mixiユーザー(id:280973)

2017年09月23日14:35

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『望郷』

「湊かなえ」って、よほど幸せな人生を送ってきた作家なんじゃないかと思っている。でないと、あんな(血が通っているという意味で)情のない、人の心を踏みにじったような話が書けるはずがない。過去の環境や経験をかなり活かしていながら、私小説的な要素はほぼ皆無なのだろう。私から言わせれば「淡路島のオバハン」なんだけど。

 それはさておきというかどうでもよくて(笑)、彼女の瀬戸内の島を舞台にしたミステリー短編「夢の国」「光の航路」にオープニングとエンディングを加えて1つの長編映画としたのが本作である。犯人捜しではなく、それぞれ抱えて生きてきた家族に関わる わだかまりや疑念が人生での経験を積み重ねていく中で解き明かされていく様子を外連味なく描いていく。片や母の、もう片方は父親の。
 
 実はそんなに大した話ではないのだが、菊池健雄監督の堂々たる王道を往く演出はそう感じさせない。


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