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ホルモン避妊法について考えるコミュの初めての世界子宮内膜症大会

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2014年5月1日〜3日にかけてブラジル,サンパウロで開催されました.初めて子宮内膜症の国際学会を見学しました.
片道乗り継ぎを含め凡そ30時間,帰りの方が時間的二少し早かったかもしれない.
カタール航空をチョイスし,ビジネスクラスを使ったので,日本のラウンジなど比較にならないラウンジで乗り継ぎまでのんびり.片言ですが,ラウンジでは日本語であいさつされる.

然し,ブラジルでは東洋人街ではさすがに時に流暢な日本語を話す移民の方もいますが,普通は英語も全く通じない.

学会を支えた最大のスポンサー企業はドイツ系製薬会社バイエル薬品.その他,アストラゼネカの婦人科部門が大口寄付者.

ランチョンセミナー,モーニングセミナー共にバイエル薬品が時間を取り,未来に向けての子宮内膜症の薬物治療の新しい戦略を展開.
OCを服用している方々のみならず,その普及にそれなりに関わってきた私も含め,聴講していた日本の医師も,OC服用者では深部子宮内膜症に発展する可能性が高い,との疫学研究の結果を説明され,一体全体,どういう事だ,と首をひねりました.そもそも,

みなさんはどう思いますか?

数年先に向けての新薬としては,レボノルゲストレルとアロマターゼ阻害剤を併用したリング,選択的プロゲステロン受容体モジュレーターが挙げられていた.
同時に当面の第一選択として,ディナゲストが,当然,彼らの持ち駒なので強調されていた.

但し,月経困難症の診断の間は,OCの活用は否定されていなかった.

他にも内膜症の基礎研究の報告はあったが,患者と医師の現場としては,新しい戦略は,この領域での代表的な企業の言う事だけにインパクトがあるので,報告しました.

コメント(2)

従来,OCは単純な月経痛だけでなく,子宮内膜症等に伴う月経痛の改善に使用されてきました.その為,痛みを和らげることに関しては十分な経験と証拠があると言えますが,実はOCを服用していれば,子宮内膜症の予防ができるかどうかに関しては,実は,まともな調査は行われていなかったのです.
イタリアの子宮内膜症に関する重鎮Vercelliniは,世間でOCの予防効果を推奨する人がいるが,全くエビデンスはない,と2011年に注意を促していましたが,盛り上がりの中で彼の注意はかき消されていたのかもしれません.

新たにオーストラリアで前向きコホート研究で,妊娠経験者と妊娠した事がない者の二つのグループで,OC服用期間が5年未満と5年以上で,OCなどで避妊していない集団と比較した結果,妊娠経験者ではOC服用により将来子宮内膜症の診断を受ける確率は小さかったが(5年未満の服用で0.41倍,5年以上の服用で0.45倍),妊娠した事がない女性がOCを服用していた場合,将来子宮内膜症と診断される確率が高くなる(5年未満の服用で1.8倍,5年以上の服用で2.3倍),との結果が発表されました.

こうしたコホート研究は殆ど初めてで,少なくとも同じような研究を2回程度行う方が証拠能力は高くなりますが,現時点では,子宮内膜症の予防目的でOCを意図的に処方する事は様子を見た方が良いかもしれない.月経痛が強い場合には既に子宮内膜症を潜在的に抱えている可能性が高いので,OC服用でその女性が将来子宮内膜症に新たになる事はないと言えますが,月経痛の程度が軽い場合,こういう女性がOCを服用した場合の,将来における子宮内膜症発生率が高いのかどうか,ここを明らかにする研究が必要ですが,今回の報告は,強いて言うならば,軽度の女性こそが危険因子になってしまうので,もし避妊を意識しないならば,軽度月経痛では鎮痛剤が取りあえずベストの選択かもしれません.
2015年5月にパリで世界子宮内膜症大会とは別の,子宮内膜症,子宮腺筋症及び子宮筋腫の世界大会があり,6月にESHREがリスボンでありました.ESHREは内膜症の治療に関するガイドラインを出すなどして有名ですが,本来不妊症治療の為の学術団体です.ですから,ESHREの学術集会には子宮内膜症の大物はそれほど来てはいませんでした.

昨年のブラジルの大会以降,子宮内膜症をOCで予防できるのかどうか,内膜症の長期的管理にOCが有用であるか否か,という案件が世界では提案されています.日本にはこの議論は届いていません.

現在,子宮内膜症の世界ではイタリアのVercelliniが有名になってきましたが,22年前の1993年に子宮内膜症の薬物治療に関する総説を書きました.その中で,1980年代初期からの子宮内膜症の疫学研究を集めた結果,中用量OCを使っていると,内膜症を予防するどころか逆に悪化させている可能性がある可能性を示しました.しかも,引用した文献の著者は,周期的に投与し,消退出血を起こさせる事が良くないのかもしれない,と結論を導いていたそうです.

そこでVercelliniは低用量に関する管理に十分な情報がないことから,リュープリンと超低用量マーシロンとの比較研究を1993年に発表し,超低用量OCでもリュープリン並みに子宮内膜症の月経痛を十分に軽くできる事を報告しました.その時から今日に至るまでVercelliniのグループは内膜症の管理に超低用量を用いて最良の成果を得ています.

その後のVercelliniら,その他の研究では,OCの周期投与に比べて連続投与の方が明らかに痛みを軽くする効果が強い事を明らかにしています.

ここで,これらの研究成果を考えると,子宮内膜症がエストロゲン依存性に病状が悪化する病気なので,エストロゲンを含むOCは初めから問題が隠れていた事が分かりますが,1980年頃までは子宮内膜症がエストロゲン依存性かどうかあまりはっきりしていなかったようです.エストロゲン依存性である事が分かってきたので,OCのエストロゲンに注目が集まったのです.
一方,子宮内膜症は月経血が腹腔内に流れ込むことが重要な原因の一つなので,月経血を少なくするか,止める事が治療に大きな影響を及ぼす事が分かっていますが,OC服用者ではその事が真剣に考えられていませんでしたが,それは避妊の為の服用だったからです.避妊は女性の妊娠の不安から遠ざけることです.無月経は妊娠を思わせるので,世界的にも女性の不安を煽るようです.ですから,無月経にならないように毎回消退出血が起こる事が大事であるというような啓発をしてきました.然し,これは子宮内膜症には望ましい事ではなかった可能性があります.
また不正出血も嫌われもので,OCには月経不順を改善する事が期待され,故に不正出血を少しでも回避する目的で段階的にエストロゲンを増やす三相性OCであったり,休薬時にエストロゲンだけを付加するOCが開発されたりしていますが,OC服用時の不正出血は,子宮内膜が薄くなり始めている結果なので,治療的には悪い事ではないのです.特に点状出血の場合は,本当に内膜が薄い結果と考えられているので,やはり歓迎すべき状態で,この状態が進めば無月経に移行する確率が高くなります.

こうした事から避妊の為ではなく,内膜症及び内膜症の疑われる月経困難症では,超低用量OCの連続投与が内膜症管理にはベストという事になります.そうした事が国際学会と文献の調査から見えてきました.昔はプロゲスチン剤も周期投与した時もあったようですが,今は連続投与です.ディナゲスト等は不正出血があろうと休むことなく服用するのが前提ですが,ここまですることで管理が十分になると考えられます.超低用量OCの場合も同じだったのです.

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