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2017年09月01日19:56

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(その六)「第12回 映画の復元と保存に関するワークショップ」

「第12回 映画の復元と保存に関するワークショップ」
27日(日) 講義と上映。濃い話はまだまだ続く!


○13:15〜14:45 セッション3「フィルムラボの技術継承〜タイミング編〜」
モデレーター:三浦和己(東京国立近代美術館フィルムセンター)
登壇者:鈴木美康(国立近代美術館フィルムセンター)、郷田真理子・益森利博(株式会社IMAGICAウエスト)、小泉洋子(株式会社東京現像所)
☆タイミングとは、フィルムの色調を補正すること。デジタルの場合はグレーディング、またはカラー・コレクションとも言う。意味は、ほぼ同じ。
70年代後半からあらゆる名監督&名キャメラマンと組み何百本も、あの『幻の湖』(1982)までやったという、タイミングの神様である鈴木氏が登壇。
しかし、「苦労話は監督の悪口になるからなあ」と、あまりしゃべってくれない。
「出来あがったフィルムを直すのではなくて、最初から良い状態で撮ってもらうことが大事。症状が悪化してから直すのではなくて、“予防医学”みたいなもんだよ」という話が面白かった。


○15:15〜16:45 セッション4「旧作宣伝会議!」
モデレーター:高木希世江(日本映像アーキビストの会(仮称)呼びかけ人会)
登壇者:山下泰司(株式会社IMAGICA TV)、鵜澤由紀(松竹ブロードキャスティング株式会社)、内藤由美子(シネマヴェーラ渋谷:支配人)
☆名画座の古い映画上映に、どうやったら足を運んでもらえるか? 古い名画のDVDをどうやったら買って貰えるか? ただ「名画だから」という理由では金を出して貰えない。そこには付加価値が必要なのだ。
―――しかし、その付加価値とはいったい何か? 

それは劇場でのゲスト・トークであったり、無声映画の音楽ライブ付きであったり、学習向上に役立つものであったり、未放映の希少価値があったり、充実感を与えるモノだったりする。
近頃は声優ファンのために、DVDに昔の吹替音声を入れるのが“付加価値”になる。(確かに、ルパン・メンバーの吹き替えでなければ、私はセルジオ・レオーネDVD-boxを8000円も出して買わなかった)
『女と男のいる舗道』(1962)のDVDに、昔の吹替が入ってないという理由で★一つ減らされたらしいが、発売側は「そんな吹替があるわけないだろ!」とブチ切れたとのこと。

面白かったのは、『8 1/2』(1963)をニコニコで実況したときに、まったくフェリーニを知らない人が書き込みのリアクションを読みながら最後まで鑑賞(?)出来たというエピソード。
古い名画はいろいろと売り方を考えなければならない。
などなど・・・、悩みは尽きないようだ。


さて、やっとこさで終盤だ。
○16:45〜17:15 実習報告会
☆初日の実習風景と報告。・・・ああ、悔しい!参加したかった!

そして、
〇17:15〜17:45 閉会の辞
登壇者:太田米男(おもちゃ映画ミュージアム 一般社団法人京都映画芸術文化研究所)
☆太田先生が京都で10年間頑張ったことを、東京がたった二年で追い抜いてしまった。悔しさたっぷりに、「東京も来年やったらマンネリになるから、来年は京都でやる!」と、今年も負け惜しみ宣言。
東京だからこそ、首都圏からこんなに若い人や業界人がたくさん参加してくれたのに、それをマンネリなどと腐してはいけない。そもそも今回も京都からは誰一人として(京都文博も大学さえも)参加してないではないか? 
京都人でもない太田先生は、どうも「東洋のハリウッド・京都」に幻想があるようだ。


最後に集合写真撮影をして解散。
これで講義は終了。
しかし、最後の上映会が、まだ残ってた!隣の東京現像所に移動だ!
(続く!)
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