のコップにビールを継ぎ足してくれた。
「私がかわいいから？」とおちゃらけて言ってみた。

おちゃらけるという行為自体、ビール・ゴーグルがそろそろの準備体勢が整ったようなものだ。
カウント・ダウンは始まっている。

10！


嗚呼、虚しいかな。
彼の答えは、「泡の分入れただけさ」とぶっきらぼうに言われた。
「そうよ〜」と英語版のおねえ言葉で返って来ると思ったのだが。

バーテンダーのお兄さんはアジア系だ。
大抵、アジア系はアジア系にやさしいが、彼の場合は違ったらしい。
私が女だからか。


それくらいでと言われそうだが、かなり傷ついた私にスティーヴン２はやさしく「気にしなくていいよ〜」と言ってくれる。


私たちの後ろではスーツ着用のビジネスマンが、若い大学生風のピチピチTシャツ着用の男の子とキスをしている。


キスをしている姿を見るだけも興奮する時がある。
もちろん、している人と時と場所によってだが。
電気が煌々としている電車の中のキスシーンはいただけない。
やはり、暗がりの照明でないといけない。
興奮するには環境が淫微でなければ。

私の興奮アイテムであるビジネス・スーツが引き金となり、
２人のキスシーンを見てさらにドキドキする私。


で、さらにビールを飲む。

ビール・ゴーグル装着までのカウントダウンは一気に9、8、7、6をカウントして5まで来た！


ビジネス・スーツのゲイマンのキスを見て影響され私もキスしたくなる。
まだビール1杯も飲んでいないのだが、今夜はかなりアルコールが効いている。


あ〜！キスしたい！


しかぁ〜し、まだまだ自制心があるし、スティーヴン２が白馬にまたがった王子様に見えるまでもう少し飲まないとだ。

スティーヴン２にどんな男の子が好きかを質問してみる。
「フィリピン人が好きなんだ。肌がスムーズだからね」と言った。
私にぶっきらバーテンダーのお兄さんは見るからにフィリピン人。
「じゃ、彼は好み？」
「うん。そうだね」
「してみたい？」
「うん」。


フィリピン人というキーワードを聞いて、私は一挙に過去に連れ戻された。
嫉妬を感じる暇はなかった。
私はかつてフィリピン人のトランスセクシャル（性転換手術をした人）のリリー
を好き
になったことがあった。
六本木のおかまバーで働いていた。
家族のために日本は東京に出稼ぎに来ていたリリー。
誰よりも美しかったリリー。

このお話のリンクこちらにどうぞ！
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=10958532&comm_id=1323829
『完結編：NYで世界各国の最高の最高学府に振られる！の巻』

「リリィ〜！今、どこにいるの？」
数年後、東京中のゲイバーを探した思い出がある。


過去の恋の苦しみとスティーヴン２と好みの国籍が一致！？したことで更に彼への想いが一挙にド〜ンと上がり、ビールを飲み干す。


ビールゴーグル装着までのカウンタダウンは４！



＊＊＊


ここで飲んだ量はビール1パイントだが、これで結構酔ってしまう。
しかし私の飲みのパターンとしてこれ以上飲んでもしばらく同じ状態が続く。
だから、ビール・ゴーグルまでには時間も量も必要だ。

ところで、ビール・ゴーグルを待ち望む自分がいる。
アルコールの酔いがなければキスもセックスもできない。
それは素面の自分では恥ずかしいからだ。
セックスとは非日常なことだ。
自分を高めないとできない。


お酒を飲めない人がセックスをする時どう自分を高めるのかいつも気になっている。


脚をあんなに開いたり、腰をあんなに激しく振る男を受け入れるためには日常世界から簡単に逸脱できるアルコールが必要だ。

排出を目的としている男を少しでも美しくハンサムに見えるためにはビール・ゴーグルは必須アイテムなのだ。



＊＊＊


ビールはお腹いっぱいになってしまうという難点がある。
ゲップも出て来てくるので、２杯目はピノ・グリージョを注文する。
赤はお歯黒になってしまうという難点があるので、最近はもっぱら白をいただく。


ピノ・グリージョを飲み、ビール・ゴーグルまでのカウントダウンは２まで！

スティーヴン2の周りにスモークがちょっとだけだが見えてきた。彼の瞳の中には宝石が光っている。しかし、ブラット・ピットに見えるまでになるまでにはまだまだな状態。


ところで、私は学歴でも萌える！
イェ〜ルかハーヴァートだったらいいな。


「ニューヨーク大学」との返事。


NYU（ニューヨーク大学）。
今夜、脚を開いてもいいだろう。


覚悟は決めた！

今夜、私はセックスをする！
絶対する！
しなくちゃ！
なにがなんでも！


雪だるまのスティーヴン２と！バイセクシャルでしかもTOPのスティーブン２と！


仕事は何をしているのかも聞いてみた。
ファイナンス系で年収ハーフミリオン。
日本円でいえば６千万というところか。


年収６千万ならば、もう1杯ピノ・グリージョをおごってもらっても彼の財布は痛まないだろう。


バーテンダーに「もう1杯」とオーダーするが、スティーヴン2は「ボクはお酒飲むの好きじゃないんだ。頭がクリアじゃないと嫌なん
だよ」とのコメントは、私のような酒飲み女は嫌いということ？
しかし、彼は気前良く支払ってくれた。

２杯目を飲む。

金に目がくらんでもいいだろう。
目がくらんだ私を誰も責められない。
私たちは物質主義の世界に住んでいる。
お金がなければお酒も飲めないし、ネットもできない。
年収で脚を開いて悪いだろうか？
いや、悪くない。
寧ろ、開くべきだ！


多くの女性が結婚の条件を高収入と言っているが、それはまさに私と同じ、脚を開くための条件だ。言い方が異なっているだけ。
バイセクシャルだろうが構わない。
男と寝ても私を愛してくれるのならば。
（って、まだ愛してくれるかどうか分らないのだか。酔っているので先走りは止められない）


２杯目がグラス半分になった。

カウント・ダウン再度開始！

……ツー、ワン、ゼロ！



発射ならぬ装着！


ビール・ゴーグルが装着された！


あらっ！
私の隣に座るのはプリンス・チャーミング？
ブラット・ピット？


長い旅だった。
私の隣に王子に会うためにこれまでイバラの道を歩んだのね！


迷いはない。


何十人いや何百人の男の肛門＆女の膣に挿入したであろうペニスを今夜、私の体に受け入れるのだ！

スティーヴン２よぉ〜〜！

とっ〜〜〜ても久しぶりなので、やさしくしてね！


………と自分の世界でドラマしているが、なかなか彼は「ボクの部屋に来ない？」と言ってくれない。


あ〜〜〜ん。誘って、誘って、誘って、スティーヴン2！


誘ってくれないなら私の方から誘うしかない。
古典的な方法はどうだろう。
「今夜は帰りたくない」と言ってみようか。

ビール・ゴーグルが装着されているので躊躇はない。
「今夜、一緒にいたいわ」と直球で言う。
私のアパートでもいいのだが、私は片付けられない女。
部屋は爆発！
真実の私を見せるよりは彼の部屋か、どこか素敵なホテルに！

スティーヴン２の返事は………いかに！？


ドキドキの瞬間。


スティーヴン２の目の色が急に変化した。


「姫、私のお城に参りましょう。私の姫、私はいつでもあなたの下僕でございます」。


「今夜、一緒にいたいわ」とかわいく言ったつもりが命令口調だったことに気がついた。
私は彼に「私と一緒にいろ！！！！」と言ったのであった。
("I'd like to stay with you."と言うつもりが"Stay with me!"だったのだ！）

あっ！そうだ！　彼はマゾなのだ。
マゾのスイッチがオンされたのだ。
SMプレイの続きが始まった。
私の命令が彼のハートに火を付けたのは明らかだ。


スティーヴン2のキャッスルに行くことに！
それもニューヨーク名物の馬車で！
パカパカ〜！

つづく！






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