Deeeeep NY　女の夜遊びコミュのその4：NYで合コン！初春は恋の季節！フィーリング・カップル3対4の巻

この回から初めて読まれる方へ

連載形式になっていますので、お手数でもさかのぼってお話を読んでみてください。

NYで合コン！初春は恋の季節！フィーリング・カップルの巻
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その2：NYで合コン！初春は恋の季節！フィーリング・カップルの巻
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その3：NYで合コン！初春は恋の季節！フィーリング・カップルの巻
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はじめに……

美人、十和子に惑わされることがなかった御曹司ハットリ石川の株は上がるばかり。さらに、二次会のバーに向かう途中で、「好きになるんだよねぇ〜」と愛の告白もどきを受けた菊楽　恵は、ハットリ石川くんを意識しはじめて……。

＊＊＊

二次会のバーで、再び飲む。

ナミエも本田くんもハットリ石川くんは知り合いなので、和気あいあいの雰囲気だ。共通の知人の話題を出して、楽しそうに話しているので、その話を聞いていても非常に楽しい。しかし、ハットリ石川の「好きになるんだよねぇ〜」で彼の顔がまともに見れない。意識しているのだ。

「さっきからモテない、モテないって言っているけど、全然、見えないよ〜」とまたもやドキドキ発言のハットリ石川くん。

今度は私が私のとっておき（か？）の振られた話を披露する時が来た。辛い！恥ずかしい！語ってしまえぇ〜。
エールの君と私が呼ぶ、エール大学卒のアメリカ人の年下（10歳下）くんとの話である。

彼は私の英語の先生だった。ある試験の合格を目指して英語を真剣に勉強していた。
週に1回、それも8時間という長時間、エールの君から特訓を受けていた。
アメリカ人だから誰でも英語ができるとは限らない。
彼の単語力、文法力はずば抜けて素晴らしく、尊敬が愛に、愛が性欲に変わってしまった。セーターの丸首からちょろっと胸毛が見えると、一体、その胸毛はどこまで続き、形態はどのようで、感触はどうなのだろうと思ってしまうのだ。そして、彼の胸毛に顔をうずめる自分を想像して、勉強が滞ってしまうのだ。
エールの君の爪が伸びて、垢が溜まっていても、その垢に歴史あり。爪の垢の一部はきっと彼の鼻くそ！　それこそ、○○○（これは、あなたが思い浮かべられるものを入れてね）で汚くなっているのだと思うと、愛おしくて爪の垢ごとペロンと舐めてしまいたくなるのであった。
つまり大好きだから、彼から生産されるものなら何でも好きになってしまっていた。

　ある日、私の欲望が爆発してしまった。先生とセックスしたい！！
勉強が終わった後、遠回しに、私はある人が好きで、彼は年下で〜と言ったのだが、それを聞いている彼の顔はみるみる雲ってしまった。自分のことを言われたのだとすぐに察したのだと思う。見るからに辛い表情になってしまった。しかし、勇気を振り絞って「あなたが好きです」と言った。

答えは「ごめんなさい。好きにはなれません」とはっきり言われた。
そこで私も負けなかった。
「セックスするだけでいいんです。付き合わなくてもいいんです」と迫った。
場所をグランド・ハイヤット・ホテルのロビーに移し、私は彼の手を握り、脚をさすり、抱きつき、頬に頬を寄せて、1時間に渡り説得。「付き合わなくてもいい。その間、彼は嫌がらず、私のセクハラをずっと受けていた。
しかし、股間にはバックパックを置き、明らかに“握られる！さすられる！”という行為に防御線を張っていた。

気が付くと、対面のソファーには男性が座り、私たちの様子を見ていた。
アジア人の年上の女がアクセントのある英語で、アメリカ人の年下の男に「セックスしよう」と迫っている姿は滑稽だったのかもしれない。

1時間の説得も虚しく、拒否されたままで帰ることになった。それ以来、エールの君とは会っていない。彼は「新しい先生を探してください」とメールをくれたのが最後、私からのメールを一切無視している。私は三日三晩泣いた。性欲を制御できなかった自分が情けなかった。

「……という話なんです。もし、私がもやもや〜しなかったら、今でも英語を教えてくれて、良い友達になれたかもしれないのに。　あれから、二度と会ってません……。でもセックスするだけで良かったのに」。

