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Deeeeep NY 女の夜遊びコミュのその3:酒とナンパの日々の巻

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★☆この回から初めて読まれる方へ★☆

連載形式になっていますので、お手数でもさかのぼってお話を読んでみてください。

酒とナンパの日々の巻
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=20594430&comm_id=1323829

その2:酒とナンパの日々の巻
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=20894524&comm_id=1323829


***

はじめに

新聞の恋人募集欄で応募してきたギブソン教授とエグゼクティヴ73歳とも会った菊楽恵。しかし、好きになる男性に出会うのは本当に難しい。そして今度は自らナンパした若い東欧系の男イーサンから会うことに……。


***


イーサンから30回目のコールは午後だった。


私もよく覚えているものだ。
30回も電話をくれるというのは中々できない。
片思いの男に30回もデートの誘いの電話したことがあるか? 
それはない。
好きな人に電話をして声を聞きたい衝動は誰でもあるだろう。
しかし、しつこくすればするほど男は逃げて行く。
男は狩人(ハンター)だからだ。

イーサンは自信があるのだ。俺は好かれているという自信だ。
ナンパしたのは私の方だからだ。
揺るぎない自信が電話をかけさせるのだと思う。

イーサンから30回目のコールで、彼と会う事を決めた。
ナンパしておきながらなのだが、酔いが醒めるとすっかりその気も失せて、しか
も電話で話していて、本は読まないし、映画も観に行かないことが分った。
そこが気に入らなかった。

でも、付き合ったのなら、映画も一緒に観に行こう!と言えばいいし、本も読めばって勧めればいい。自分の好みの方向に上手に持っていけばいいことなのだ。

しかし、忘れていけないことがある。
彼は私のタイプのかわいい外見を持つ。
だから、付き合うことを求めずに、セックスだけでいいとも思うがそういうこともできない。臆病だからか?
いや、それじゃない。男性を受け入れたら、好きになってまう。
友達は健康に悪いからセックスはした方がいいと「すること」を勧めるが、
そうは簡単に私の場合はいかない。
するならば好きな人じゃなければイヤだ。


車で迎えに来ると言う。
それに私が行きたいところにどこでも行くよと彼は言う。


私がナンパした外見がタイプの男でも、自宅の住所を教えるのは躊躇した。
そりゃそうだ。
怖い、怖い連続殺人犯かもしれない。

イーサンが迎えに来れるのは深夜零時を過ぎてからだと言う。
仕事のシフトが遅番なのだと言う。イーサンは大学で働く職員だった。

「車で迎えに来なくても大丈夫。近所のバーで会おう」と主張した。自宅を知られるのを回避しようと必死だ。
バーで会うとしても、素面の状態で彼に会ってみたかった。



***


その夜は、雷鳴も轟き、どしゃぶりだった。

人生とは不思議なもので、なぜだか、あまり行って欲しくない方向に向かってしまうことがある。

イーサンから電話がかかってきた。
「雨が酷いから、やっぱり車で迎えに行くよ」。
それでも私は頑(かたくな)に断った。

「大丈夫。安心して欲しい。こんな深夜の雨の中、歩かせるのはできない」と言う。
殺人犯があなたを殺しますなんては言わない。でも、自分の勘を信じることにした。

彼が車で迎えに来てくれることが決まり、最初に私の頭に浮かんだのは、


車……。
密室。
カー・セックス……。


そう考えない人はいるだろうか? 
考えるのは私だけか?
みんな考えるに違いない。
さっきまでは連続殺人犯人だったらと考えていたのに。
ま、いつもの私のパターンではあるが。


まかさの時を考えてバッグにはコンドームを入れて置く。
欲望のまま身をまかせてはいけない。
装着をきちんと依頼しなければならない。我が身は己で守るのだ。
しかし、数少ない経験ではあるが、アメリカ人及びヨーロッパ人の男は依頼しなくても男の方から着ける。


ナンパした時の光景が浮かぶ。
キラキラ輝いていた金髪のイーサン。
素敵だった。ハンサムだった。スモークも見えたし、青と白の照明が彼を照らし、ミラーボールが彼を彩っていた。
金髪でめがねを掛けていた。
なんだかんだ文句を言ったものの、ハンサムな彼に会うことはときめくなと言っても勝手に胸がときめいてしまう。


***


携帯に電話が掛かって来た。
今、私のアパートの前に車を停めていると言う。
どきどき。
ときめき。
わくわく。

アパートの外に出ると、車の前に傘をさして立つ男性。
イーサンか?
違う。
彼な訳がない。彼じゃない。
じゃ、イーサンはどこにいるの?

