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2015年04月29日00:39

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<ヘーラクレイダイの帰還>第8話

最終話です。

<ヘーラクレイダイの帰還>第8話

 メッセーネーを得たクレスポンテスですが、彼はメッセーネーを五つの区に分け、各区に代官を置き、土着民にドリス人と同じ権利を与えました。しかしドリス人がこのやり方に反対したため、首都をドリス人だけのものとしたところ、今度は土地の大地主が不平を唱えて反乱を起こし、クレスポンテスと二人の息子を殺してしましました。
 一説にはクレスポンテスを殺したのは、ポリュポンテスというヘラクレスの末裔の一人でした。ポリュポンテスはクレスポンテスの未亡人メロペを強引に妻にし王位につきましたが、クレスポンテスの末子のアイピュトスは祖父のアルカディア王の元に逃れ、成人したのち、ドリス人とアルカディア人の協力を得てポリュポンテスを殺害して父の復讐を果たし王位につきました。
 また別の説では、アイピュトスは母の意向でアイトリアに逃れ、老いた従僕が母子の連絡をしていました。ポリュポンテスはアイピュトスの無事を知り、彼を殺害した者に莫大な報酬を約束します。アイピュトスはテレポンテスと名を偽って帰国し、アイピュトスの殺害者と称してポリュポンテスに報酬を求めました。ポリュポンテスは信じず、彼を客としてとどめます。老僕がアイピュトスの不在をメロペに報告し、彼女はテレポンテスが息子を殺害したと思い込んで彼を殺害しようとしました。しかしすんでのところで老僕が現れ、テレポンテスが実はアイピュトスであることを認めます。ポリュポンテス殺害を支持したメロペは、悲嘆を装い、今や支柱を失った女としてポリュポンテスにすがりました。ポリュポンテスはアイピュトス殺害を信じ、感謝の犠牲をささげるとして、テレポンテスに犠牲獣を殺すよう命じます。その時、テレポンテスが正体を現し、犠牲獣の代わりにポリュポンテスを殺して復讐し、王位につきました。
 こうして時代は少しずつ神話から歴史にと移っていったのです。
 
<FIN> 

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