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2024年02月12日12:24

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マイクル・コナリーのResurrection Walkを読んだ

マイクル・コナリーのResurrection Walkを読んだ。
主人公はミッキー・ハラ―(リンカーン弁護士)で、ハリー・ボッシュが探偵としてバックアップするもので、有罪を宣告された無実の被告を刑務所から救い出す話です。
しかし70代のボッシュがステージ3の癌を患いながらの登場はフアンとしては少し悲しい。救いは娘のマディはLAPDの巡査として登場すること。
いつもながら気持ちよく読めるのは確かです。面白い。
少しストーリーの展開がマンネリ気味になったのか、最近NYTベストセラーの登場期間が短くなったのが気になる。

ミッキー・ハラ―弁護士は無実の罪で服役していたオチョアを自由の身にした後、直ちにまた次の無実を訴える人物の依頼を受けていたのだ。
元夫の警官ロベルト殺しで服役しているルシエンダ・サンスの無実証明に取り掛かっていた。

パートナーのアロンソン弁護士は17歳のマーカス少年の警官デクスター射殺事件の調査を開始していた。私立探偵のボッシュは調書を読むうちデクスターが自分で自らの脚を撃ったか他に犯人がいるのではと疑い始めていたのだ。しかも撃たれた警官は生きていた。少年はかなり無実の可能性があったのだ。

この二つの調査が同時に進むいつものパターンです。

ルシエンダは32歳の時別れた夫が自宅に来た時言い争いになり、玄関を閉めた。
その直後銃声が2発聞こえ、驚いて寝室に逃げ込み911コールをしたのだ。
警察が駆けつけると、元夫のロベルトが銃殺されていたのだ。
この時、ルシエンダは寝室で隠れていたのに、司法取引で殺人罪服役したのだ。当時の弁護士がルシエンダに不利な証拠があり、無罪を訴えるより司法取引をさせたのだった。
ルシエンダの無知に付け込んだ仕事のように見えたのだ。
弁護士フランク・シルバーは法廷に持ち込むより司法取引の方が楽で、司法取引の数が多いほうが有能な弁護士とみられることを選んだのだ。
それ故ファイルは詳しく残っていなかったのだ。
しかしロベルトは撃たれて倒れるまでに2発撃たれていたのだ。
ロベルトの死体の後ろの腰あたりに「ブギーマンがやってくる」という入れ墨があることにボッシュは気がついたのだ。
ロベルトは昔刑務所の警官をしていたときは、囚人のなかにメキシコギャング「ブギーマン」のメンバーが多く、警官も彼らの仲間だったことに気づいたのだ。
この時のシルバー弁護士はいい加減な仕事をしており、拳銃の硝煙反応がルシエンダにあったから司法取引を薦めたのだ。
ボッシュは刑務所に行き、ルシエンダに面会した。面会は弁護士と違い、通常の面会で窓越しに電話会談だった。
ルシエンダから拳銃は所持したことも買ったこともなかったのだ。彼女はロベルトと射撃所に2度くらい行ったことしかないと言った。拳銃を怖がる女性が2発も元夫に撃てるだろうか。

拳銃の硝煙反応を調べた人物がロベルトの同僚で会ったことも、関係者がすることは考えられなかった。
それも女性だったと言ったのだ。
そこでボッシュは何枚かの写真をみせその人物を見つけたのだ。しかも刑務所の防犯カメラがその場面を映していることを確認した。

その頃ハラ―や娘のマディはボッシュの癌が少しずつ進行していることから心配していた。

嬉しい情報はボッシュの指示通り調査したジェニファーがマーカスの無罪を釈放が決まったのだ。

ボッシュはロベルトがFBI 捜査官と一緒にいた情報を得たのだ。そうなるとFBIを法廷に呼び出すのは厄介になるのだ。
連邦地方裁判所では政府側(検事側)がほぼ勝ち、被告側は100%負けると言われていたのだ。
それをミッキー・ハラ―がどんな手段で有利に進めるかが鍵だった。

ロベルトとFBIの関係とはどういう意味があるのか謎だった。ルシエンダはメキシコギャングを恐れていることも分かった。
刑務所に行ったボッシュはエンジェル・アコスタというボスに会い、話すうちシルバー弁護士とFBIに関係していることが分かったのだ。
シルバーはアコスタの事件もルシエンダの事件も担当していて、ほぼ同時期に起きた事件だったのだ。そのうえ、担当判事も両方の事件を担当しているではないか。
ここから事件の展開が見所です。
ハラ―の得意の法廷戦術も始まるのです。ここからは読んでお楽しみください。
大きな闇の組織が無実な若い女性を利用していることをハラ―、ボッシュの義兄弟が暴くのです。本当に痛快です、お楽しみください。
勿論ボッシュの活躍も楽しみです。同時に法廷外でのストーリーも楽しめます。
最後にミッキー・ハラ―自身のResurrection Walkは、コナリーらしいエンディングは笑えます。

余談:
ミッキーがリンカーンを降りる時ボッシュに「また後で(会おう)」 “Later, Gator”(レーラ、ゲーラ)と言います。韻を踏んだ流行りの言い方は面白い。

See You laterの代わりにSee ya Gator  (Alligator)あるいはCrocodile という返事もありです。 Bye Bye Buttaflyとか、Gotta go Buffalo.という使い方もあります。
ミッキーはManslughter をMan‘sLaughterと茶化した言い方もします。
英語で読まれたらより楽しめます。

コナリーもかなり長くなり、ボッシュも70代の老人、人気も陰りが見えてきたのか少し寂しい気がします。ミステリー、ハードカバー自体が売れなくなりましたから仕方がないか。オーディオ(CD)が高額で出るようになり、読者の高齢化が目立ちます。

一冊の中で2件の事件を扱うのはもうやめても良いのではないかと思います。

今読んでるジェフリー・ディーヴァーも最近はNYTベストセラーには登場しなくなった。
デーン・クーンツあたりも面白いが時代の流れからは遅れてきたのかも。私も80代で本が普通に読めるだけ良しとするか。

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