でも、アパートの前に停まっている車で、私を待っているような人物はその男しかいない。
私は酔ってはいない。

「ハイ!メグミ」と言った声はまさしく、イーサンだった。

目をこすった。
そこにいたのは、腹が突き出て、グレーのスラックスは履き、緑色のポロシャツを着ている歳の頃55歳位の中年の、いや初老の男だった。
金髪ではなく、銀髪。そう白髪頭だったのだ……!!!


***


年齢を越えて素敵な人は存在する。
実際、恋人募集欄ではオヤジを募集して、会った。
しかし、イーサンは彼なりにめいぱいおしゃれをしているのだろうが、くたびれていた。

奈落の底に突き落とされるというのはこのことだ。
あの時、ナンパしたかわいい男の子は一体どこに?
あれから何年もの歳月が経ってしまったのだろうか?
そんなはずはない。
浦島太郎が玉手箱を開けて中から煙が出て、太郎はすっかりおじいさんになった。
イーサンはいつの間にか竜宮城にでも行って老けてしまうお土産をもらってきたのだろうか?
それともタイムマシーンに乗って私は数十年後の未来に行ってしまったのか?


混乱する。
雨脚は激しい。




私がナンパした男はキュートでかわいい男の子のはずだった。
キラキラ!グリッターでキラキラ光っていたはずだった。
青と白の照明が彼の体にまとわりついていて素敵だった。
あれは、あれは、一体……!? なんだったのか?


幻想?


酔っていたからの一言で済ませるのは余りにも余りにも違い過ぎた。
英語でOh! My God!と天に向かって叫びたい心境だった。
叫べなくとも、意識を失って全て無かったことにしたいとすら思った。

カメラの位置は上からで、天に両手を挙げ、空からは激しい雨が降り、叫ぶ姿は映画のシーンとしては劇的だ。


アレックスの言葉を思い出した。
「あの人、絶対ラッキーって喜んでいるよ」。
そのラッキーとは私という人物が声を掛けてくれてラッキーではなく、女性が声を掛けてくれたということだったのだ。
絶対、誰も声を掛けないだろう。避けたいタイプだ。

反対側に回って助手席のドアを開けてくれたのだが、その行為で後頭部が思いっきり禿げているのが見えた。
香水を異常に着けている。不快度指数が300%だ。

車はいわゆる高級車と言われているもので、座席も革張りだった。
最初のイメージと現実の差があまりにも激しく、車に乗ってしまったが、すぐにでも帰りたかった。


イーサンはにやけていた。

私がストリートで声を掛けてくれて驚いたけど本当に嬉しかったこと。
この日を待ち遠しかったこと。
そんなことを言われれば言われる程落ち込む。



***


ウエスト・ビレッジのワインバーに行く事にした。
ワインを飲めば、魔法がかかったように私がナンパした時の素敵なイーサンに見えるかもしれない。そう願わずにはいられなかったからだ。

カベルネ・ ソーヴィニヨンをボトルでオーダーする。
ワインに合わせたチーズも注文した。
イーサンさんはワインに詳しかった。それでも彼に★をあげる気にもならない。

イーサンの英語はとても上手だ。ボスニア出身だという。祖国は激しい内戦があったが、その前にアメリカに移民したと言った。

ワインを飲む段階になって彼は噛んでいたガムを吐き出したが、それをテーブルの下に着けたのだ。
そ、そ、そんな〜。
一挙に★の数はマイナス1000。


イーサンの年齢でずっと独身だったのだろか。彼に家族がいないわけがないと思った。聞いてみると、妻子がいるという。
やっぱり……!!
妻とは別居中だと言っていた。
だから、いつも週末、電話がかかってこなかったのだ。
別居中というのも嘘かもしれない。
これで★は更にマイナス1000。

どこをとっても良い所がない。

イーサンは私とセックスできたら、どんなにいいかと言ってきた。
ワイン1杯目で言う事だろうか。

そう言われてみれば、ただのお友達になりたいからナンパしたとは思わないだろう。
それにしてもロマンもくったくれもない。
更に更に★マイナス1000。これでマイナス3000。
★をカウントする気すら失う。


