Deeeeep NY　女の夜遊びコミュのひと夏の経験の巻

緊縛写真家スティーヴン・スペリオーティスが主催するルーフ・トップ・パーティーに出掛けた。

彼はミートパッキングディストリクトにギャラリーを持っている。
その建物の屋上でパーティーをするのだ。パーティーと英語でいうと豪華な響きだが、早い話が宴会だ。
そう夏の納涼飲み会のようなものだ。
アメリカの典型的なパーティー（飲み会）は立ち飲みだ。

パーティーで声を掛けてきた黒人の男性。歳の頃は30代前半だろう。

大きい。

体が……。
２mはありそうだ。

ところどころに日本語混じりだったので、日本人の彼女がいるか、日本人の女性と付き合っていたことがあるかのどっちかだろう。
オリエンタル系に興味がなければ私に声など掛けるはずがない。

ビデオカメラを持っていて、さっき、ヒスパニックの女性を撮っていたのを見かけた。
その姿が好色爺（スケベ・オヤジ）そのもので、しかも只ならぬ雰囲気を醸し出していた。
私はカメラなど向けられるようなフォトジェニックではないので、もちろん「写していい？」なんてことは聞かれることはなく、彼は単に日本語を交えてしゃべりたいのかもしれない。

「写していい？」なんて言われたら、舞い上がって、あんなポーズも、こんなポーズもしてあげるのに。世のエロ・カメラマンは分っていないな（笑）。

＊＊＊

スティーヴン・スペリオーティスの緊縛写真家という職業柄、彼の知人にはセックス産業の関係者が多い。
だから彼もその関係者なのだと思う。

いい加減に「ふ～ん」とか「へ～」とか、適当に彼のニホンゴの練習に付き合っていた。
彼の山のような体の背後から、これまた小さな球のような白人男性が現れた。

マウンテンのような黒人男性の名前はロイ。
小さな白人男の名前は、同じくスティーヴン。
紛らわしいのでスティーヴン２(Two)と名付ける。
アメリカ人の男性は大抵が、ジョン、デヴィット、スティーヴンだ。

小さなスティーヴン２は、顔と体をつなぐ、首というのが見えない。
見えないというよりは、ない！？

顔もまん丸で、体もまん丸で、肌も白いし、雪だるまみたいだ。
金髪碧眼の雪だるまくんだ。
体が小さいこともあるのだろ思うが、声がとっても高い。
身のこなしが、くねくね～、なよなよしている。

「あっ！彼って、ゲイ？」

でも、ファッションセンスが※ストレート男の匂いがする。
黒いシャツにジーンズなのだが、イマイチ、いけていない。
多分、体へのフィット感が足りないのだ。

日本人でも手先が器用でない人がいるように、黒人でも音痴な人がいるように、ゲイだからファッションセンスが良い人ばかりではない。

＊＊＊

～突然ですが、言葉の説明をしよう～

言葉の意味が分からないので、説明してくださいという要望があったのであ～る。

※ストレート男とは？
異性愛の男性／女性を英語では、a straight man/woman。
ヘテロセクシャルともいう。heterosexual。

※ゲイとは？
同性愛者を英語ではGayという。　形容詞としてmanとwomanの前につけて、ゲイ・マン、ゲイ・ウーマンと男女ともに使う。ゲイと単独で使えば、男性の同性愛者を意味する場合が多く、レズビアンといえば、女性の同性愛者をいう。
同性愛者のことをhomosexualともいう。

※バイセクシャルとは？
男女ともに愛することができてメイク・ラヴをする人。

＊＊＊

私は、男らしい男が好きではない。

野球を観戦に行って、「ウッ！ゴッオォォォォ～」と両手を挙げて雄叫びを上
げるタイプや根性！闘魂のスポーツ命の男よりは、読書をしたり、絵画を観賞したりするような文科系の、ま、いわゆる、なよってしていると言われればそれまでだが、そんな男性が好きだ。
それは小学生の頃から。「男女」と言われて、ジャイアンのようなガキ大将の男子からいじめられている男の子に胸をときめかしていた。
半ズボンの隙間から見える、パンツからはみ出した玉にときめいたりしていた（小学校四年生）。

ニューヨークにおいては、私のタイプである、そういう趣味で、半ズボンとハイソックスが似合うなよ～としている男性にはゲイが多い。
だから、惹かれてしまうのはゲイの男性ばかり。

