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2020年06月22日00:50

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モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」 クリップス/ウィーンフィルほか

モーツァルト「フィガロの結婚」の比較試聴のラストは
クルレンツィス&ムジカエテルナ他のCDで締めくくる予定でいた。
レコ芸で宇野功芳が絶賛していた話題盤だ。

ところが、これが面白くなかった。
クルレンツィスの過激な表現には全く共感できないし、
歌手もあまり印象に残らなかった。

比較試聴でも、ガーディナーは良くなかったので、
結局、良かったのは、
○E・クライバー/ウィーンフィル、シエピほか
○クレンペラー/ニューフィルハーモニア、グリストほか
○ベーム/ベルリンドイウオペラ、ワルター・ベリーほか(東京ライヴ)
○ヤーコブス/コンチェルトケルン、サイモン・キーンリーサイドほか
ということになった。
オペラの大作であるが、名曲中の名曲なので、いろいろな名演を
聴いておきたいところだ。

フィガロと並ぶ傑作の「ドン・ジョヴァンニ」も
6種のCDを聴いたので、その比較も書いておきたい。

今回、「フィガロ」「ドン・ジョヴァンニ」を聴いて
強く感じたのは、これらのオペラには
「神が宿っている」ということだ。
楽しい曲、美しい曲が続く、奇跡のような「フィガロ」、
よりドラマティック、新しい表現に踏み出した
「ドン・ジョヴァンニ」、
傑作揃いのモーツァルトの作品群のなかでも
突き抜けたような超傑作だと思う。

クラシックを長く聞いている人でも
「フィガロ」「ドンジョヴァンニ」を知らない人が
多いのは残念というか、もったいないと思う。
知らない人は、なにがなんでも聴いてみることを
お勧めしたい。

「ドンジョヴァンニ」の登場人物中、個人的に興味深いのは
ドン・オッターヴィオである。
優しく誠実ぶってはいるが、行動力がなく、
なんとも情けない男なのだが、
彼のアリア、2重唱はいずれも美しい名曲ばかりなのだ。
モーツァルトは、ドン・オッターヴィオに、なにか
特別な思いがあったのだろうか?

スタジオ録音では、有名な、クリップス/ウィーンフィルが
いちばんいいと思う。
チェーザレ・シエピをはじめ、歌手が揃っているし
録音も、古いのにもかかわらず、非常に良い。
ドン・オッターヴィオ役のアントン・デルモータは
繊細な美声がこの役にぴったりだ。
クリップスの表現は決してドラマティックなものではないが
歌手の表現力が際立っているせいか、あまり気にならない。

スタジオ録音では、ジュリーニ/フィルハーモニア盤も聴いた。
クリップス盤にない深い響きが好ましいが、まだジュリーニの
若い頃の録音であり、全曲を通して聴くと、割と控えめな
サポートに徹しているのが物足りない。

ジュリーニ盤も人気のある名盤だが、
このオペラは、ライヴの名盤が多いのだ。
次回はそれについて書いてみたい。

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