Deeeeep NY　女の夜遊びコミュのNYで合コン！初春は恋の季節！フィーリング・カップルの巻

久しぶりにナミエから電話があった。
アメリカの大学を出て、彼女はファイナンス系の日系企業に勤めるOLだ。アイラインがばっちりで眼力はあるのだが、セクシー系というよりは、おちゃめ系。

彼女はシングルズ・バー（拙著Deeeeep!New York!に登場する）の達人であり、＊マッチ・ドット・コム＊　のようなオンライン・デートの達人でもある。
ナミエは付き合っても期間は短く、しかもアメリカ人としか付き合わない。現在、ナミエにはマッチ・ドット・コムで知り合ったメリカ人のボーイフレンドがいる。仕事はウォール・ストリートの投資銀行で働くビジネスマンだ。

＊日本でいうところの出会い系のインターネットのサイト。有料。結婚を前提に真剣交際を求める男女が登録している。

「合コンするんだけど、興味ある？」と新年の挨拶もそこそこにナミエが聞いてきた。
アメリカの会社は1月2日から仕事がある。12月の休暇がメインなのでお正月休みはない。
「え〜〜〜〜？　合コン？　」

大学と東京での社会人時代に数は誇れるほどはこなしていないが、それなりに経験済みだ。しかし、ニューヨークでの合コンにはまだ参加したことがない。

ところで、アメリカには合コンという風習はない。しかし、似たようなシステムがある。日本のように大勢では会わない。一対一で会う。ブラインド・デートと呼ばれるものだ。

合コンと聞いて、「出会い！恋！キッス！セックス！」の言葉が頭の中にぐるん一気に駆け巡った。

　最後の合コンは渡米する直前だった。全員会社員。その中のサラリーマンと会ったその日に意気投合！　私は酔った勢いで彼の股間をまさぐり、しかも握ってさすりながら（注意：ズボンの上からです）、激しい口づけをした。雨が降る、未明の新宿は歌舞伎町で。
「ごめんなさい。あなたと付き合えないわ。私、ニューヨークに行くの」とひとりドラマをしていた。思い出すと超恥ずかしい。アホかぁ〜。

話は現在に戻る。
「同僚が、友だち連れて来るから合コンしようっていう話になっているのよ」。
「ちょっと聞いてもいい？」
「何？」
「同僚っていうのは、何人（なにじん）？　日本人？　アメリカ人？」

出身国を聞くのはとても重要だ。なぜなら、私は日本男児と決別したばっかりだ。
……と言われてもさっぱりわからない方はこちらをクリック！
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さよなら、日本男児！

決別したという言い方は、私から三行半を突きつけたように思われるが実は違う。好きだけど、好きになってくれない。好かれないから、私から『さよなら』したのだ。

そして、ナミエの返事は……。
ジャァ〜〜ン。（もったいつけてごめんなさい！）

「日本人だよ」だった。

「えっ？　げっ！まじっ！　うそっ！おえっ！」

最後の『おえっ！』は余計だったか。
そうだ、そうだ。アメリカ人が合コンに参加するとは思えない。
日本で暮らしたことがあるアメリカ人ならばいざ知らず、一般的なアメリカ人が合コンを知るはずがない。ナミエの同僚は日本人。ということは同僚の友だち=日本人！という確率は非常に高い！　日本人かぁ〜。

日本男児は私を見て恐れる。見た目もそうだが、話す内容でさらに恐れおののき、1万マイルは引かれてしまう。話す内容が下ネタ街道を爆走しているからだ。止められないから仕方がない。好きにはなってくれないのだから、行っても時間の無駄だ。無駄な努力は疲れる。

ナミエに私の決意を簡単に話した。そして断ろうとすると、
「大丈夫。大丈夫。日本人っていってもアメリカ人みたいなもんよ。日本語は普通に話せるし、漢字も書けるよ。アメリカ生まれもいるし、それに高校からアメリカとか〜、それに全員アメリカの大学、それもアイビーリーグを卒業した人ばっかりなんだから。メグミくんは高学歴、好きでしょう？　
ホント、ぜんぜぇ〜〜〜ん、日本人、日本人していないから……、大丈夫、大丈夫！」

あっ！　そうか！日本男児とはいっても、そういう日本男児もいるわけだ。
外見は日本男児。中身はアメリカ男児！
ジャパニーズ・アメリカン！　日系人だ。
こういうパターンもあったんだ。これはいいかもしれない。
好かれる可能性は真性の日本男児より高いかもだ。私のどっちつかずな微妙な中途半端性を理解してくれるかもしれない。

つるりんの胸板。似合わないスーツ！
しかし、振る舞いはアメリカ男児。しかも、日本語がペラペラ〜、英語もペラペラ〜の真のバイリンガル。
それにアイビーリーグ！
惹かれる点がいくつもありそうだし、なんと言っても「はっきりモノを言いすぎる」と非難されることはないかもしれない。


しかし、おっと待てよ。
私が日本男児を好きなったのは、日本人らしいところ。
目を見て話さないところとか、西洋的な女性の扱いに全然慣れていないところ、例えばドアを先に開けて女性を先に歩かせることができないところに惹かれて恋をした。
外見ではない。
中身がアメリカ人なら、そりゃ外見（そとみ）は白人男性の方がいいに決まっている。

「う〜〜ん。どうしよう」
「悩まない！悩まない！行こうよ」
「ナミエはどうするの？　ボーイフレンドいるのに……」
「まぁ〜ね。でも、私は幹事だから〜行くわよ。メグミくん、コンピュータの前に座っていても何も始まらないよ。行こう！」
「いつ？」
「今夜！」

　むむむ。
人数合わせに連絡してきたなぁと思いつつも、行くことを決意！
　外見は日本男児！しかし中身はアメリカ人という男児が来る合コン。

彼らが私たち女性陣に求めるものは一体何なんだろう？
彼らの母親である、大和撫子の姿か？　単なるセックスの相手か？
醤油くさい体臭か？
変にアメリカにかぶれている妙な日本人の女か？

場所はウエスト・ビレッジにある日本食レストランだ。

私はイースト・ビレッジのアパートを出た。外見は日本男児！しかし中身はアメリカ人の男児（複数）に会いに……！！！
「行ってきまぁ〜す！」

次回に続く！
NYで合コン！初春は恋の季節！フィーリング・カップルの巻