主水似の本田くんが「抜いてから行かないとダメですよ」とさっきまでとは全くの別人のように明るく言ってきた。お酒が大分まわって弁舌なめらか。
「男じゃないんだから、本田くん」とナミエ。
「マスターベーションして行くんですよ。すると、すっきり、ムラムラはありません」と本田主水くんは繰り返す。やっぱり酔っている。
「したくなったら、いつでも連絡ください。俺で良ければしますよ」と本田主水くん。
「本田くんは好きな女性がいるから、真に受け止めちゃダメですよ」とハットリ石川くんは神妙な顔つきで言う。

「年上というのが問題かなと思ったり……」。
「アメリカ人は日本人と比べると年齢については全く気にしないから、それが理由じゃないと思う。きっとアメリカ人経験がなく、怖かったんですよ。メグミさんの問題じゃない、彼の問題だよ」とまじめな回答をくれるハットリ石川くん。
「ボク、年上の女性好きですよ」とも言われて見つめられ、
「お互い、うまく行きませんなぁ〜」と妙にオヤジ口調になるのがおかしかった。

ハットリ石川くんは、何かを書こうと思ったのかスーツの胸ポケットからペンを取り出そうとした時、ひらりと一枚の名刺がテーブルの上に落ちた。
手書きで「Call me」と書かれてあって、その名前は十和子だった。

ナミエも見た！
「え〜〜？　何ソレ〜？　十和子ったら、いつの間に！！」
ハットリくんったら、何のかんのと言って結局は十和子好きだったんだ。
騙された（って、まだ付き合ってもいないが）！！

「さっき帰り際にくれたんだよ。受け取らないのも失礼だろう。別に持っていることに他意はないよ。電話するつもりもないし。ボク、あーゆー子、大嫌いだから」と言ってハットリ石川くんは十和子からの名刺をビリビリに細かく破いたのだ。
私の思い過ごしかもしれないが、私に見せるように破いたようにも見えた。

「もったいないな。俺にくれれば良かったのに」
と本田主水くんは本当に残念そうだった。ナミエは「十和子は姑息な女ねぇ〜」
と言っていたが、美人は自信があるのだろう。やることが大胆だ！

名刺事件が落ち着き、ナミエと本田主水が話し込んでいると、ハットリ石川くんが
「今晩、泊まってもいい？」と言ってきた。
空耳かと思ってほうっておいたら、再び「今晩、泊まってもいい？」と同じことを言ってきた。「酔ってるんでしょう？」と言うと、「酔っていない」と酒臭い息がぷっはぁ〜。

泊まる=寝る=セックス！

ナミエに「石川くん、泊まりたいって言うんだよ」と言ってみた。どうしたらいいか対応に困ったからだ。正直な気持ちを言えば、ハットリ石川くんは泊まりたいと言われて嬉しい相手ではある。


ナミエはノリがいい。
「いいじゃん、泊まりなよ！石川くん！いつも高い所に寝ているからたまには地上に近いところもいいんじゃない」。
御曹司ハットリ石川くんは、セレブも住んでいる髪型に特徴のあるおじさんの名前が冠されているタワーの60階にお住まいだ。私は3階に住んでいる。それもイースト・ビレッジの築100年の小汚いアパートだ。

「ボクがメグミさんをアパートに送っていくから。ナミエちゃん、安心して」とナミエと本田くんに宣言。

石川くんが泊まるのはいい。しかし、私のアパートは爆発！　私は片付けられない女だ。
ガス爆発の後と思えるほどに、モノが散乱している。部屋が汚いことで躊躇していたら、何も始まらない。一生、セックスができないかもしれない。爆発に引かれたら、引かれた時だ。

京大ダ〜リンの時に用意したものの、使われずに出番をいつかいつかと待っているコンドームもある。期限切れかもしれないが。


それに、今、生理ではない。

ナミエは涙目で
「メグミくん、とうとう二回目の処女喪失だね」
と言いながら、私をギュッとハグしてくれた。まるで結婚式が終わり、「今夜は初夜だね〜！頑張れよ」と励まされている新婚カップルの気分だった。
本田主水くんは、
「今夜はまだ抜いていないから大丈夫だ」と、こだわりの激励（？）をくれた。


私はナミエと本田主水くんに見送られて、石川くんとタクシーに乗って一緒に帰ることになった。

「ナミエ〜、行ってきまぁ〜す！」
自分の家に帰るのに行ってきますの心境であった。

そして、ハットリ石川くんが私のアパートに来た……！！

＊＊＊

次回は最終回です！　ハットリ石川くんが菊楽　恵のアパートで一夜を過ごす事に！

NYで合コン！初春は恋の季節！フィーリング・カップル3対4の巻


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