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受講者のページコミュの和音を幾何学的に表現する

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最近、Scienceという一流の科学雑誌に音楽に関する論文が掲載されました。内容は、「メーカ研究員の週報」というblogにわかりやすく解説されています。

http://ameblo.jp/riverplus/entry-10014658351.html

以下、そのblogの抜粋です。


-- 以下blogより --

 いわゆる古典的な西洋音楽と呼ばれる作品には、よく使われる典型的な和音の進行があります。たとえば「C→F→C→G→C」のような和音の進行はよく耳にするし、とてもきれいに聞こえます。
 
 一方で、現代音楽と呼ばれるジャンルの作品には、こうした「基本的」な進行にあてはまらない楽曲が多く存在しています。譜面をみると、音階の上下を表す臨時記号がところせましと並んでいて、とても一目で演奏できそうにない複雑な和音です。
 
 現代音楽の和音の進行は、従来の音楽の基本ルールから見れば、とうてい受け入れられないルール破りの曲のはずなのですが、にもかかわらず、聴く人の耳には心地よく聞こえています。実際、このことは音楽理論家にとって謎だったようです。
 
 今回、和音の進行を、とある幾何学的平面上での点の移動ととらえることで、この理由を説明できるようになった、ということがレポートされています。

(以下、論文の和訳)

 和音の進行を可視化する新たな方法により、慣習的な作曲、経験的な作曲のいずれもが耳に心地よく聞こえることの理由が明らかになる。この方法によって作成された音楽マップは、経験の浅い作曲家がよりよい作品を作るうえでの案内役となるだろう、と研究者たちは示唆している。
 
 「自分の音楽クラスの新入生にこれらを配って、『これは西洋音楽がどのように成り立つかを理解するよい方法だ』と話すつもりでいます。」と語るのは、米国ニュージャージー州プリンストン大学の Dmitri Tymoczko である。
 
 この新たなマッピング手法を考案した Tymoczko は、西洋音楽が時を追うごとにますます複雑になってきたと説明する。初期の作品は、和音ごとの音符数が比較的すくなく、単純なハーモニーだった。そして作曲家たちは、ある和音から次の和音への移りかたについて、厳格な決まりに従っていた。
 
 しかしながら、現代の作曲には、以前には音楽的に受け入れられないとされていた複雑なハーモニーが含まれている。今では作曲家たちは、どのような和音を互いの後に続けるかということについて、より多くの自由を手にしている。
 
 しかし、音楽の慣習を破っている現在の作品がなお私たちに良く聴こえるのはなぜだろうか。Tymoczko は、自分のマップがこの答えを明らかにすると考えている。
 
完全なハーモニー
 
 これらのマップでは、一つの点が一つの和音に対応する。この枠組みは、CとGの音符からなる和音の示す点が、音階で近接した音符の組み合わせ(わずかにピッチの高い『シャープ』のC#とG#の音符からなる和音など)の隣の位置に来るように構築されている。
 
 マップ上のある点からもう一方への距離が小さいほど、和音の遷移は耳によりよく聴こえる。したがって、たとえば、「完全四度」「完全五度」として知られている2つの音程(訳注:「ドファ」「ドソ」のこと)――ロックをも含んだ、あらゆる種類の西洋音楽で広く行き渡っている標準的な遷移である――が示す点の間は、短い1ステップ分しか離れていない。
 
 短いステップは、慣習的にはつながりが少ないとされていた和音の間にも存在しえる。19世紀の作曲家 Frederick Chopin が書いたピアノ・プレリュード ホ短調は、これらのマップ上の、きわめて短い線に沿って音程が動く。以前の音楽理論家たちは、Chopin の用いた和音の連続がなぜ心地よく聴こえるのか説明に苦しんでいた。
 
 それとは対照的に、かなり長めの距離――耳障りな遷移でもある――は、音階の低い端の和音と、高い端の近接した組のあいだに存在する。
 
 Chopin の作品の和音の進行を示すビデオ(訳注:上記リンクからたどって下さい)で見ることができる。ビデオでは、作品中の4音符和音を、2組の2音符和音に分けている。
 
もう一つの次元
 
 和音を表現する際の音符を書く順序は、幾何学的には違いをもたらし得るが、音楽的には違いをもたらさない(CGはGCと同じように聴こえる)という点を Tymoczko は強調する。この食い違いを解決するため、このマッピングシステムは「非ユークリッド」幾何学を利用している。
 
 非ユークリッド幾何学は1世紀以上もの間ひろく受け入れられてきているため、Tymoczko は誰もこの手法を発見していないことに驚きを感じている。「ある意味では、これは100年前に発見されていたのです。」と彼は言う。
 
 和音の進行を表すのに必要となる次元数は、和音中の音符の数に対応している。したがって、3音符和音からなる音楽作品は3次元で表され、4音符和音からなる作品は4次元で表現される。このビデオ(訳注:上記リンク参照)は、4音符和音を含んだ Chopin の作品の4次元空間の断面を示したものである。

 このマップは、現代音楽がよく聴こえるのはなぜかという問いを説明する助けとなっている一方で、未知の和音の進行を明らかにしてはいない。 Tymoczko は、「これらの手法が、以前は知られていなかった和音の進行を魔法のように示してくれたなら、それはとても素晴らしいことでしょう。しかし、作曲家たちは、この空間を探索するという良い仕事を(既に)していたのだと思います。」

(和訳終わり)

 この幾何学マップを図に示しました。元論文に掲載の図を元に、日本語のドレミの表現に書き直しています。

 右の辺と左の辺とが上下反転してつながっているという、少し特殊な特徴です。楽器をお持ちの方は、図を見ながら音を鳴らしてみると面白いかもしれません。
 
 この図は2次元空間、つまり2音符の和音についてのものですが、下記のリンクからたどれる「Supporting Online Material」(Movie S4)では、3次元や4次元バージョンのマップも見られますね。4次元のは見てもさっぱり意味が分かりませんが・・。

-- 以上blogより --


元論文は英語ですが、2ページちょっとと短めなので、もし興味があれば読んでみてもいいかもしれませんね(大学からならpdfファイルでダウンロードできると思います)。

http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/313/5783/72

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