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2015年06月12日15:58

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今月のLC外伝ネタバレ

◆教皇(シオン)vs時の神(カイロス)、決着の瞬間(とき)、迫るッ!
神を超える、覚悟はあるか!?

シオン編最終話 Clamp

「んはははははーッ!この俺をテンマとアテナ様に裁いてもらうだ!分かってんじゃねえか。この時の牢獄が自分の手に負えねェってな!最後にゃ神頼みたァ情けねェ教皇様だよなァ!?この空っぽのアテナ神殿みてェによォ!」
「試してみるか?」
「!?」
シオンは小宇宙を高めた。星々が出現する。
「こいつ…、いつの間にこんなに育ってやがる…!」
「スターダストレボリューション!」
星々の回転がカイロスを撃つ。神殿の地面がえぐれる。
「これが…教皇になったこいつの小宇宙かよ…!くっそ生意気だぜ…。ガキの時と全く違う…!」
「あの頃の私はただの一聖闘士に過ぎん。この座を賜り、私がただ過去を懐かしみすごしただけだと思うか。今の私は教皇シオン。この聖域を次代まで護る者よ!過去への、現代の、未来への…!全ての鎹(かすがい)となる者よ!」
「くっ…、調子に乗るんじゃねェーッ!」
カイロスの闇がシオンを襲う。だがそれは牡羊座の聖衣を纏ったシオンの一払いで消え失せた。
「この地上で調子に乗ったのはどちらの方だったか。この地上は戦女神(アテナ)様の護る地ぞ!」
「この…ナメんじゃねエエーッ!」
星屑がカイロスを襲う。だがカイロスは時間を止めてそれを防いだ。
「時を止めてスターダストレボリューションを回避したか…。もう少し手早くやるべきだったな」
「んははははは…。いっちょ前の口叩きやがって…。だから人間は大っ嫌ェなんだよ…。ついこの間まで脇役の小僧だったくせによ。数年経ったくれェですまして主役面(づら)してやがる。だが言っとくぜ…、教皇のクソガキよォ…」
カイロスがシルクハットを拾い、かぶる。
「所詮人間は主役にゃなれねェってよー!」
カイロスが時間を巻き戻し始めた。
『自分を中心に急速に時間を戻していく…。これは…!?』
「リワインドワールドーッ!」
「なに…。時の流れが激流のように…。うわああぁあぁーッ!」
テネオは異変を感じた。
「今…シオン様の小宇宙が消えた。それに…何だ?あのアテナ神殿で渦巻くあの邪悪な小宇宙…」
神殿が、聖域の建物が崩れていく。
「何だ…神殿がひとりでに崩れていく…。一体…」
『いや…違う。これは…!修復した神殿が元の廃墟に戻っている!?』
「いけない…このままでは皆…!」
テネオの体は小さくなり、幼児の姿になっていった。青銅聖闘士や白銀聖闘士が聖衣を残して消える。
「消えた…。生まれる前まで戻ったというのか…・それじゃあ…まさか…。シオン様は…!」
テネオもまた聖衣を残して消えた。
「んははははは。良ーい気持ちだぜ。床も柱も土に還る。やっぱり俺はまだ神だ…。この人間の体でここまで出来る…。ここで終わるわけにゃいかねェんだよ!」
「奇遇だな。私も同じことを思っていた」
そこには牡羊座の聖衣を纏ったシオンの変わらぬ姿があった。一瞬にしてその姿が消える。
「…なるほど。テレポーテーション…。自分を一瞬だけ他次元を通し転移させる。その間は俺の時間の影響は受けないってか…。所謂ワープって奴だ…。何でテメェがあの男の戦い方をしやがる…」
「双子座の聖衣が教えてくれた。彼…アスプロスはお前の時間技を無効化する為に、その場所を切り離した空間ごと光速移動させたとな」
「思い出したくもねェ…。あんなことができる人間が二人といてたまるかよ…だが、並外れたサイコキネシスを持つジャミール一族のテメェなら…一瞬の間、己の肉体のみそれに近い状態を作れるってわけか…。んはっ…、んはははは…」
「!」
「なんなんだよ、テメェは…。何でテメェと戦ってんのに死んだあの男の影がチラつく。いや今回だけじゃねェ。ムーの遺跡でも何でアヴニールがテメェを助ける…。気持ち悪ィんだよ!何でテメェの中にはいつも消えた人間が詰まってやがるんだよ!」
「先程言ったはずだ」
「ホント気持ち悪ィ。いい加減消えろよテメェ…。これ以上もう、おれの邪魔をするんじゃねェーッ!」
『時の激流が迫る…!』
「ヘッ。そのテレポーテーションも所詮その場しのぎよ…!姿を現してる時ゃどうしたって時間の影響を受けちまうもんなァ!」
「!」
「そーらもっとだ、クソガキ。そのまま聖域ごと消えてなくなっちまえー!」
『いかん…!』
「うわぁあああーッ!」
シオンは時の激流に飲み込まれた。
気付くと、教皇の間の扉の前にいた。
『ここは…教皇の間の扉。何故…。私はカイロスと戦っていたはず。まさか私は…』
「何を呆けて突っ立っておる」
背後から師の声がした。ハクレイとセージが並んで後ろに立っている。
「教皇たる者、そのような顔を人に見せるでない。皆が待っておるぞ」
扉を開ける。教皇の間には、先の聖戦を戦った黄金聖闘士たちが一堂に会していた。カルディア、エルシド、アルバフィカ、デジェル、ジシフォス、童虎、ハスガード、マニゴルド、アスミタ、レグルス、デフテロス。
『これはきっと、時の渦が見せる影像…。そうだ。私は彼らの失った時間を生きている。彼らが願っていたであろう未来に』
シオンは奥に進み、玉座の背後、アテナ神殿へ続く通路へと駆け込んだ。アヴニールがそこにはいた。
『その未来は決して…暗いものであるはずがないのだ』
通路の奥に光が見える。アテナと天馬星座の聖闘士がいる。
シオンは異空間から姿を現した。寸前でテレポートし、カイロスの時の激流をかわしたのだ。だがその影響で体は少年に戻っている。
「な?テメェ…寸前でテレポートを…」
「弄ばせん。私達の…未来は!」
星屑がカイロスの胸を貫いた。
「テメェ…、やりやがっ…」
カイロスから力が失われる。時の激流が戻っていく。
「あ…あああ…、時の牢獄が崩れる…時が戻ってく…」
カイロスは地面に落下した。
「痛ェ…。許せねェ…クソガキ…。許せねェェーッ!」
その時、カイロスの前に神聖衣をまとった天馬星座の聖闘士と、同じく神聖衣を纏ったアテナが現れた。
「んは。んはは…この小宇宙…。テンマか?やっと来たかよ…。なあテンマ…母さんに会いたくねェか?その神聖衣で天界に乗り込んで母さんの魂、拉致んだ」
「……」
「そのついでに天界の奴ら皆殺しにしてよ!楽しいぜ…!おれもパルティータちゃんにもう一度会いてェ!なァテンマ…もう一度…」
アテナと天馬星座の聖闘士がアテナの盾を構えた。盾から光が発せられ、カイロスの体を撃った。カイロスの魂が浄化される。そして残ったのはミイラとなった杳馬の亡骸だけだった。
「この世の邪悪を祓うというアテナ様の正義の盾…。裁きはどうやら下ったようだな…。邪悪を祓われ、残ったのは古い骸(むくろ)一体とはな…」
シオンが片膝をつく。
「これで聖戦は完全に終わりました。お戻りくださって心より嬉しく思います。たとえ聖衣だけであっても…。アテナ様…そしてテンマよ」
シオンがひざまずく先には、女神像の姿に戻ったアテナの聖衣と、初期状態の簡素な姿になったペガサスの聖衣があった。
「願わくば次の戦いまで、この世界の何処かで安らかであられますよう。それまで私が世界を守りましょう」
『思い出は一番の強敵だと思っていた』
カイロスの力が失われ、テネオも、他の聖闘士たちも、聖域ももとの姿に戻った。
『だがそうじゃない。秘めろ、未来へ連れていく為に」
◆思い出は力となる。眩しき未来を見据える限り。
◇牡羊座のシオン編・完!*次号は休載します。9月号(8月12日発売)より『外伝』最終章、聖域を支え続けた老双子編、始動!


作者コメント:来月お休みさせて頂きます…が、また暫く頑張らせて頂きたいと思います。

シオン編、完結です。
最後にあらわれたサーシャとテンマは幻影…かな。魂は天界にいて、聖衣だけが戻ってきた、ということかな。
シオン、立派に成長し、貫禄がつきました。
次回から老双子編、これで外伝は終わりのようです。三巨頭外伝とかパンドラ外伝は見られんのか…。
シオン編が全7話だったので、単行本にはユズリハ外伝が入るのかな?老双子編が一話完結ってことはないだろうし。
もうしばらくLCが楽しめるようでうれしい。

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