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2020年04月28日18:08

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■5年ものの国際免許証

■5年ものの国際免許証

マンチェスターでトライアスロンの世界選がロンドンオリンピックの招致活動の一環として開催された。スイムは高速道路で30分くらい離れた湖だった。レンタカーでミニバスを借りてチーム全員が乗って、試しに泳ぎに行くと大変なことがわかった。水温が18度しかないのだ。

まず、ホテルでレンタカー屋さんの場所を聞いて、ナショナルチームのコーチたちとテクテク歩いて行った。ハーツのレンタカー屋さんの女性従業員が、どんな車を借りたいのかを聞いてきた。1台に10人以上乗れて、バイクを10台載せられるやつを2台とオーダーした。

5年以上経過している期限切れの国際免許証を見せて、日本の免許証も見せた。国際免許証なんかヨーロッパでは珍しく、どの国も免許証は10年から25年の期限になっている。国際協定に入っている国は自国の免許証で通用する。ハワイもそうで、国際免許証はいらないし、期限なんて全く気にしていないことに気がついたので。ヨーロッパでもキューバでも、ずっとこれを提示していた。

国際免許証には大型のところに印がついているので、すぐに頃合いのサイズのミニバスを探しに行ってくれた。日本でトヨタのコースターを運転しているので大丈夫だろうと思っていた。しかもイギリスは左側通行だから戸惑いも少ないので、日本の厳格な試験を経た免許を持っていれば誰でも運転できると思っていた。

大きなミニバス2台が慌ただしく準備され始めた。従業員が種類に記入し始めて、国際免許と、日本の免許のナンバーを書き写し、コピーをとって書類に張り付けた。ところで、もう一人の運転手は誰ですか?と質問してきた。そうだ決めていなかった。

誰が運転するの?とコーチに聞くと、こんなでかいミニバス運転する自信がないというのだ。しょうがないので君がやりなさいと指名すると、なんと国際免許証を忘れたというのだ。使えないやつだな〜。日頃は目立ちたがり屋で、英語が堪能と、話して解決しようとするタイプの人だった。

ヨーロッパじゃビジネスやりたくて英語を勉強している人にしか通用しないけどね。そうなるとコミュニケーションが取れなくて困ってしまうんだよね。でもイギリスは英語圏だから、話せばわかるはずだけど、正式な国際免許証という書類が必要だと思い込んでいるから、いつもの積極性が発揮されない。

ところが正式な書類を忘れたものだから、車を借りられないと思い込んでしまっている。そこを何とかして突破するのがコミュニケーションじゃないの。相手はレンタカー屋さんで、車を貸してお金儲けしたいわけでしょ。彼は日本の免許証は持っているわけ。幸いなことにパスポートも持っていた。

さらに支払いはVISAのクレジットカードだから経済的な信用もあるわけだし、こっちは逃げも隠れもしないわけで、料金の取りっぱぐれもないわけ、保険だってフルインシュランスで加入するので問題ない。あとは国際免許証を忘れただけでしょ。ここまで書類があれば、あとは話せばわかるはず。

女性従業員は日本の免許証でいいと言ってくれた。ただし、私には漢字が読めないので、トランスレートしてくれという。パスポートを指差しながら、これが名前の英語表記、免許証ナンバー、運転できる車はこれと、僕の期限切れの国際免許証の大型を指差した。これで一件落着のはずだ。

ミニバスに乗って驚いた。何とフロアシフトのクラッチ付きだったのだ。しかも、ミニバスじゃなく立派にバスなのだ。回転半径が大きく死角だらけだ。慣れていないと運転がかなり難しい。コーチはギヤは入らないし、加速はトロトロだし、曲がると内輪差で歩道に乗り上げている。

これで高速道路に乗って湖まで行けるのか。高速を降りたら両側を石垣に囲まれた細い道の牧場を通過して、湖へ行けるのか。レースの朝はホテルで選手と自転車を連れて会場まで行かないといけないのに、とりあえずホテルの近くで運転の特訓だ。変速はシンクロが甘いのでダブルクラッチを教えた。

曲がるときは内輪差をチェックして、運転席から見てこの窓のピラーのところにきたらいっぱいまでハンドルを切ると、歩道へ乗り上げないで曲がれると指示を出して、コーチは脂汗をかきながら運転していた。1時間ぐらい練習して、マンチェスター市内から高速に入った。

1度くらいはコースの下見をしておいた方が安心だから、思い切ってガイドして湖まで行くことにした。ギヤのつなぎが下手くそで、ギャーギャー音をさせて、フロアシフトの長いレバーの操作を繰り返して、ギヤの収まりを確認している。反対側の車線を見ると、高速道路をマンチェスター市内へ向かって、トライアスリートが自転車で走っている。

高速道路が世界選手権のコースなのだ。何とか無事に湖へたどり着いた。石垣に囲まれたアップダウンのあるワインディングのコースは、とてもテクニカルだし、かじかんだ手でのブレーキングは難しいコースだ。暑い国でも大変だが、寒い国でのトライアスロンもデンジャラスだ。スイムを上がるとめまいがするほど冷たいという。

明日のコースの下見は、高速道路をバイクで走るのか。帰り道で確認すると、選手のバイクはゆるい下り坂で時速80km以上出ていた。マンチェスター市内のバイクフィニッシュまでの平均時速は50km以上になりそうだ。ロンドンオリンピック誘致のために、すごいところで開催されるんだなと思いましたね。




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