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2020年04月02日13:19

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ショートミステリー(4)金の力



ショートミステリー(4)金の力 2

「ケン、雪が降ってきたわよ、大丈夫なの?」

キャサリンとケンは友人だった。
キャサリンは夢を生きる理想主義者だったが、ケンは全ての価値をお金に換算する現実主義者だった。
ケンはそんなキャサリンが好きだったが、キャサリンはお金が何でも解決できると思っているケンが嫌いだった。

ケンはキャサリンをドライブにさそった。
キャサリンは気が進まなかったがついていくことにした。

ドライブの途中道に迷い、山道でおまけに雪が降りだした。

ケン「しまった、もうガソリンが無い、ここらで休憩しなければならない」
キャサリン「どうしてガソリンを満タンにしてこなかったの?」

ケン「ガソリンを満タンにすればそれだけ余分な重量を積むことになり、燃費が悪くなるんだ。道に迷わなければ十分に帰れるよう計算していたんだ」
キャサリン「あなたってどうしていつもそうなの?なんでも計算通りにいくと思ってるの?そんなにケチってお金貯めてどうするのよ」

ケン「これは考え方の問題だ、少しでも無駄を省き合理的な思考をしないと厳しいビジネス社会では生きていけない、実生活も同じだ」

キャサリン「あなたにはお金が全てなのね。お金で私の心を掴めるとでも思っているの?お金で私たちの寿命を延ばすことができるの?そんなことは出来やしない、お金なんて無力よ!」

ケン「・・・・・。あそこに小屋がある。あそこで休もう」

二人が小屋に入ると雪は更に激しくなり、吹雪になった。

キャサリン「寒いわ。こんな吹雪では誰も助けに来ない、凍傷になるわ。私たち助からないわ、ここで死ぬのね、、」
ケン「キャサリン、しっかりするんだ!眠っちゃいけない!」

キャサリン「もう駄目だわ、、、」

キャサリンはもうろうとした意識の中で、何故かが目の前でメラメラと燃える炎を見た。
その炎の光が二人の顔に反射して幻想的でロマンチックな雰囲気を醸し出した。

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翌朝になって雪が止み、二人は救助の人に助けられた。
ケンは翌日ビジネスに使う為の1000万円の紙幣を車に積んでいて、それを燃やして暖をとった為、二人は凍傷になることも無く命を長らえた。
キャサリンはケンの求婚を受諾した。






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