私ははっきり彼に言った。
「ずっーーーとセックスしていないんで、するなら好きな人じゃないと嫌なんです。
ナンパしたのは酔っていたからで、でも、私、真剣な付き合いがしたいので、奥さんがいて、しかも子供がいるなんて嫌なんです」。


しかし、彼が好みだったら妻子がいても速攻ベットインしただろうか?
そうなのだ。
妻がいようが、子供がいようが、したいと思ったらするのだ。
後から理由はいくらでもつけられる。


イーサンは必死に言う。
「妻とは別居中だし、独り身はさみしんだ。だから、キミが声を掛けてくれたのは天の助けだと思った」。
「あの時は、酔っていたので、ごめんなさい」
と平謝りするしかなかった。
高いワインを飲んでもさっぱり酔えなかった。


イーサンは話題を変えようと思ったのか、普段、何してるの?と質問してきた。
「ゲイバーに行っている」と正直に答えた。
これは嘘ではないが、こんなとんでもない女だ!俺は勘弁だ!と思って欲しくて言ったのも事実だ。


ストレートの男性にとってゲイバーは未知の世界である。
知らないから怖い世界だ。そんな如何わしい世界を好きな女とは金輪際と言いそうな保守的な男性にイーサンは見えた。

さらに「GO-GOボーイが好きなの」と付け加えた。
酔ってナンパするくらいの女は、やっぱり……とも思って欲しかった。
それで、さようなら〜。

「おまえ、なんかに会いたくねぇ〜よ」と言われたい。
「酔った勢いで声を掛けてしまい、本当に、本当に、本当にごめんなさい」と謝って帰ればいいのだ。



***



「一度も行ったことがないから行ってみたい。連れて行って」と言うイーサン。

ストレートの男性でゲイバーに連れて行って欲しいと言う男性は彼が初めてだった。
そんなストレートの男はいない。
ゲイバーに行こうと誘っても99.9999%の確立で行きたがらないのがストレートの男だ。


「メグミが好きなものを私も観てみたい」と妙なことを言い出す。


イーサンはモテナイ男の代表なような男だ。
だから、ブスでデブな、こんな最低ラインの女でも東洋の女性に声を掛けられて舞い上がってしまっているのは明らかだ。


彼は私という人間を想像して理想の形を作り上げている。
その想像した私に恋をしているのだ。
それが分かる。
モテナイ私。恋してくれる男性はめったいにいない。
でも、嬉しくもなんともない。

恋は盲目と、よく言ったものだ。イーサンは幻想を抱いてしまったのだ。
幻想のベールを取って、じっくり私の顔も体も見て欲しい。
良い所は1つもないではないか!



彼は真剣な眼差しで言う。
「行こう!ゲイバーに!行こう!キミの大好きなものを見に!」


つづく……。


衝撃次回予告衝撃
ナンパしたストレート・オヤジとゲイバーに果たして行くのか?




むかっ(怒り)むかっ(怒り)むかっ(怒り)むかっ(怒り)むかっ(怒り)むかっ(怒り)むかっ(怒り)むかっ(怒り)

菊楽恵流が楽しめる「こんなニューヨークもあります!」ブログもどうぞ!

最近はゲイメンドラマにはまっている菊楽さん。
ネタもゲイバーとqueer as folkのお話でブログは持ちきりです!


Deeeep! New York!2007
http://megdon.com


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コメント(3)

そんなぁ…がまん顔
おやじだったなんてバッド(下向き矢印)でも友達としてなら…無理かぁ。。
うひゃーーー!!!!!オヤジ!?
どんだけ酔ったらそんな激しい幻覚が…(泣)
無性に酔っ払った菊楽さんの視線で世界を見てみたくなりました。
こんにちは!

みなさん、夏をいかがお過ごしですか?
管理人の林檎の芯です。
私はニューヨーク近郊のビーチに行き、こんがり焼けています魚リゾート波
菊楽さんは海が苦手!リゾートには行かずマンハッタンでバーホッピングに精を出しているようです。

書き込みありがとうございま〜す!

☆りーさんさん
友達としても無理ですか!?あせあせ(飛び散る汗)

☆みいさん
私も酔った幻覚で見てみたいです!目

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