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2018年02月25日09:25

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レイテ(40)

前回書いたアメリカの駆逐艦、ジョンストン、ホーエル、ヒーアマンの3隻はいずれもフ
レッチャー級駆逐艦である。フレッチャー級駆逐艦は1939年に成立した両洋艦隊法に
よって建造が決定されたもので、1942年から就役開始した。当時のアメリカ最新鋭の
駆逐艦であった。これは普通というか艦隊戦を想定して造られた駆逐艦で、以前に書いた
船団護衛用の護衛駆逐艦とは異なるものである

1942年から1944年までの約2年間で175隻が就役している。ちなみに第二次世
界大戦で日本海軍が使った駆逐艦の総数は174隻である。日本の場合は大正6年以降に
建造されたものの総数だ。フレッチャー級は第二次大戦型駆逐艦の完成形と言われ、大変
によくできた駆逐艦だった。MK12・5インチ両用砲にはレーダーと連動する射撃管制
装置が組み込まれ、特に対空射撃が優れていた。これにマリアナ沖海戦から実用化された
VT信管が組み合わさることで、レイテ沖海戦以降の日本軍の新戦術「特攻」に対して大
きな防御力となった

ただしMK12・5インチ両用砲は自動装填装置や砲身駆動装置・制御装置が大型化して
しまい、駆逐艦の主砲としては大きくて重い物になってしまった。そのためフレッチャー
級も基準排水量2千トンと、従来の駆逐艦よりも大きめな艦になってしまい大量生産には
向かない艦となってしまったのである。そのため当初予定したよりも建造ペースが落ち、
2年間で175隻(しか)造れなかった。それでも4日に1隻のペースだが

船団護衛用の護衛駆逐艦はディーゼル機関で24ノットと、当時の駆逐艦としては極めて
低速だったがフレッチャー級は艦隊型なので蒸気タービン機関で36ノットの速力が出せ
た。戦争終結後には西側諸国に「払い下げ」られた艦もかなりある。日本の海上自衛隊に
も2隻が、護衛艦「ありあけ」「ゆうぐれ」として就役している

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