アメリカは西部開拓の精神が基本にあるのか、男らしくマッチョであることを要求さ
れているような風潮があると思うので、文科系の男性が生きにくく、自分の個性を表現するのが難しいのかもしれない。

＊＊＊

しかも、小さなスティーヴン２は、「ふ～ん」という時に左手の中指を顎につける。
その昔、お若い方は知らないだろうが、フジテレビの月曜夜10時に『夜のヒットスタジオ』という番組があった。
司会者の芳村真理が「どぉ～も～～」と言いながらしていたポーズだ。
それを小さなスティーヴン２はする。

かわいぃ～いぃ～。

高い声とその仕草に私の鼓動は早くなる。
金髪の髪は前髪が長めで右分けの髪型。目は、まさに碧眼という言葉が生まれたのは、紺碧の空のような色だからだと思わせるブルーアイ。
雪だるまのような真ん丸い姿は、マシュマロマンみたいでかわいい。
かわいい。
何度も言ってしまう。
かわいい。
私の場合は、筋肉隆々の体よりも愛らしい姿に男性としての魅力を感じる。

スティーヴン２がゲイだったら……？

報われない。
諦めるしかない。

どんなに酔ってビール・ゴーグルを掛けても彼は女の私にはムラムラしない。
私が最高にムラムラしてもだ。
それは変えられない事実。
こんなにも胸がときめいてしまうということは、
スティーヴン２がゲイの可能性は99.999％ということだ。

嗚呼！またしても、報われない男に胸をときめかしている私。
自分の好みを変えないとこのまま一生セックスしてないで私の人生を閉じることになるだろう。
でも、好みを変えるのは簡単ではない。
自分ではコントロールできない、体の奥底から湧き出てくる泉のようなものだから。

諦めるのならば早い方がいいだろう。
スティーヴン２がゲイであることを確かめて、私はあっさり引き下がる。
またしても好きな男がゲイでした！
これをネタにブログが書ける。

本人に聞く？
それともスティーヴンに聞く？
聞かずに、このまま一人で胸をときめかして楽しむだけ楽しめばいいだろうか。

……一人で葛藤している間に……、

マウンテンのような黒人男性ロイが、私が葛藤している間に、小さなスティーヴ
ン２を縛っていた。
ロープで。
それも黒色の極太のロープでだ。
何という縛り方は知らない。
股間の方にもロープが回っている。

ただの納涼大会だとは思っていなかったが、こういう展開になるとは想像もしていなかった。

小さな白人スティーヴン２と彼を縛るマウンテンのような黒人ロイはもしかしてカップル！？
そう見えた。
男が女を縛らずして、男を縛るとは、それが答えだ。

カップルでないにしても２人の間には親密感がある。
肉体関係があるカップルから漂ってくるのと同じだ。
これで小さな白人スティーヴン２がゲイであることは決まった！

私の恋は10分足らずで結果が見えた。
あっけない。

ロイの手に乗ってしまうかもしれない位のスティーヴン２は彼の手乗り文鳥だ。
ロイの恋人だと分かっても、かわいいぃ～という気持ちは変わらない。

黒人ロイが私に「コレで叩いてよ」と棒を私に渡してきた。
「えええええ～？」
ロイは日本語で言う。
「タタク！オケツ！タタク！オケツ！」

オケツという言葉。久しぶりに聞いた。
きっとロイの日本人の彼女か元彼女が教えたのだろう。

スパンキング（お尻を叩いた）ことがあったが、それきっりだった。

こちらをご参照ください。

SM! 痛い愛？！NYのサド公爵とデートの巻
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=16077736&comm_id=1323829

黒人ロイは私に叩き方と叩いてもいいお尻の位置を教えてくれる。

これも、ひと夏の経験だ。

叩いてみよう～！
とバシッと雪だるま手乗り文鳥スティーヴン２の尻を叩く。

「キャァ～ァァ～～」とその叫ぶのだが、それが、かわいい。

また、ときめく。
報われないと知っていても。

山のような黒人ロイは、股間に回しているロープをギューと引いく。
スティーヴン２の股間にメリメリとロープが食い込む。
またまた「キャァ～ァァ～～」と更に甲高い声で叫ぶ。

