バケツで手作業で防護服なしで混ぜる、みたいなことをやらかして
臨界に達して思い切り浴びてしまった事件。
あのあとの医学的なレポートを読んだことがある。
放射線を大量に浴びると、細胞内の遺伝子、DNAが破壊される。
臨界浴びた方々の細胞内DNAは、見るも無残に粉々になっていた。
DNAが何をしているかはいろいろあるけど、
つまりは「タンパク質合成の命令を出す」んだよ。
皮膚を作るとか血液を作るとか骨を作るとか筋肉を作るとか。
臨界浴びた方々は、どこといわず全部作れなくなったわけ。
命令出す遺伝子、タンパク質作る鋳型を失ったので。
白血病で骨髄移植をする場合、
骨の中の自分の骨髄をまず放射線で破壊する。
自分で血液を作れなくする。
だって自分で作ると白血病の血液細胞ができちゃうから。
そして骨髄移植をする。
造血できなくなった骨髄の空洞にこの細胞が根付いてくれたら、
新しい元気な病気じゃない血液細胞を作ってくれる。
ただしきちんと造血が確認できるまでの間は、
からだ中から白血球がいなくなってしまうんで、感染したら死ぬ。
だから無菌室で寝てるわけ。
白血病なら骨髄内の造血細胞のDNAだけ壊せばいい。
臨界浴びた方々は、全身のDNAが破壊されたので、
当然血液も作れないけど、皮膚が作れないのでけがが治らず、
腸管の表面細胞が作れないので水分吸収ができず、
感染もあちこちで(体内深部も含め)おこり放題で、
おそらく全身がくずくずに崩れて死んでいく。
気の毒としかいいようがない。
もし打つ手があるなら、
「誰かの健康な体に脳だけ移植」というSFみたいなことになる。
(例;ハインライン著「悪徳なんか怖くない」)
今回の事故の被害者さんたちが、そこまでではありませんように。
…お祈りするしかない。
■エックス線照射のまま作業=日鉄工場社員、大量被ばくか―兵庫
(時事通信社 - 06月11日 22:30)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6551942
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