「愛」を守るための戦いが神話を歪める大罪だというのならば、私は進んでその罰を受けましょう…。
★星矢＆竜魔、奇跡のタッグがデスマスクに挑む！
episode10★神書
「沙織さんがクロニクルに取り込まれただと！？どういうことだ、デスマスク！？」
「神に反旗を翻したアテナを神話通りの女神に戻すのだ！城戸沙織の魂を消すことによってな！」
茨に縛られた沙織の姿。
「なんだって、沙織さんの魂を！？」
『そんなことはさせない！』
竜魔が問う。
「……。沙織…。あんたが救おうとしている女性か」
「ああ。こんなところでグズグズしてはいられない。退け、デスマスク！」
星矢が流星拳を撃つ。
「バカが。またも一つ覚えの流星拳か。聖闘士に同じ技は通じん。いくら小宇宙を高めて威力を増そうが、貴様のその技を俺が何度見たと思っている！」
竜魔が言う。
「なるほど。……。こいつには同じ技が通じない、というのであれば、変えればいい」
星矢がデスマスクに挑む。
「受けろ、デスマスク」
「愚かな…。積尸気冥界…」
フッと星矢の姿が消える。
「！？なに！？」
デスマスクの背後にテレポーテイションした星矢が技を出す。
『瞬間移動！？サイキックか！？』
「ペガサス流星拳！」
その拳はデスマスクの黄金聖衣を破壊した。
『バ…バカな！？直撃されたとはいえ青銅ごときの技で、黄金聖衣が粉々に砕け散るとは…！？何故…』
竜魔と星矢は砂漠に戻ってきた。
「…どうやら黄泉の国から脱出できたようだな」
「助かったぜ。…えっと竜魔って言ったっけ。悪いがここでお別れだ。先を急がなくちゃなんないんでね」
星矢の視線の先には塔がある。
「俺も行こう」
「え。なんでだ？この先にはきっと危険が」
「この出会いを運命とするなら、この先にはきっとあいつがいる…。風魔の小次郎がな…！」
小次郎と竜児は塔を目指して走っていた。
「くそっ。あの塔ちっとも近くならねぇ。まだ遠いのか」
「とにかく急ごう、小次郎」
「おうっ」
菊は現れた一輝の姿に驚いていた。
「…い、一体、誰だっちゃ…」
一輝が記録者に近付く。
『剣崎や竜児か…、いや、それ以上の闘志を、炎のように燃え上がらせているこの男は！？』
「…フェニックス…。貴様、どうやってここまで…」
「一階から昇ってくるなどという面倒はごめんだ。俺は不死鳥（フェニックス）…鳳凰の羽ばたきでどこまでも飛べる。さあ、アテナを元に戻せ」
一輝が記録者をにらむ。
「ヒッ」
彼女の手からクロニクルが落ちた。
「お前が神話を記録している者だとすれば俺のこともよく判っているはずだ。たとえ相手が女だろうと悪い奴なら遠慮なくぶちかます男だとな！」
「そこまでにしてもらおうか」
二人に介入した者がいた。
「そう怯えるな、記録者（レコラ）」
「あなた様は！」
「…神話に記載されている通りだな、フェニックス。ここは文字通り神聖なる場所。野蛮な男の手で汚してもらっては困る」
「何者だ」
「わたしは、神の書物」
現れた男がクロニクルを拾う。
「神書、イーリアス」
★悠久の時を記してきた歴史の番人…イーリアス！
作者コメント：単行本�ヾ�が出て、ものすごく嬉しいです。ぜひ、お手に取ってください！
今月号は表紙カラー。一輝と瞬です。扉絵はアンドロメダのように鎖に縛られている沙織さん。
このデスマスクは本物なのかなぁ。
付録は高河ゆん『星矢』同人誌傑作選。原作者と編集者のチェック済み…チャレンジャーというかフリーダムというか…。30年前の原稿が良く残ってたなぁ。一輝とブラックスワンの話です。
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