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2021年04月29日11:41

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刻(とき)を描く 田渕俊夫・・・徳川美術館

日本画家・田渕俊夫(1941−)は、日本絵画に伝統的な装飾性と精神性を高いレベルで両立させている稀有な存在です。
日常の営みの中に悠久の時間を感じるという田渕の芸術の根幹は、15年にわたる愛知県立芸術大学在籍時代の活動を通じて急速に確立されていきました。日本美術院理事長となり、文化功労者に顕彰され、まさに画壇の重鎮となった今も、日本画のポテンシャルの高さに気づかせてくれる作品を生み出し続けています。
当地域と浅からぬ縁のあることから、日本美術の優品を豊富に所蔵する徳川美術館で展覧会を開催することとなりました。新作を含め、画家自薦による作品を紹介いたします。

令和元年の新天皇即位にかかる「大饗の儀」で披露された「悠紀地方風俗歌屏風(ゆきちほうふぞくうたびょうぶ)も出品します。

「悠紀地方風俗歌屏風」の展示なんて、もう2度と観ることができないと思って、早速観に行くことにした。その屏風の展示は 5月9日までなので、早く観ておかないと、後悔することになると思った。ゴールデンウィーク中は、混んでしまうかもしれないので、28日がギリギリだった。
東京では、皇居・三の丸尚蔵館で「即位記念の特別展 令和の御代を迎えて」という展覧会で その屏風は 展示されたのだが、こんな地方に住んでいたら、観に行くことはできない。コロナ禍なので、東京には出かけられない。

以前、岡崎市美術博物館の「岡崎の美術100年」という展覧会で、大正天皇が即位した時の「悠紀地方風俗歌屛風」を観たことがあったが、本当に貴重なものを観たという気がした。

悠紀地方風俗歌屏風は、東日本の悠紀(ゆき)地方と西日本の主基(すき)地方のそれぞれの四季をテーマに風俗歌屛風が制作されるものである。悠紀地方の屏風は、画家で東京芸大名誉教授の田渕俊夫さん(78)が描いた風景画に、歌人で愛知淑徳大名誉教授の篠弘(しのひろし)さん(86)が詠んだ和歌四首の色紙を貼った。主基地方は、画家で金沢美術工芸大名誉教授の土屋礼一さん(73)と、歌人で京都大名誉教授の永田和宏さん(72)が担当した。
徳川美術館の展示は、田渕さんが描いた屏風だけ展示されていた。

徳川美術館は、名品コレクションの展示室があり、武具や刀剣、奥道具、書院飾り、茶の湯、能の展示や、今回は「うるわしき花と鳥」という企画展もあり、それらを全部見なければ、田渕さんの絵を観ることができなかった。
展示の順路がそうなっていたので、田渕さんの絵にたどり着くのに、1時間以上もかかった。そこまで観るのに、へとへとになっていた。
源氏物語絵巻の説明映像を観たりもした。

やっと最後の展示室で、田渕さんの絵にたどり着いた。
前期・後期の両方観れば、50点の作品を観れるが、そこまでもう1度行く気がなくなった。前期の屏風を観るのが目的なので、もう充分観させていただきました。
せっかく行ったので、何度も 何度も 屏風を観た。
那須の山が描かれていて、春の桜、滝、夏の風景、秋の風景、冬の風景が描かれていた。
左隻には、ビニールハウスも描かれていて、トラックと人物が二人、小さく描きこまれていた。ビニールハウスを日本画で描いたのは、田渕さんが 初めてだと聞いた。
それをこの屏風にも描いたのは、自分の独自の世界を示したかったのかな。
右隻にもトラックが描いてあった。

この展覧会では、「旅の思い出」というシリーズの絵があり、初めて観た。
ほとんど展示されているものは、個人蔵だった。
「鶴岡八幡宮絵巻」の2巻があり、こんな仕事もしていたんだ。と、思った。
こういう巻物は、全部の絵を観ることができないのが残念だった。

午後4時30分になると、館内放送が流れ、5時の閉館を知らせた。
まだ、30分もあるのにと思った。
10分前になると、「お帰りのお仕度をしてください」とか言う放送が流れた。
もう閉館時間なのか。と、思い、外に出た。


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