夫はまじめな人間で、常に物事に対して一生懸命でした。
特に自分の仕事でもある音楽に対しては、ことのほか真面目でした。
彼がオーケストラに所属していた頃、時々「音楽教室」と称して
小学校や中学、高校と、いろんな学校に招かれ、てオーケストラ演奏を
子どもたちに聴かせていました。
音楽ホールで開催される定期演奏会等では、楽団員は一生懸命演奏をしますが
「音楽教室」においては適当に手を抜いて演奏するらしいのです。
相手は子どもたちだから、この程度でいいのだという思いです。
でも彼は違いました。
たとえ相手が子どもであっても、どんな人が聴衆であっても、他愛のない童謡でも、
たとえ「森のくまさん」でも、一切手を抜くことなく演奏したといいます。
今日の演奏が、自分にとって最後の演奏になるかもしれない。
いつヴァイオリンが弾けなくなるかもしれない。
だから今日一番いい演奏をしよう。常にそういう思いで毎回演奏に取り組んだといいます。
確かに、明日何が起こるかわからない。
自分にとって、今日が最後の日かもしれない。
そう考えれば、おろそかに日を費やせません。
私も、その思いできっちりと暮らしていかなければ。と時折反省しています。
夫自慢をしてしまいました。お許しを・・・。
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