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「深〜い」本・映画・音楽コミュの映画; 神父ダーンス (1992)

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邦題; 神父ダーンス

原題; Daens  (1992)

ベルギー・オランダ映画

監督;    Stijn Coninx

原作(小説); Louis Paul Boon

脚本;     François Chevallier 他

音楽;    Dirk Brossé

撮影;    Walther van den Ende



出演;

...
Jan Decleir   Adolf Daens
Gérard Desarthe .. Charles Woeste
Antje de Boeck ... Nette Scholliers
Michael Pas ... Jan De Meeter
Karel Baetens ... Jefke
Julien Schoenaerts ... Bishop Stillemans






映画データーベースに記述がなく、アメリカ映画サイト IMDb に次のような粗筋の記述があり、その後日本の フランダースサイト に下のように記述があったのでそのサイトも牽く。

粗筋;

In the 1890s, Father Adolf Daens goes to Aalst, a textile town where child labor is rife, pay and working conditions are horrible, the poor have no vote, and the Catholic church backs the petite bourgeoisie in oppressing workers. He writes a few columns for the Catholic paper, and soon workers are listening and the powerful are in an uproar. He's expelled from the Catholic party, so he starts the Christian Democrats and is elected to Parliament. After Rome disciplines him, he must choose between two callings, as priest and as champion of workers. In subplots, a courageous young woman falls in love with a socialist and survives a shop foreman's rape; children die; prelates play billiards.

http://www.flanders.jp/2009/11/blog-post_02.html

日曜ゴールデンタイムにベルギー国営テレビで放映されたものを観た。 主演のヤン・デクレールのものはいくつか観ていてベルギー、オランダを代表する俳優だとみているけれど彼の20年以上前のものは本作で初めて観た。 上記サイトに述べられているように聖職者が社会の不平等にどのように立ち向かいそこでどのような抵抗に遭遇し宗教と政治のはざまで格闘するかその姿を描いた小説の映画化である。 19世末の持つ者と持たざる者の状況を宗教的信条から持つ者に属する資本家、国王、その独占理由としての国会、教会幹部の抵抗に立ち向かうというのは甚だ興味深いものがある。 

それはヨーロッパのみならず日本でもキリスト教に基づく政治はないものの潜在的に天皇を含む宗教団体、西洋モデルを元にして富国強兵を目指す資本家たちの日本政治も相対的に同じ道を歩んできたものとして観ることも出来、今は歴史モニュメントとして観光客を呼ぶ富岡製糸所を含む女工哀史に比べられるものである。  日本の場合西洋のキリスト教的宗教団体が貢献したような社会運動というものがなかったためそれが市民運動の元ともなりえず社会主義関連で芽生えたという脆弱なものであり、その脆弱さを露呈したものが1970年代以降の現在まで至る新自由主義のブレーキの利かない資本主義となって雪崩を打って終焉した日本の労働運動に結果しているのだろう。 西洋にしても本作に見られるような資本家たちの労働者にたいする攻撃、政策は姿形を変え現在も連綿と続いているものであり、殊に日本に関しては天を仰いでもそこにはガラスの天井しかないような惨状は19世紀末と現在の労働者、そういう言葉がまだ存在すればの話でもあるけれど、の生活をくらべたら話にならないほど我々は豊かなのだという者がいればそれは歴史と社会の平等、不平等が見えない近視眼もちだと断じなければならないだろう。 そういう意味で本作はどこにも見られる近・現代資本主義社会発展史の一つのモデルとして観られるべきものだろう。

ただそうは言っても「起て飢えたるよものよ、、、、」とだけ歌うだけでものごとが簡単にいくような社会でないのはここに見られるような社会がどのように構成されてどのようなメカニズムで動いているかの解析なしでは話にならず単なる神頼みだけでは能天気というもので敵味方はいずこにもあり、時にはそれを自問するような場面もあるかもしれずそれは楽ではない。 宗教の中での汚いトリックも見られる中キリストを信ずる者は、神は自ら助るものを助く、という所に行きつくまでの経験をするというのが本作の帰結かもしれない。

本作に比べられるようなような映画は今日本でそもそも創られえるのか、そもそもそれを消化する観衆が存在するのか日本に住まないものには判断ができない。 ただ近年ではイギリスではケン・ローチの作に総体的に親和力をもついくつかの作があったようだがそれは日本の場合とはかなり違ったかたちであり行き当たりばったりで映画を見ているものには日本の映画のことは想像もつかない。 

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