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受講者のページコミュのイグ・ノーベル賞

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音楽心理学の授業で、大人には聞こえない音でコンビニにたむろする若者を追い払うっていう話を紹介したのを覚えてますか? 人は歳をとるにつれて高周波数(高い音)が聞こえにくくなるのを利用して、若者には聞こえるけど大人には聞こえないような音を使って、コンビニ前の居心地を悪くするという作戦です。結局、若者はこの音を逆手にとって、先生(くらいの歳の大人)には聞こえない着信音として利用し、堂々と授業中に通信をしている、というエピソードも付いていましたが・・・。

実は、知っている人も多いかもしれないですけれど、この研究が先日、「イグ・ノーベル賞」を受賞しました。イグ・ノーベル賞というのは、人を笑わせる研究で科学への関心を高めた功績に贈られる賞で、研究の手法そのものはちゃんとしたものである必要があります。



--以下「産経web」より--

モスキートに「平和賞」 イグ・ノーベル授賞式

 人を笑わせる研究で科学への関心を高めた功績に贈られる「イグ・ノーベル賞」の授賞式が5日、米ハーバード大で行われた。平和賞には、高周波数の不快音を出す装置「モスキート(蚊)」を発明した会社経営の英国男性が選ばれた。

 この音は10代から20代前半には耳障りだが、20代後半以上の人は聞こえないか気にならない。生徒は聞けても教師は気付かないため携帯電話の着信音に使われ、米英の若者に人気が高い。

 賞は計10部門に贈られ、音響学賞は「黒板をつめで引っかく音をなぜ人間は嫌うかの実験」、鳥類学賞は「キツツキはなぜ頭痛にならないかの証明」が受賞。数学賞は「グループ写真で誰も目を閉じていない写真を撮るために必要な撮影回数の計算」、物理学賞は「乾燥スパゲティを曲げると2つより多く折れてしまうことが多いのはなぜかの考察」がそれぞれ選ばれた。(共同)

--


「黒板をつめで引っかく音をなぜ人間は嫌うかの実験」も面白いですね。実はこれ、ちゃんとした実験心理学の雑誌に20年前に掲載された論文なんです。

Halpern DL, Blake R, Hillenbrand J. (1986).
Psychoacoustics of a chilling sound.
Perception & Psychophysics, 39, 77-80.

ということで、早速ゲットして読んでみました。
表と図を載せてみましたけど、読めるかな。

いろんな不快な音を選んで評定させてみたよっていう
いたってオーソドックス(ていうかそのまま)な
研究です。

表1がいろんな音の評定の結果です。
Average Ratingは不快度評定値で、
0が快適、15が不快度MAXです。
上から見ていくと、まずチャイム(1)は快適。
これは当然ですね。
下のほうに行くと、発泡スチロールをすり合わせる音(14)
ってのがあります。これは想像しても結構つらい・・・。
そして、一番不快だった音がやはり黒板を爪でこする音(15)
です。

この研究はここで終わらないで、では音の周波数成分のうち
どのあたりを除去すれば不快さが低減するだろうかという
問を立て、実験を進めています。

その結果が図に載っています。
図の縦軸は不快さの評定値です。
まず左の図は高い周波数を取り除いた結果です。
あんまり不快さは変わらないみたいですね。
ついで右の図は低い周波数を取り除いた結果です。
右に行くとだいぶ不快さが低下しています。
4kHz以下の音を取り除くと、相当不快さが減るようです。

ということで、一見しょうもないテーマでも、
真剣に追求していけば、まあノーベル賞は難しいけど、
イグ・ノーベル賞ならもらえるかも、というお話でした。

ちなみに過去に日本人は音関係での受賞が複数あります。
カラオケを発明してイグ・ノーベル平和賞を受賞した
井上大祐氏(「人々が互いに寛容になることを学ぶ、
まったく新しい方法を提供した」という受賞理由)、
バウリンガル(コンピュータが犬の言葉を自動翻訳する)
を開発した株式会社タカラといったあたりです。

みなさんも卒論でイグ・ノーベル賞狙ってみては?

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