ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

大畑稔浩コミュの陸に上がった舟―弓ヶ浜

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
大畑稔浩氏の新作
「陸に上がった舟―弓ヶ浜」を愛知県美術館での白日展で拝見しました。精緻な油彩画の素晴らしさは、とても写真やネット画像では伝わらないと思いますが…
以下、感動さめやらぬ状態で大畑氏御本人に送ったメール文です

■■■■■

縦長の画面で、まず「時間性」を暗示されつつも、
古来日本画に観られるような上から下への時間表現でなく、
中央の森からこちらへと、画面に垂直にせり出して来るかのような時間…例えるならベルトコンベアで観賞者に向かって迫りくるような時間のダイナミズム
それは、観賞者の眼を通り抜け、観賞者の背後へと突き抜けているような感覚
そうした感覚に捉われました


観賞者である私が‘今生きている’地点はどこか?と、眼で問うと、
主題である舟が、太陽光を浴びて燦然と確固たる存在感を誇っている
陽光の温かみの皮膚感覚までをもともなうような強烈な存在感
「私は、今生きている!」絵画の中から反射される実感
そして、舟底からこちらに向かって延びてくる砂浜は、次第にさらに粒化し、しまいには物質としての実体すら失い、光へと還元され、観賞者の身体を突き抜けてゆく

そこでふと、スカイラインに眼をやると、
そこには黒々とした森
森とは「mori=死」の暗示なのでしょうか?
しかしそれは観賞者・私がやがて辿り着く(還りゆく)彼岸であると同時に、
新しい命の息吹を、画面のこちらに向けて押し出しているかのようにも見えます


思えば私たち人間ひとりひとりとは、混沌とした宇宙の海原から、ふいに引き揚げられてしまったた天空の廃舟のようなものなのでしょうか?
けれども、この絵のそうした明解な図式…単刀直入過ぎるのではないかと思わせるほど明解な図式は、決して絵自体を二ヒリスティックな思考の見取り図に貶めてはいません
豪胆でかつ繊細な描写と、緻密に構成された筆致・絵の具のつき具合、それら総てが織り重なり、構築され、「思考の見取り図」を「体感可能な事件」へと昇華させているのだと思いました

■■■■■

今回この作品で大畑氏は、内閣総理大臣賞を受賞しました

第83回白日展は今後以下のスケジュールで巡回します

■鹿児島展 
鹿児島県立歴史資料センター黎明館
4月20日(金)から5月6日(日)

■関西展
大阪近鉄百貨店・阿倍野店9階近鉄アート館
5月12日(土)から5月16日(水)

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

大畑稔浩 更新情報

大畑稔浩のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング