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2020年01月31日18:12

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LRT化を機に高岡地域の交通体系再構築を

 新幹線の開通に伴ってJRの並行在来線は原則として第三セクターに移管されることになっていますが,新幹線と並行しない路線についてはJRの路線として残ることになります。富山県においても北陸本線は「あいの風とやま鉄道」に移管されましたが,高山本線や氷見線,城端線といった路線は現在もJRの路線として残されたままになっています。このうち高山本線についてはその名のとおり富山と名古屋とを結ぶ特急列車が何本も走る本線ですから今後もJRの動脈として運営が続けられることになるでしょうが,高岡から北に向かう氷見線と南に向かう城端線についてはLRT化などの方策を検討することになるという報道されています。JR西日本は新幹線開業時から「城端線・氷見線のようなローカル線をずっと抱え続けることは無理」と考えていたということですから,地元自治体も何らかの形で運営に関与することになりそうです。因みに「LRT化など」といっても2018年度の平均通過人員(1日1キロ当たりの輸送人数)を見ると城端線2,899人,氷見線2,552人とかつてに比べて利用が減っているとはいえバス転換では賄いきれないだけの需要があり,今後は既存インフラを活用するLRT化が図られることになっていくと思われます。

 これは地元自治体にとっては新たな負担が発生する事態で,関係者は頭を抱えているかもしれません。しかし氷見線や城端線のLRT化によって高岡市を中心とするこの地域の交通体系をよりすぐれた形に再構築することも可能で,その方向に向けた施策を期待したいところです。
 高岡市には路面電車「万葉線」があり,現在も高岡駅と射水市とを15分間隔という頻繁運転で結んでいます。北陸新幹線の開通前は高岡駅には全ての特急列車が停車していましたから,都市間輸送を支えるフィーダー(支線)路線として非常に大きな役割を果たしていました。しかし現在,北陸新幹線は高岡駅ではなく城端線で一駅南隣の新高岡駅に停車しており,万葉線はフィーダーとしての役割を失ってしまっています。これは地方の私鉄にとっては致命的な問題で,青森県三沢市では東北新幹線開業によって三沢駅での特急乗換が出来なくなった十和田観光電鉄が廃止に追い込まれました。放置しておけば万葉線も同じことになりかねません。しかし城端線をLRT化することで万葉線の乗入を実現して新高岡まで直通すれば,再びフィーダーとして機能させることが可能です。また万葉線と氷見線は能町駅付近までほぼ並行して走行しており,旅客列車については(氷見線には貨物列車もある)万葉線に一本化して合理化を図ることも検討に値すると思われます。実は万葉線は一度は廃止も検討されていたものを2002年に第三セクター鉄道として再出発し,それ以降車両や軌道を整備し直して営業を続けているという経緯があります。このまま廃止になってしまっては一体何のために再整備して営業を続けているのかという疑問を向けられかねない状況ですが,氷見線や城端線をLRT化するということになれば上記の方策の実現に向けて動くことも充分に可能でしょう。
 幸い,富山県にはローカル線をLRT化するノウハウが既に蓄積されています。富山市内のJR富山港線をLRT化して活性化した実績があり,間も無く富山地鉄の市内線(路面電車)との直通運転もスタートします。そうした前例を参照することは,実現に向けた事務的・技術的な問題の解決にもきっと有益だと思われます。

氷見線や城端線のLRT化という話の裏には「ローカル線をずっと抱え続けることは無理」というJR西日本の事情があるわけですが,万葉線をも巻き込んで地域の交通体系をより優れた形に再構築する絶好の機会でもあります。富山県や高岡市・氷見市・砺波市・南砺市などの沿線自治体にさらに射水市にも加わって頂いて,是非優れた交通体系を築き上げて頂きたいと期待しているところです。



JR西日本、城端線・氷見線「LRT化など新しい交通体系の検討」提案
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=95&from=diary&id=5954062
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