「こうしたらこいつが喜ぶからやってみて～」と言われたが、山のような２mもあ
るロイが引くのと筋力がない私がするのとではパワーが違う。

股間に食い込み方が、うまくいかない。

「More more and more（もっと、もっと、もっと～）」
とスティーヴン２が甘えた声でおねだり。

ロイが私に言う。
「黙れ！チビ！デブって言ってあげてよ。喜ぶから～」。

「そんな～ヒドイこと言えません」
「いいから言ってよ」とロイに促されて、
しぶしぶ言うとスティーヴン２が「ヒドォ～イ！あ～ん」と涙を流す。

何、これ？
演技？

お尻を叩かれて、酷いことを言われて、泣いているスティーヴン２。
もっととおねだりする姿は喜んでいるとしか言えない。

彼の要求に応えようと私も一生懸命にあ～でもない、こ～でもないと棒でお尻を叩く。

ふと、小学生の時に流行った遊びを思いつく。
浣腸だ！
両手の人差し指を合わせて思いっきり彼のお尻に突き刺す。

ズボッ！
入った。

小学生時代も試みたことはあるが、ここまでうまく入ったことはない。手応え十分。
「ひぃ～～～」と喜ぶスティーヴン２。

気が付くと、他の人々が私達の周りを囲んでいる。

＊＊＊

人に喜んでもらえることの喜びを味わい、人に見られている緊張感で充実した気分。
ご奉仕の喜びとはこのことなのか？

山のようなロイが今度は小型のバイブレーターを取り出して、「これで奴の右乳首を刺激しながら、左乳首をぎゅぅうう～とつまんであげて」
とデモンストレーションする。

「あっはっはぁぁ～」とAVビデオもびっくりな声を出す白人スティーヴン２。

言われた通りに雪だるま白人スティーヴン２の乳首を刺激。
断れない状況というよりは次第に乗ってきている自分がいる。

体も丸いので胸も結構ある。
こんなに胸のある男性のを触ったことはない。
しかし、女性のように柔らかくない。
硬い。
私は私でスティーヴン２の乳首を責める！
ロイは棒で雪だるま白人スティーヴン２のお尻を叩く。
両方に責められて、雪だるま白人スティーヴン２は泣きながら喜んでいる。

＊＊＊

納涼大会でビールを飲むつもりが、SM大会になってしまうとは！

前回のアランと全く違って楽しかった（SM! 痛い愛？！NYのサド公爵とデートの巻）。
それは山のようなロイがいろいろ教えてくれたからだと思う。
一見、怖そうな彼だが、
それに雪だるま白人スティーヴン２が私のハートをくすぐるタイプだったからだと思う。

縄から解かれた雪だるま白人スティーヴン２。
「終わったら、抱き締めてあげて、体をさすってあげるんだよ」と緊縛写真家スティーヴン・スペリオーティスから言われた。

後ろから抱き締め、全身を両手でさする。

スティーヴン２は汗ばんでいる。
雪だるまだと思っていたので、プヨプヨしているのかと思ったら体が硬い。

彼を抱きしめながら、雪だるま白人スティーヴン２と私の間には連帯感が生まれた、そんな気がした。
絆のような、見えない糸のようなものだ。
椅子に隣同士座った。
「ありがとう、ありがとう」と雪だるま白人スティーヴン２が私の手を握るが、そ
の手を離そうとしない。
ずっと握ったまま。
彼もそう思っているのは確かだった。

手はとっても小さい。

「初めてだったから、うまくできなかった。ごめんね」と私。
「そんなことなかったよ。ぼく、感じたもん。でも、練習すればもっと上手になるよ」
「そっかぁなぁ～」
「そうだよ」

雪だるま白人スティーヴン２はギュッと私の手を握る。
そんなことをして私をその気にさせるのは止めて！

私が愛しても、ムラムラきても、そうアナタは女を愛せないゲイ。

「お尻の穴の責めも良かったよ」
人間、何でも褒められるのは嬉しいものだ。
例え、浣腸でも。

「スティーヴン、個人的（パーソナル）な質問なんだけどしてもいい？」
「いいよ。何？」
「ロイはボーイフレンドなの？」
「ううん、違うよ。」

ボーイフレンドというコミットしていない関係でも、セックスは定期的にしている間柄かもしれない。

セックスフレンド以上恋人未満。

「それに、ボク、★★じゃないよ」

えっ？　★★じゃない！？

聞き返してみた。

「ボク、ゲイじゃないよ！」

きゃぁ～～～！

スティーヴン２はゲイじゃなかった！

ゲイマンのように見えるが、ゲイじゃないストレートの男にとうとう出会えたのだ！
神様、ありがとう！

それも受け身のマゾ！
金髪碧眼の雪だるま。

「ボク、バイセクシャルなんだ……！！」

「ヘッ？」

つづく。