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受講者のページコミュの音痴の人は空間処理能力も低い

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以前からこのコミュニティに入っている人は、だいぶごぶさたしてしまっていました。久々に記事をアップしています。読んでもらうだけでも興味を持ってもらえそうなものを選んでいるつもりではありますが、せっかくの「トピック」なので、コメントをつけてくれたりすると、とてもうれしいです!

さて、Nature Neuroscienceという雑誌の7月号に、「音痴の人は空間処理能力も低い」という論文が載っていました。音痴というのは聴覚の話、空間処理というのは視覚の話というふうに考えると、その両者に関係があるというのはけっこう不思議な気がしますよね。というわけで、ちょっと読んでみたので紹介します。

「音痴」というのは、ここでは「音が上がったか下がったかを判断するのが苦手な人」のことをさしています。

著者らの実験の結果、まず、

・音痴の人は、心的回転テスト(頭の中で図形を回転させる)も苦手

ということがわかりました。

さらに、この心的回転テストを、音の高低判断テストと同時に(このように、2つの課題を同時にやる実験を二重課題実験と呼びます)やらせると、

・音痴ではない人は、心的回転テストを単一でやった場合と比べて、二重課題状況でやった場合に心的回転テストの成績が落ちる(これは納得のいく結果ですよね)

のに対し、

・音痴の人は、二重課題状況でも落ちない

という結果が得られました。

著者らはこの結果について、心的回転テストも音の高低判断テストも、どちらも「空間的な処理」という共通の処理を伴うのが原因だとしています。つまり、音痴でない人は、音の高低についても「高い」「低い」という空間的な判断をしているというわけです。

音痴でない人の場合、同時に遂行すると頭の中で2つの課題の間に競合が生じてしまったが(脳の同じ場所を2つの課題で奪い合う、というイメージですね)、音痴の人の場合、音の高低を判断するときに空間的な処理を伴わないので、同時に遂行しても干渉が生じなかった、ということでしょうか。

音の「高低」は空間的な高低とは本質的にはまったく関係ないわけです。だって、「高い音を出す物体は高いところに存在する」というような関係は特に成り立たないですもんね。そう考えると、両者の「高低」が脳の中では実はつながっているというのはとても興味深い発見ですね。

それにしても、「何かが苦手な人は、別の何かが得意!」っていう研究ならともかく、「何かが苦手な人は、別の何かも苦手」っていうのは、該当者にはちとつらいものがありますね。。。ちなみに僕も歌は音痴です(笑)。

でも、考えようによっては、音痴の人に空間的な訓練をすれば音痴が直るとか、そんな話にもつながるのかもしれません。つまり、科学的な発見をどう捉えてどう活かすかは、研究者が決めることではなく、読み手が決めることなんですよね。

みなさんがすばらしい論文に出会えて、それが自分の卒論に役立ったり、その成果を社会に還元できる方法を思いついたりできれば、ハッピーですね。僕も人をハッピーにするような研究をしていきたいものです。

コメント(2)

音痴と空間的処理は違うだろうと思いました。が、私は楽器を吹いていて音の高さを調節するときはもう少し上の方の音だな、と思いながら吹いてます。そのことを考えると、脳の中ではつながっているというのは頷ける気がします。

気になっていることを実験して結論を出すことは面白いと思いますが、その結果から社会に生かせる何かを見いだすことも実験とは違う面白さがあるように思いました。
>副社長。さん

楽器を吹いてるときの話、同感です。こういう日常的な経験にヒントを得て、それをもとに人間の認知についての仮説を立てて、それをきちんと実証したっていうのが、すごいところですよね。

実験は心理学を専門としている人にしかできないけど、人の実験結果をどう活かすかって部分は、専門の人も専門外の人も、どちらも考えることができますよね。認知心理学はその部分が少し欠けているように思うんですよね。副社長。さんのように、その部分に面白さを見出せる人が増えるといいなと思います。

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