mixiユーザー(id:280973)

2015年10月28日22:20

289 view

『名もなき塀の中の王』


 原題:starred up = 少年院で更生しそうもない凶悪なやつを(成人向けの)刑務所に移管しちまえというイギリスの制度のことを言うのだが、ここでは主人公に人生の主演者として自ら生きていけという父親からの息子へのエールが籠められているようにも思う。

 遺伝ではない。環境である。環境が改善されないから、まるで遺伝でもするかのように犯罪者を生んでいく。終身刑の父親が服する刑務所に殺人を犯した息子が移送されてくる。極めて粗暴で感情がコントロールできない。ヒネきっているが頭は悪くない。父親もまた息子以上。ご多聞に漏れず、刑務所の中では暴力とドラッグ、不正が罷り通っている。地獄の沙汰も金次第。副所長と牢名主のような古株がつるんでいて、いうことを聞かない囚人は自殺に見せかけて殺してしまう。(この辺ネタバレ含んでるけど、ミステリじゃないから遠慮しないよ) 父親は息子に自分の轍を踏ませないと(もう踏んでるんだけど)、早く更生させようと忠告し、更生プログラムに参加させるが父親としての?妙な嫉妬心が働いて努力をオジャンにしたり…。息子は当然父親に反発するが…

 父親を演じるベン・メンデルソーン(『アニマル・キングダム』『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ 宿命』など)の演技が白眉の出来。親とはかくも愚かしくも愛おしいものか。












0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年10月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

最近の日記

もっと見る